経済学(第3週) 前回分(第1章 準備,1-1):キーワード ・ ・ ・ ・ ・ ・ 生産,分配,消費 市場と組織 競争市場と均衡 市場の失敗と政府の介入 ミクロ経済学とマクロ経済学 経済主体,経済部門 1 1-1(p.9-10)キーワードの補足 ◆ 財(,サービス)の区分 ① 私的財/公共財 ② 最終消費財/投資財 ◆ 生産要素(資本,労働) 2 1-1 経済循環:まとめ ◆ 市場経済の主役は家計部門や企業部門といった 民間部門 ◆ 家計:労働サービスや資本(資本財に支出するた めの資金)を企業に供給する。その対価として賃金 や利子,配当などの所得を得る。所得を財・サービ スの購入(需要)に向ける(残りは貯蓄する)。 ◆ 企業:労働サービスや資本(資金)を需要し、それ らを用いて財・サービスを生産(供給)する 3 1-2 ① GDPの性質 ◆ GDPとは: ・ 国内総生産(Gross Domestic Products) ・ 一定期間(1年)に、一国の国内で生産され た財・サービスの(粗)付加価値の総額 ・ 付加価値とは、企業の生産額から、原材料 などの中間投入額をさし引いた大きさのこと 4 例)自転車の生産にともなう付加価値の発生 ゴムの生産(40万円) 付加価値 40万円 (ゴム産業) (中間投入) タイヤの生産(100万円) 40万円 付加価値 60万円 (タイヤ産業) (中間投入) 自転車の生産(170万円) 40万円 60万円 付加価値 70万円 (自転車産業) G D P (国内総生産)=付加価値の合計(40+60+70) =(最終生産物の合計)-(中間投入の合計) 5 ② 三面等価の原則 ◆ 一国におけるGDPは、各主体ごとの(粗)付加価 値を集計することで求められ、これを生産GDPとい う。 ◆ GDPは実際に市場で取引された付加価値の総額 であり、その価値に等しい収入(誰かの受け取り)や 政府の移転が発生している。GDPはそれらを集計 することでも求めることができ、それを分配(所得) GDPという。 6 生産GDP(資料①参照) 各生産主体ごとの粗付加価値(2008年) ・ 産業: 456兆8460億円 ・ 政府サービス: 48兆2200億円 ・ 対家計民間非営利:10兆8310億円 ・ (+)輸入関税: 5兆4945億円 ・ (-)資本課税: 3兆6100億円 ・ (-)帰属利子: 22兆6330億円 ・ 統計上の不突合: 9兆5130億円 2008年の名目GDP =505兆1120億円 7 分配GDP(=GDI) ※ 資料②参照 ・ 雇用者報酬: 263兆8220億円 ・ 営業余剰・混合所得:83兆8220億円 ・ 固定資本減耗: 108兆1520億円 ・ 間接税-補助金: 39兆8030億円 ・ 統計上の不突合: 9兆5313億円 2008年の名目GDI =505兆1120億円 8 ◆ GDPはまた、市場で誰かが消費または投資の形 で支出した総額として求めることができる。これは支 出GDPとよばれる。 ◆ このように、GDPは生産面、分配(所得)面、支出 面の3面からそれぞれ計測することができ、それら は事後的には全て等しくなっている。 これを三面等価の原則という。 9 支出GDP(=GDE) ※資料③参照 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 民間最終消費支出: 291兆7510億円 政府最終消費支出: 93兆3750億円 住宅投資 : 16兆4070億円 企業設備投資 : 81兆6010億円 公的総固定資本形成: 19兆7460億円 在庫品(民間+公的)増:20兆9550億円 財・サービスの輸出: 88兆4940億円 財・サービスの輸入: 87兆7580億円 2008年の名目GDE =505兆1120億円 10 I-Sバランス ◆ 三面等価の原則は(売れ残りを在庫投資とみなし たうえでの)会計勘定上の事後的な恒等関係を表し ている。 ◆ マクロ経済学では、近似的に、一国全体で集計さ れた財の市場を考え、そこで潜在的な需給の均等 をもたらすメカニズムが存在すると仮定して、GDP の決定を説明する。 11 ◆ マクロ経済における財の需給均衡をI-Sバランスと よぶことがある。それは財の需給バランスが次のよ うに定式化されるためである。 ◆ Y CI S Y C (財の需給) (貯蓄の定義) I S 12 経済循環 財・サービス 市 場 貨幣支払い 企 業 労働・資本 家 計 経 賃金・利子など 済 公共財 税や補助金 による移転 公共財 政 府 13
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