一問一答式クイズAQuAsにおける学習支援の方法

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一問一答式クイズAQuAsにおける学習支援の方法
高志 修, 富永 浩之, 山崎 敏範 著
日本教育工学会 第20回全国大会 19-3a631-3 (2004)
発表日 : 2005年7月8日
発表者 : 0312003063 皂
智樹
AQuAsのコンセプト
AQuAsは以下のことを支援するためのシステムです
『 学生の理解度や学習態度に応じて、
適切なタイプの一問一答式クイズを実施する 』
教師は学生の解答行為を監視
学生の理解度や学習態度を把握
適切なアドバイスを行い個人に適したクイズを再び実施する
AQuAs製作の背景
近年PDAの普及、教室のネットワーク環境の整備により、
対話的な授業支援システムが使われ始めている
しかし一人の教師が複数の学生に適切な指導を行うことは困難
個人に適切な指導を行うために、
小テストを一問一答式とし、類型化することを提案
学生の理解度や学習態度、教師の意図や教室の全体状況に応じて
多様な試験形態を適切に実施するシステムを製作することに・・・
それが AQuAs
一問一答式クイズの試験形態モデル
一問一答式クイズを以下のような試験形態に分類する
■ 一斉試験 完全自動型 ・・・ 定期試験などの公平な学力審査
■ 一斉試験 先着打切型 ・・・ ゲーム感覚の早押しクイズ
■ 一斉試験 教師制御型 ・・・ 教師が授業中に行う短時間の小テスト
■ 演習課題 教師添削型 ・・・ 各学生に適した学習レベルの通信添削
■ 演習課題 制限時間型 ・・・ 自己採点式の模擬試験
■ 自由課題 任意実行型 ・・・ 意欲のある学生の自主学習
■ 自由課題 反復達成型 ・・・ 自力で解けるまで試験を繰り返すドリル学習
これらを CTTE 形式としてまとめる
AQuAsの構成と機能
教師側
出題支援
エージェント
教師側
クライアントシステム
クイズ通信サーバ
教師クイズ出題
エク
ーイ
ジズ
ェ管
ン
ト理
プロジェクト
履歴
学生側
学生側
クライアントシステム
会合通信サーバ
教師側プロジェクト
教師側セッション
サーバ側
解答支援
エージェント
ユーザ情報
学生側プロジェクト
学生側セッション
学生クイズ解答
会合制御サーバ
クイズ制御サーバ
学生側
クライアントシステム
クイズ規則
クイズ履歴
・
・
・
学習支援の方法と実験システム1
各学生の解答行為を監視し、適切な学習支援を行う
解答行為の時系列データ
基本特徴量の抽出
類型化
ルール
学習者のパターンの判定
(理解度、学習態度)
指導法
ルール
適切なアドバイス
0:00
0:56
1:38
3:00
解答開始
解答1回目
解答2回目
解答終了
時間(着手思考時間、答案作成時間)
回数(書直し回数、正解出現回数)
書直し回数が多い : 当て推量
解答作成時間が長い : 迷っている
無回答状態の人にヒントを提示
書直しが多い人に落ち着かせる
適応化
ルール
試験形態の個別対応
have
has
試験時間の調整
書直し回数の制限
学習支援の方法と実験システム2
Tiny AQuAs の実装
Tiny AQuAs は PDA 上で動作する
教師の変わりに、問題DBから問題を出題
一問ごとに時系列データと基本特徴量XML形式で記録
解答傾向から個人の特性を判断する
考察
一問一答式クイズを生徒に解かせることで、生徒の理解度を把握し、
個別に適切なアドバイス、クイズを提供することは大変効果的であると
考える。
また、個人特性の判断をシステムがやってくれるのであれば、教師は
限られた時間で、効率的に生徒を指導することができる。
しかし、肝心のシステムが開発中であることから一体どのようなシステ
になるのかが不透明であるため、現段階ではこのシステムが目標を達成
することが出来るのか判断するのは難しいと思う。
今後の発展に期待したい。
著者への質問
● AQuAs の教師 ・ 学生、両クライアントシステムは
全てPDA上で動作するものなのか?
● 教師 ・ 学生、どちらのクライアントシステム内にも
プロジェクト操作(プロジェクトモジュール)が存在
しているが、ここでは一体何を操作するのか(どの
ような処理を行うのか)?
● 実際、AQuAsは現場で試験運用されたのか?
されたのなら、そのときの生徒の反応は?
「一問一答式クイズAQuAsにおける学習支援の方法」
高志 修, 富永 浩之, 山崎 敏範 著
日本教育工学会 第20回全国大会 19-3a631-3 (2004)