教育心理学 第10回 学級の心理学 アナウンス 補講 – – 7/4(土)4限:自習(自由参加) 7/4(土)5限:第11回(通常の授業) 今日の流れ 学級とは – – 教師と子どもの関係 – – 学級の特徴 学級の機能 教師による子どもの認知 教師のリーダーシップ 子ども同士の関係 – – 集団構造の把握 学級風土の測定 学級とは 学級集団の特徴 二重構造 – – 公式集団としての学級 非公式集団としての下位集団 教師による統率 – – リーダーとしての教師の振る舞いが集団のあり方を 左右する 教師による強化や代理強化によって、望ましい行動 様式が学習される 学級集団の機能 欲求の充足・喚起 教科学習の促進・抑制 社会化 少人数学級 利点 – – 授業での子どもの発言回数や質問回数が増え参加 意識が高まるとともに個別的対応がしやすい 教師-子ども関係を築きやすく、一人ひとりに目が行 き届く 欠点 – – – 学級集団の知識の広がりが限定される 教師への依存性が高くなる 多様な価値観や考えに触れる機会が減る 教師と子どもの関係 光背(ハロー)効果 人物評価を行うとき、一部のよい(悪い)特性に 注目すると、その他の側面についてもよい(悪 い)評価をしてしまう傾向 – – – – 明るく挨拶をする子どもに対して、真面目で学習熱心 と評価してしまう 字がきれいな子どもの回答に高い評価をする 身体的魅力が高いと性格がよいと考えてしまう 学業成績が低いと素行や生活態度に問題があると 考える ピグマリオン効果 ローゼンサールら(1964)の実験 – – – 年度のはじめに小学生に知能テストを実施 ランダムに20%の児童を選び、「潜在的な能力が高 い」と教師に虚偽の報告した 1年後、再び知能テストを実施した ピグマリオン効果 ピグマリオン効果を媒介するもの – – 教師の支援的な態度によって、子どもの有能感が高 まり、自発的な学習意欲が促進される 質問に対する誤答に対してヒントを与え、正解に至る まで考えさせる 関連する現象 – – 教師の期待の高低によって、子どもの学業成績に対 する原因帰属の仕方が異なる 教師が子どもにレッテルを貼ることによって、それに 合う特性をつくりだしてしまう 教師のリーダーシップ ホワイトら(1960)の理論 – 3種類の指導態度 – 専制型 民主型 放任型 作業量や集団のあり方と関連 教師のリーダーシップ 三隅(1978)のPM理論 – P:達成(Performance) – 計画P機能 圧力P機能 M:集団維持(Maintenance) リーダーとメンバーの交流やメンバー同士の交流を促したり、 心理的緊張を緩和する 教師のリーダーシップ 三隅(1986)の調査 教師のリーダーシップ ハーシーら(1977)の条件適合理論 子ども同士の関係 ソシオメトリック・テスト モレノによって開発された 集団構造の測定法 – – – 選択・排斥の基準となる具 体的場面を提示し、該当す る者の名前をあげさせる 誰と隣の席になりたいか、 調べ物で誰と同じグループ になりたいかなど 子どもへの心理的負担が 大きい その他の相互評価法 ゲスフー・テスト – – 具体的な行動やパーソナリティを提示し、該当する級 友の名前をあげさせる 「困った友達を助けてあげる人」「授業中におしゃべり しない真面目な人」「リーダーのような存在の人」など 社会的距離尺度 – – 子ども同士の心理的距離を5~7段階で評定させる 集団の構造だけでなく、個人の外的・内的適応を捉え ることができる 学級風土の測定法 学級風土質問紙(伊藤ら, 2001) – – 8尺度57項目によっ て学級風土を測定 する 個々人の適応では なく、学級全体の状 態を捉える ミニレポート テーマ(1つ選択) 1. 2. ピグマリオン効果に関するローゼンサールの 実験の方法、結果、結論について述べよ 三隅のPM理論について、調査結果も踏まえな がら、わかりやすく解説せよ
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