スライド 1

数学 ---> 抽象化、一般化
一次関数
y=ax+b
要素
x
x1
x2
・
・
xn
より複雑な関係ー>解析学
より多くの要素ー>線形代数
関係
f(x)
要素
y
y1
y2
線形
・
・
ym
連立1次方程式
要素
x
x1
x2
・
関係
f(x)
y
y1
y2
線形
・
・
・
ym
xn
x
要素
Ax
b
基本変形
(Ⅰ)
(Ⅱ)
(Ⅲ)
(Ⅳ)
(Ⅴ)
2x+3y=8
x+2y=5
-y= -2
x+2y=5
-y= -2
x
=1
x
=1
-y= -2
x
=1
y= 2
①+②×(-2)
②+①×2
①と②を入れ替えた
②×(-1)
基本変形
連立1次方程式の基本変形
(1)1つの式を何倍か(≠0倍)する。
(2)2つの式を入れ替える。
(3)1つの式に他の式の何倍かを加える。
・基本変形は可逆的である。
・基本変形を行って得られる連立1次方程式
は全て同等である。
掃き出し法
基本変形を行って連立1次方程式を解く方法
係数行列を単純な形(単位行列)にする。
行列の(行)基本変形
(1)1つの行を何倍か(≠0倍)する。
(2)2つの行を入れ替える。
(3)1つの行に他の行の何倍かを加える。
(Ⅰ)
(Ⅱ)
(Ⅲ)
(Ⅳ)
(Ⅴ)
2x+3y=8
x+2y=5
-y= -2 ①+②×(-2)
x+2y=5
-y= -2
x
=1
②+①×2
x
=1
-y= -2 ①と②を入れ
x
=1
y= 2
2 3 8
1 2 5
0 -1 -2
1 2 5
0 -1 -2
1 0 1
替えた
1 0 1
0 -1 -2
②×(-1)
1 0 1
0 1 2
簡約な行列
一般的な連立方程式を解くために、拡大係数行列を
扱いやすい行列に変形する。
行列の零ベクトルでない行ベクトルの0でない最初の成分->その行の主成分
簡約な行列
(1)行ベクトルのうち零ベクトルがあれば、それは零ベクトルでないものよりも下にある。
(2)零ベクトルでない行ベクトルの主成分は1である。
(3)第i行の主成分をaiji とすると、j1<j2<j3<・・・となる。
すなわち各行の主成分は、下の行ほど右にある。
(4)各行の主成分を含む列の他の成分は全て0である。すなわち、
第i行の主成分がaijiならば、第ji 列のaiji以外の成分は全て0である。
簡約な行列の例
主成分:各行の最初の1
0 1 3 0 2
0 0 0 1 1
0 0 0 0 0
1 0 1 4 0 -1
0 1 7 -4 0 1
0 0 0 0 1 3
0 1 0 0 2 3
0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0
0 0 0 1 6 0 3 0
0 0 0 0 0 1 2 8
0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 1 0 2 0
0 0 0 0 0 1
0 0 0 0 0 0
0 0 0 2 3 2
0 3 6 -9 -4 7
0 2 4 -6 -4 2
0 1 2 -3 -2 1
0 0 0 1 3/2 1 ③×(1/2)
0 0 0 0 2 4 ②
0 2 4 -6 -4 2 ①と③ 0 1 2 0 5/2 4 ①+②
0 3 6 -9 -4 7 を入替 0 0 0 1 3/2 1 ×3
0 0 0 2 3 2
0 0 0 0 2 4
0 1 2 -3 -2 1 ①×(1/2)
0 1 2 0 5/2 4
0 3 6 -9 -4 7
0 0 0 2 3 2
0 0 0 1 3/2 1
③×(1/2)
0
0
0
0
1
2
0 1 2 -3 -2 1
①+③
0 0 0 0 2 4 ②+①×(-3)
0 1 2 0 0 -1 ×(-5/2)
0 0 0 2 3 2
0 0 0 1 0 -2 ② +③
0 0 0 0 1 2 ×(-3/2)
行列の簡約化
行列Aに基本変形を繰り返して簡約な行列Bを得る
ー>行列Aを簡約化する。
行列B:行列Aの簡約化
定理2.2.1
任意の行列は、基本変形を繰り返すことにより簡約化できる。
また、与えられた行列の簡約化は唯一通り定まる。
行列の階数
行列Aの階数:rank(A)
rank(A)=Bの零ベクトルでない行の個数
B:行列Aの簡約化
rank(A)=Bの行の主成分を含む列の個数
定理2.2.2
Aがm×n行列ならば
rank(A)≦m,
rank(A)≦n
連立1次方程式を解く
rank[A:b]=rank(A)
または
rank(A)+1
rank[A:b]=rank(A)+1 の場合
1
0
0
0
・
・
0
*
0 1
0 1
…….
0
0
・
・
0
…………
…………
…………
0x1+0x2+ ・・・・・ +0xn = 1
0 1
0
0
・
・
0
1
0
・
・
0
ー> Ax=b は解をもたない
定理2.3.1
連立1次方程式 Ax=b が解をもつ必要十分条件は
rank[A:b]=rank(A)
である。
定理2.3.2
n変数の連立1次方程式
A x =b
に解が唯一つ存在する必要十分条件は
rank(A) =rank[A:b]=n.
同次形の連立1次方程式
Ax=b
において
Ax=0
x=0
b=0 のとき
-> 同次形の連立1次方程式
-> 自明な解
定理2.3.3
(1)同次形の連立1次方程式
Ax=0
(A:m×n行列)
の解が自明なものに限る必要十分条件は
rank(A) =n.
(2)m<n ならば Ax=0 は自明でない解をもつ.
正則行列
逆行列
AB=BA=En
->
A:n次正方行列
B:Aの逆行列
・Aが逆行列を持つとき、Aの逆行列はただ1つ決まる.
・正方行列Aは逆行列をもつとき 正則 であるという.
A-1:Aの逆行列
定理2.4.1
A,Bはn次の正方行列で AB=E ならば
BはAの逆行列である.
定理2.4.2
Aがn次正方行列のとき、次の(1)~(5)は同値である。
(1) rank(A)=n.
(2) Aの簡約化はEnである.
(3) Ax=b は任意のn次の列ベクトルb に対し
唯一つの解を持つ.
(4) Ax=0 の解は自明な解 x=0 に限る.
(5) Aは正則行列である.
0
, ・・・ , en =
0
0
0
・・・
, e2 =
0
1
・・・
・・・
e1 =
1
0
1
Ax = e1 , Ax = e2 , ・・・ , Ax = en 解を各々 ci とする
Ac1 = e1 , Ac2 = e2 , ・・・ , Acn = en
C = [c1 c2
・・・
cn ] とする
AC = A [c1 c2 ・・・ cn ] = [Ac1 Ac2
= [e1 e2 ・・・ en ] = En
・・・
C はAの逆行列である:A-1 = C
[ A E ] ー> [ E A -1 ] (簡約化)
Acn ]