テイラー展開(Taylor expansion) 例.(1.0007)15 を考える。 馬鹿正直に 1.0007 を 15 回かける →具体的な値(=1.01055) そんなもん大体 1 だろ! →テイラー展開 0 次近似 大体「1+15×0.0007=1.0105」くらい? →テイラー展開 1 次近似 x が 0.0007 みたいにすごく小さいとき (1+x)15 の代わりに 1+15x を計算 sin(x)の代わりに x を計算 cos(x)の代わりに 1-0.5x2 を計算 log(x)の代わりに x-1 を計算 これがテイラー展開! 最初の例で 1 と 0.0007 を分離していることに注目する! これはすごく小さな部分を分離して、まずは「大体 1」と考えている これが「x=a の周りでテイラー展開をしなさい」ということ(今回は a=1) x が a に近いんだったら f(x)は f(a)に近いはず つまり f(x)~f(a)となる。 a が定数なので f(a)も定数、つまり f(x)を定数で近似していることになる x=a の周りで考える、ってことは x が a に近いんだったら x-a は微小な量である 今回の場合だったら(x-a)=0.0007 となっている もちろん微小な量である(x-a)を 2 乗 3 乗したものはもっと微小な数値となる テイラー展開のポイント 微小な量である(x-a)の多項式 の形にするところ 仮の係数 c を用いて式にすると f(x)~c0+c1(x-a)+c2(x-a)2+c3(x-a)3+c4(x-a)4+… c の求め方は最後に記述するが、 c0=f(a) …f(0)とは限らないことに注意 c1=f ’(a)/1! …f ’(0)とは限らないことに注意 c2=f ’’(a)/2! …f ’’(0) 〃 c3=f ’’’(a)/3! …f ’’’(0) 〃 c4=f ’’’’(a)/4! …f ’’’’(0) 〃 … cn=f(n)(a)/n! となる。 そして c が上記であることを踏まえた上で、 テイラー展開の完成型は以下のようになる f(x)~c0+c1(x-a)+c2(x-a)2+c3(x-a)3+c4(x-a)4+…+cn(x-a)n+… 項が進むごとにどんどん微小な値を用いることになり、それは無限に続くので どこで打ち切るかを決めてよい 0 次近似 f(x)~c0 微小な値(x-a)を無視すれば f(x)~f(a)となる 最初に説明した通り定数で近似したこととなり、今回の例で言うと 1 と近似される 1 次近似(線形近似) f(x)~c0+c1(x-a) ここで co=f(a)と c1=f ’(a)を代入すれば f(x)~f(a)+f ’(a)(x-a) となる これが 1 次近似、直線で近似しているので線形近似とも言う 今回の例の場合、a=1,x-a=0.0007 としているので f(x)=x15 → f ’(x)=15x14 → f ’(a)=15a14=15 より f(x)~f(a)+f ’(a)(x-a) =115+15×0.0007=1+15×0.0007 となり、最初の説明と一致する 2 次近似 cos(x)のような場合、x=0 の周りでテイラー展開すると 1 次近似しても結果が 1 となる よって詳しく近似するなら 2 次の項まで取って近似すると cos(x)~1-0.5x2 となる ※c の求め方 f(x)~c0+c1(x-a)+c2(x-a)2+c3(x-a)3+c4(x-a)4+… x に a を代入すると f(x)~c0+c1(x-a)+c2(x-a)2+c3(x-a)3+c4(x-a)4+… f(a)~ c0+c1(a-a)+c2(a-a)2+c3(a-a)3+c4(a-a)4+… 当然(a-a)は 0 となるので c0=f(a) となる 一度 f(x)を微分してから a を代入する f(x)~c0+c1(x-a)+c2(x-a)2+c3(x-a)3+c4(x-a)4+… f ’(x)~0+c1+2 c2(x-a)+3 c3(x-a)2+4 c4(x-a)3+… f ’(a)~c1+2 c2(a-a)+3 c3(a-a)2+4 c4(a-a)3+… となって c1= f ’(a) となる この展開を繰り返してゆくと c0=f(a) = f(a) c1=f ’(a) = f ’(a) c2=f ’’(a)/2 = f ’’(a)/2! c3=f ’’’(a)/(3・2) = f ’’’(a)/3! c4=f ’’’’(a)/(4・3・2) = f ’’’’(a)/4! よって cn=f(n)(a)/n! と書くことができる! ※ついでに f ’(a)などの求め方を一応 f(x)を微分したのが f ’(x) それに x=a を代入したのが f ’(a) f(x)を 2 回微分したのが f ’’(x) それに x=a を代入したのが f ’’(a) f(x)を 3 回微分したのが f ’’’(x) それに x=a を代入したのが f ’’’(a) f(x)を n 回微分したのが f(n)(x) それに x=a を代入したのが f(n)(a) これを n の階乗で割ると cn=f(n)(a)/n! を求めることができる
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