中国の少子高齢化問題 バートルゼミ 萩原・小原・前田・澁谷 1 はじめに 中国では昨年末に60歳以上の人口が初めて2 億人を突破し、人口全体の14・9%となるなど、 高齢化が急速に進んでいる。中国の少子高齢 化の現状と課題と解決策を探る。 中国政府の対応を踏まえて日本企業のビジネ ス視点から今後のビジネスチャンスを考えてみ たい。 2 目次 中国の少子高齢化の現状 中国の少子高齢化の課題 中国政府の対策 日本企業のビジネス視点 まとめ 3 中国の少子高齢化の現状 4 ・ 2011年に、全人口に占める14歳以下の人口 16.5% 65歳以上の人口9.1% ・高齢化社会:65歳以上の人口比率が7 %以上 ・高齢社会:同14 % ・超高齢社会:同21%以上 国家統計局の人口センサスなどに基づいた合計特 殊出生率(TFR)が低下している。中国のTFRは 1.5%といわれている。 *TFRとは15歳から49歳の女性の、年齢別出生率を合計した指標。一 人の女性が平均(2.1)して一生の間に何人の子供を産むかを表す。 5 日本の少子高齢化 2013/12/1現在(総務省発表) 総人口:1億2,727万人(日本人人口:1億2,565 万人) 0-14歳:1,636万人 13% 15-64歳:7,883万人 62% 65歳以上:3,207万人 25% 日本社会は超高齢化社会である。 6 中国の人口推移 (億人) 7 日本の人口推移 (100万人) 8 中国の人口ピラミッド 9 日本の人口ピラミッド 10 中国の世代別人口推移 11 なぜ中国は少子高齢化になったのか 1970年代後半より一人っ子政策を柱とする政 策を実施。 正式名称は計画生育政策である。出産または 受胎に計画原理を導入し、爆発的な人口の増加 に法規制を加えた。この政策の効果によって現 在の中国本土では少子化が進行している。 昔と違い子供一人を育てる為にお金がかかる。 12 中国の少子高齢化の課題 13 労働力低下 1990年代後半の就業率は八割を超えていた が、2011年になると75.4%まで低下しており、 就業よりも就学の道を選ぶ若者が増えている。 14 社会保障制度整備 医療保険に加入している人はわずか3%で、残 り97%の人は完全な自己負担である。自己 負 担額は3000億元(5兆7千億円)に達している。 国民医療費を見れば医療・社会保障の貧困は 歴然である。国有企業の職員に対する医療保 障は経営不振に陥っている。 ニーズの度合いに応じた保障,個人負担部分 の軽減、法律面での支援が不足している。 15 中国政府の対策 16 ・ 一人っ子政策の緩和 夫婦のどちらか一方が一人っ子であれば第2子 の出産が認められるようになった。これまでは、夫 婦2人とも一人っ子であることが条件だった。 生産性を上げて教育に力をそそぎ、全国民をカ バーできる社会保障制度をつくろうとしている。 17 日本企業のビジネス視点 18 日本企業は技術があり、少ない人数で仕事が 出来る。 高齢者が増えるので、介護系の企業が進出し やすくなる。 介護最大手のニチイ学館 ユニ・チャーム株式会社 19 介護最大手のニチイ学館 中国国内で福祉用具卸販売事業を行う他、O EM製品の受注や輸出販売事業なども行う。 高齢者人口が1億1100万人とも言われる中国 で、富裕層を中心とした事業展開を図っていく。 扱う商品は国内の福祉用具レンタル事業で使 用した中古品を持っていくのではなく、中国 メーカーの物も積極的に採用している。 20 まとめ 21 このまま高齢化を止めることが出来なければ、 生産年齢人口が減り経済への影響は避けられ ない。 自然発生ではないので、中国政府のしっかりと した対策によっては解決に向かうだろう。 22 出典 国連「World Population Prospects: The 2004 Revision」 United Nations Secretariat, World Population Prospects:2010 U.S.Census Bureau International Data Base 中国における少子高齢化とその社会経済への影響-人 口センサスに基づく実証分析-同志社大学院教授 厳 善平 ニチイ学館HP ユニ・チャーム株式会社 HP 中国の医療と社会保障制度 23 ご清聴ありがとうございました 24
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