微少変化と微分

グラフの平行移動
y = f(x-a) のグラフは y = f(x) のグラフ右に a 平行移動したもの
y
y = f(x) y = f(x-a)
例 y = x2 y
y = (x-a)2
f(x-a)
x-a
x
x
赤のグラフで横軸 x における縦軸の値は、
青の x-a における値と同じ
a
0
x
y = f(x-vt) のグラフは速度 v で右に(形を変えずに)進む: 進行波
時刻 t
y 時刻 0 時刻 t1
y = f(x)
y = f(x – vt1)
y = f(x – vt)
x
vt
波長と周期
空間的に周期的に繰り返す波の一周期の長さを 波長 λ という。
波長 
x
空間座標
時間的に周期的に繰り返す振動の一周期の時間を 周期 T という。
周期 T
t
時間
波数、角振動数、振動数
波長 λ から波数 k が
k
2

2
周期 T から角振動数 ω が  
T
振動数 f
k   2
1
f
T
 T  2
で定義される。
で定義される。
  2 f

f
2
が成り立つことにも注意しておく。
正弦波
波長 λ の波を表す式:
 2
y(x)  Asin kx  Asin 
 

x

k
2
A  振幅
y(x)  Asin kx
y


  波長
 波数
A
x

0
–A
–2π
0
2π
4π
 (x)  kx 
sin(…) あるいは cos(…) の … の部分は「位相」と呼ばれる。
2
x
位相  (x)  kx 

x が λ 増えると位相は 2π 増える
sin は一周期進む
2

x
(このページと次ページは省略可)
初期位相 δ
より一般には
y(x)  Asin kx    位相  (x)  kx  
y y(x)  Asin kx  



x

2
x
0
–2π
0
δ
2π
4π
(x)  kx  
x=0 で既に位相は δ まで進んでいる:  (x  0)  
  
 
y(x)

Asin
k
x

あるいは
とも書けるから、

 
2  
y(x)  Asin kx  のグラフを左に δλ/2π 平行移動したもの、とも言える。
たとえば δ=π/2 なら左に λ/4 、δ=π なら左に λ/2 平行移動
座標原点 x=0 をどこにとるかで δ の値は変化する。
原点が自由に選べるなら δ=0 としてよい(δ=0 となるように原点を選べる)。
初期位相: sin と cos


2
の場合

x



y(x)  Asin  kx    A cos kx

2
y
4
0
x
座標原点 x=0 を自由に選べる場合、sin と cos のどちらを使っても同じ。
正弦進行波
2

 角振動数
T
y(x,t)  Asin kx  t 
T = 周期
2
2
x
t
位相  (x,t)  kx   t 

T
x 座標をひとつ固定して時間 t を変化させてみる。たとえば x=0 では
y
T
A
0
 2 
y(x  0,t)  Asin  t  Asin 
t
 T 
t
T
周期 T で振動
–A
–2π
0
2π
t が T 増えると位相は 2π 増える
4π
 (x  0,t)   t 
sin は一周期進む
2
t
T
正弦進行波:位相速度
位相速度 v を
v

で定義すると
k
y(x,t)  Asin kx  t   Asin k(x  vt) と変形できる。
従って、正弦波が速度 v で形を変えずに右に進行する。
時刻
t=0
y

x
0
位相速度は色々な
表し方があり、
全て重要である:
v

k


T
vt
時刻 t
 f
λ/T = 時間 T の間に距離 λ 進む速度
ここまでのまとめ
波長 λ、周期 T の右向き正弦進行波は
y(x,t)  Asin kx  t 
 Asin k x  vt 
k
2

2

T
この波が右向きに進む速さ(位相速度)は v 

k


T
 f
左向きに進む波は当然 y(x,t)  Asin kx  t 
ここまでは、波を数式で表すことだけを考えていたので、
波長 λ、周期 T をそれぞれ自由に選ぶことが出来た。
しかし、物理法則に従って実在する波では、
波長 λ、周期 T を独立に選ぶことは出来ない。
分散関係
実在する波では、波長 λ と周期 T の一方が決まれば他方も決まる。
つまり、波数 k (=2π/λ)と角振動数 ω (=2π/T)の一方が決まれば
他方も決まる(従って位相速度 v=ω/k も決まる)。
この k と ω の関係は 分散関係 と呼ばれ、
波の個性を表すもっとも重要な関係である。
空気中の音波、固体中の音波、弦を伝わる波、浅水波、深水波、
真空中の光、物質中の光、物質波(量子力学的な波)、etc.
それぞれ独自の分散関係を持つ。
分散関係
分散関係を ω と k の関係としてグラフ化
ω
ω
ω
傾き=位相速度
0
k
音波、弦を伝わる波、
真空中の光、など、
多くの波はこのタイプ
位相速度が波長
に依らず一定
位相速度を v として
ω = vk
という分散関係
傾き=位相速度
0
k
0
k
深水波、など
電子波(量子論)など
(k が小さいほど、
つまり λ が長いほど
位相速度ω/kが速い)
(k が大きいほど、
つまり λ が短いほど
位相速度ω/kが速い)
位相速度が波長
に依存して変化