スポットライトによる 物探し支援システム 北陸先端科学技術大学院大学 中田豊久,金井秀明,國藤進 2005年3月17日(木) 1 部屋の中での物探し • 携帯電話やテレビのリモコンを探すために 部屋の中を駆けずり回ることがある. • 物探しを支援するシステムを次のように分 類する – 物にタグを付けシステムが位置を監視する – 人に機器を装着し物の移動を監視する • 物の位置をユーザに知らせる方法 視覚情報(光) – 視覚情報(光) – 聴覚情報(音) – 触覚情報(振動) 2 物探しに求められる機能 • 透過性 – 箱や鞄の中などの隠れた位置にある物を探し だせる機能 • 追従性 – 頻繁に移動する物でも探しだせる機能 3 目的 • 透過性と追従性を持った視覚情報による 物探し支援システムを構築する. • そのアプリケーションとして次の2つを構築 する. – 部屋の中での紛失物探し – 本棚で関連本探し 4 システム構成 Web Service Server 物の位置情報取得 (超音波,ActiveRFID) ユーザへの位置情報通知 (ムービングライト) 5 パーティクルフィルタによる位置推定 Jeffrey Hightower (2002) 物の位置の確率値 1 パーティクル 2 3 計測値 重み変更 4 パーティクルから全体の確率を計算 5 パーティクルの再構築 6 6 ムービングライトによる照射 Z ロボットアームの逆運動学問題と等価 ムービングライト座標系(M) Y Y X Pp=AtAryArzArpArtPm X 位置計測器座標系(P) Z 位置の確信度に比例してス ポットライトの大きさを変化させ る 7 アプリケーション例(1) 部屋の中で紛失物探し • 探したい物をイメージする アイコンを選択する. • その物にスポットライトがあ たる. 8 音システムとの比較実験 • 実験環境 • 探す物 • 大学院学生10名(男) • 4タイプの隠し場所×3回の測定 9 4タイプの隠し場所 Type1: 完全に目視可能 Type2: 一部が目視可能 Type3: 遮蔽物の下 Type4: 遮蔽物の中 10 結果 両側1%水準 Type2: 一部が目視可能 • 視覚情報だけで探し物 が完了する. • 物の位置が高精度で 取得されている(比較 的小さなスポットライト で照射される). 11 考察 • 音に対して有効な所 視覚情報だけで探し物が完了する 手などを使わないと物探しが完了しない 探し物の難しさ • 但し,超音波(高精度)で位置が取得でき ている必要がある. 12 アプリケーション例(2) 本棚で関連本探し • 関連本推薦 – 関連する本をスポットライトで 照射する. • 学習による関連本推薦 – 学習した関係を使って関連本 を探し,照射する. • 部分ネットワークによるラン キング表示 – 複数の本のランキングを表示 する. 13 関連研究 • Hide and Seek, 新西 et al., WISS99 – 音による透過性,追従性を持った物探し支援 – ユーザへの通知方法が異なる • SearchLight, Butz et al., Pervasive Comp.04 – 光学タグによる図書館での本探し支援 – 透過性と追従性がない • Everywhere Displays Project, Pinhanez, 03 – 店舗で商品探しを支援 – 追従性がない • Mobile Augmented Reality, Reitmayr et al., 03 – HMDによって図書館での拡張現実を実現 – 我々のシステムは何も身に着ける必要がない 14 まとめ • 視覚情報を使った透過性,追従性を持った 物探し支援システムを構築した. • 部屋の中での紛失物探しにおいて,音に よる通知との比較実験から光を使うことの 利点を考察した. • その利点を生かす本棚での関連本探し支 援システムを構築した. • 今後は,関連本探し支援システムを共同 作業支援として利用し,評価を行っていき たいと考える. 15 おわり 16 関連本推薦 • 本棚にある全ての本について,Amazon.comの Webサービスを利用して「この本を買った人はこ んな本も買っています」情報を2つ先まで取得し て,関係ネットワークを形成する • 関係ネットワークの中で,ユーザの指定する本に 最も少ないリンク数で接続する本棚の本を,関連 本とする. 本3 本1 本2 本4 本6 本5 本7 本9 本8 17 学習による関連本推薦 18 部分ネットワークによるランキング表示 • 指定された本の中での重要度は,関係本データ の有向グラフを表現する隣接行列の最大固有値 を持つ固有ベクトルの値の大きさで決定する (Googleでの検索結果をランキングするアルゴリ ズム(PageRank)). • 売り上げランキングに比べ,より自分にとって重 要な本を与えてくれる可能性が高い. 本3 本1 本2 本4 本6 本5 本7 本9 本8 19 実行例: ネットワーク分析関連の調査(1) 関連本推薦 Social Network Analysis 学習による 関連本推薦 実践ネットワーク分析 ネットワーク分析 学習結果の適用 関係の学習 自然科学の統計学 統計学 20 実行例: ネットワーク分析関連の調査(2) 1 ネットワーク分析 (6817) 2 3 実践ネットワーク分析 Social Network Analysis (25542) (88184) 4 5 部分ネットワークによ るランキング表示 自然科学の統計学 (16755) 統計学 (9435) 21
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