実空間における関連本アウェアネス 支援システム 中田豊久, 金井秀明, 國藤進 北陸先端科学技術大学院大学 2005/02/26 1 アウェアネス支援 • CSCW(Computer Supported Cooperative Work)などで 主に「遠隔共同作業支援」を目的として研究されてきた. アウェアネス 遠隔共同作業者 User 状況情報など 2005/02/26 2 アウェアネス支援 • 本研究では「物」に関連する情報をユーザに気づかせ るシステムを提案する. アウェアネス 情報空間 User 図書情報 2005/02/26 3 情報空間の情報とは • 「この本を買った人はこんな本も買っています」(Amazon.com) 2005/02/26 4 実空間 ⇔ 情報空間 実空間(例えば本棚) 情報空間(例えばAmazon.com) 例えばユーザの 行動履歴など 2005/02/26 5 目的と手法 • 実空間と情報空間のつながりが良くない. • 目的は,情報空間の情報を利用した実空間の活性化. • 情報空間としては,今回は,Amazon.comのデータを使 用する. • 情報空間の情報を実空間に映し出すために,スポット ライトを使用する(補助的にディスプレイを使う). 2005/02/26 6 システム概要 ある本を指定位置にか ざすと.... 関連する本にスポットラ イトがあたり,補足情報 がディスプレイに表示さ れる 2005/02/26 7 システム構成 部屋の中で 紛失物探し 本棚で 関連本探し ・ ・ ・ ・ ・ 光による物探し支援システム 物の3次元位置を取得して,そこにスポットライトを照射する 2005/02/26 8 光による物探し支援システム • 隠れた物でも,頻繁に移動する物でも探し出すこをを 支援するシステム. 物の位置を計測 そこにスポット ライトを照射 2005/02/26 9 パーティクルフィルタによる位置推定 Jeffrey Hightower (2002) 1 2 3 計測値 4 5 6 2005/02/26 10 ムービングライトによる照射 Z ムービングライト座標系(M) Y Y X Pp=AtAryArzArpArtPm X 位置計測器座標系(P) Z 2005/02/26 ロボットアームの逆運動学 問題と等価 11 デモビデオ 部屋の中で 紛失物探し 本棚で 関連本探し ・ ・ ・ ・ ・ 光による物探し支援システム 物の3次元位置を取得して,そこにスポットライトを照射する 2005/02/26 12 システム構成 部屋の中で 紛失物探し 本棚で 関連本探し ・ ・ ・ ・ ・ 光による物探し支援システム 物の3次元位置を取得して,そこにスポットライトを照射する 2005/02/26 13 本棚での関連本アウェアネス • 関連本推薦 – ある1つの本を入力として,それに関連する本をその付近か ら見つけ出す. • 学習による関連本推薦 – 最初に2つの本を順番にシステムに与え,その間の関係を学 習させる.次に,1つの本をシステムに与えると,先に学習し た関係に従った関連本をシステムが見つけ出す. • 部分ネットワークによるランキング表示 – 複数の本を指定し,その中での重要度を計算しランキングす る. 2005/02/26 14 関連本推薦 • 本棚にある全ての本について,Amazon.comのWeb サービスを利用して「この本を買った人はこんな本も 買っています」情報を2つ先まで取得して,関係ネット ワークを形成する • 関係ネットワークの中で,ユーザの指定する本に最も 少ないリンク数で接続する本棚の本を,関連本とする. 本3 本1 本2 2005/02/26 本4 本6 本5 本7 本9 本8 15 学習による関連本推薦 2005/02/26 16 部分ネットワークによるランキング表示 • 指定された本の中での重要度は,関係本データの有 向グラフを表現する隣接行列の最大固有値を持つ固 有ベクトルの値の大きさで決定する(Googleでの検索 結果をランキングするアルゴリズム(PageRank)). • 売り上げランキングに比べ,より自分にとって重要な本 を与えてくれる可能性が高い. 本3 本1 本2 2005/02/26 本4 本6 本5 本7 本9 本8 17 デモビデオ 部屋の中で 紛失物探し 本棚で 関連本探し ・ ・ ・ ・ ・ 光による物探し支援システム 物の3次元位置を取得して,そこにスポットライトを照射する 2005/02/26 18 実行例: ネットワーク分析関連の調査 (1) 関連本推薦 Social Network Analysis 学習による 関連本推薦 実践ネットワーク分析 ネットワーク分析 学習結果の適用 関係の学習 2005/02/26 自然科学の統計学 統計学 19 実行例: ネットワーク分析関連の調査 (2) 1 ネットワーク分析 (6817) 2 3 実践ネットワーク分析 Social Network Analysis (25542) (88184) 4 5 部分ネットワークによ るランキング表示 2005/02/26 自然科学の統計学 (16755) 統計学 (9435) 20 定性的評価 • 利点 – 実物の本を使ってシステムを利用できるのが良い. – 関連本検索は,どのような本を経由して関係が結ばれてい るか分かって面白い. – 学習による関係本検索は,違った視点の関係本を見つけた いときに便利である. – ランキングを表示することで,複数の候補の本の中からどれ を最初に見るべきかの示唆を得ることが出来る. 2005/02/26 21 定性的評価 • 課題 – 図書館や書店では,本をかざす場所が多数必要になり現実 的ではない. – 特に図書館の場合,位置的に近くにある本には類似した本 が多いので,関連本検索があまり機能しないと思われる. – スポットライトを人が遮ってしまうことがある. – ディスプレイを見なくてもスポットライトだけで推薦する本が 特定できると良い. – 学習による関係本検索において,なぜこの本を推薦するの か分からないような推薦が発生する. – マウスでクリックするのではなく,タッチパネルが良い. 2005/02/26 22 関連研究 • P. Dourish, Portholes:アウェアネス支援による遠隔共 同作業支援(1992) • S. Maneeroj, 計算機上に仮想図書館を形成(2002) • G. Reitmayr, HMDによる図書館での拡張現実(2003) • C. Pinhanez, プロジェクタにより店舗で商品検索支援や 商品情報を表示(2003) • A. Butz, カメラを使用した図書館での本探し支援シス テム(2004) 2005/02/26 23 おわりに • 実空間を活性化させる目的で,近くにある関連本を推 薦するシステムを構築し,定性的評価を行った. • 今後は定量的な評価,さらにスポットライトを使った新 しいアプリケーションを作成していきたい. 2005/02/26 24
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