電子回路Ⅰ 第1回(2006/10/16)

電子回路Ⅰ 第3回(2007/10/29)
電界効果トランジスタの動作原理
トランジスタを用いた回路のバイアス
今日の内容

電界効果トランジスタ(FET)とは?
FETの種類
接合型FETの構造
接合型FETの動作原理
MOSFETの構造
MOSFETの動作原理

バイアス回路
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
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
電界効果トランジスタとは?

電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor)
電界によってキャリア(電子、正孔)の流れる経
路を変化させて、電流量を制御する素子
原理的には電界(=電圧)のみ印加
バイポーラトランジスタでは、ベース電流によって
コレクタ電流を制御
FETの種類
•接合型FET
キャリアの移動する経路の幅を変化させて、電流を制御
•接合型FET
キャリアの密度を変化させて、電流を制御
集積回路、メモリなどで頻繁に利用されている
どちらのタイプでもエンハンスメント型とデプレーション型がある
接合型FETの構造(nチャネル)
ゲート
ソース
ドレイン
pn接合(前回の資料より)
p
接合直前
n
アクセプタイオン
接合後
ドナーイオン
空乏層
(空間電荷層)
電位
接合直後
拡散によりキャリアが移動する
位置
pn接合に逆バイアスを印加
p
n
電位
空乏層
(空間電荷層)
位置
バイアスを印加
することにより、
キャリアの存在
できない領域を
制御できる
接合型FETの動作原理
ゲート電圧(VGS)によってチャネル幅を制御
VGSは逆バイアスなので、ゲート-ソース間に電流は流れない
ゲート
ドレイン
ソース
MOSFETの構造(nチャネル)
MOS ・・・ Metal – Oxide - Semiconductor
ゲート電圧とチャネル
VTのTはthresholdの頭文字
VG<0
蓄積モード
0<VG<VT
空乏モード
VG>VT
反転モード
MOSFETの動作原理
ゲート電圧(VGS)によってキャリア密度を制御
酸化膜(絶縁)があるので、ゲート-ソース間に電流は流れない
nチャネルとpチャネル
キャリアは電子
キャリアは正孔
電流の担い手は電子または正孔 ・・・ ユニポーラトランジスタ
エンハンスメント型とデプレーション型
VGS増加で
ID増加
VGS増加で
ID減少
nチャネル、pチャネル、エンハン
スメント型、デプレーション型
VGSとIDの関係は
入力と出力の関係はどのように定義するか?
出力 IC
バイポーラトランジスタでは
I
 C
IE
IC

IB
,:電流増幅率
入力 IB
E
VBE
VCE
RL
IE
FETでは
I D
gm 
VGS V DS
C
B
gm :相互コンダクタンス
傾き=gm
FETの回路記号
•教科書の記号は古い
•現在は○なし
•G2はSと同電位にする
ことが多い
FET
バイポーラTr
ゲート
ベース
ソース
エミッタ
ドレイン
コレクタ
FETの基本的なバイアス回路
•ゲートには逆バイアスを印加
•ゲート電流は流れない
•ドレイン電流IDは次式で近似できる
 VGS
I D  I DSS 1 
 VP



n
IDSS:VGS=0におけるドレイン電流
VP:ピンチオフ電圧
n=1.5~2
バイアス回路
なぜバイアス回路が必要か?
微小信号iBを入力したとき、
VBEに重畳して増幅する
RB
IBは交流信号(であることが多い)
トランジスタ、FETは負の電流 入力
iB
は流せない
直流に交流を重畳して増幅
RC
出力
iCRC
VCC
VCE
VBE
入力と出力の関係
(ダイオードの場合)
出力
入力
動作点の決め方
右の回路でどのようにR1を決めるか?
使用するトランジスタの特性表を参照
R1
VCE
VBE
出力の仕様(電力)によって抵抗RCと電源でVCCが決まる
I C  0のときVCE  VCC
VCE  0のときI C  VCC /RC
負荷線の式
VCC  I C RC  VCE より
1
VCC  VCE 
IC 
RC
使用したい中心のICの値を決める
動作点
I B R1  VBE  VCCより
R1 
1
VCC  VBE 
IB
RC
VCC
FETのバイアス回路(2電源の場合)
(nチャネル、デプレーション型)
VDS  VDD  I D RDより
1
VDD  VDS 
ID 
RD
負荷線
ゲート電流は流れない(IG=0)ので、
RGの値は任意
FETのバイアス回路(1電源の場合)
(nチャネル、デプレーション型)
ゲートバイアス用抵抗
VGS   I D RS
VDS  VDD  I D RD  RS 
一般的には RD  RS より
ID 
VDD  VDS
RD  RS
Q点を動作点に選ぶと、
 VGS 0.16V
RS 

 53
ID
3.0mA
FETのバイアス回路
(nチャネル、エンハンスメント型)
R1とR2の比でゲート電圧を決める
VGS
R2

VDD
R1  R2
VDS  VDD  I D RD
FETのバイアス回路
(デプレーション、エンハンスメント)
RSを入れると
VGS
+
R2

VDD  I D RS
R1  R2
+
-
RS、 R1、 R2の選び方によって、
VGSは+にもーにもできる
-
例題
右図において、IDSS=10mA、VP=-0.80V、
n=2.0のJFETをID=2.0mA、VDS=5.0Vで
動作させたい。このときの回路定数(RD、
RS)を求めよ。但しVG=2.0Vとする。
RD
VDS
VG
12V
VGS
RS