テレビ視聴(4) 災害報道 1.災害報道とは 2.災害報道の機能 3.災害報道をいかに利用するか 1 1.災害報道と放送事業者 (1)災害報道とは 台風、大雨、大雪(以上は気象災害)や地震などの自 然災害、大規模火災などについての報道。 報道内容は時間の経過とともに変化する。 ←時間の経過とともに災害の様相も変わる。 ←被災者が知りたい情報の種類や内容も変わる。 (→表1参照) 受け手の期待に応えるべき? 2 (2)災害時における放送事業者の役割 放送事業者は、法律によって防災機関として位置 づけられている。 「放送事業者は(中略)、暴風、豪雨、地震、大規 模な火事その他による災害が発生し、また発生す るおそれがある場合には、その発生を予防し、ま たはその被害を軽減するため役立つ放送をするよ うにしなければならない。」(放送法第6条) 子の他、災害対策基本法、国民保護法などによっ て災害報道を行うことが求められている。 3 2.災害報道の機能 (1)災害時に人々が知りたいこと ・何が起きたのか? ・どうすればいいのか? ・家族・親戚、知人の安否? 4 (2)災害報道におけるメディアの役割(宮田, 1986) ①環境監視機能 被害状況、行政・政府の対応など、受け手が 直接知り得ることが限られている情報を知らせ る機能。 5 ②ニーズ充足機能 a.災害の規模や被害の程度といった人々の置 かれた状況を定義する情報。 b.知人の安否。 c.ライフラインの復旧状況。 ⇒受け手のニーズを満たす。 6 ③不安低減機能 混乱している人々に対して災害の状況や見通 しなど、十分な情報を提供して不安を和らげ、 混乱を防ぐ機能。 ④説得機能 避難誘導など二次災害を防ぐための適切な説 得を行う機能。 7 3.災害報道をいかに行い、いかに利用するか Q1:あるメディア(テレビorラジオ)が全ての機能を遂行 することができるか? A1:それぞれのメディア特性を生かして、役割を分担す るのがよい。 8 (1)テレビの特性 ・映像が持つ迫真性や訴求性を生かすべき e.g.被災地の状況を外部に伝える ⇒“外に向けて”救援・救護を訴える! (2)ラジオの特性 ・どこにでも持ち運びができ、停電時でも使える e.g.被災地の人たちに役立つ情報を伝える ⇒“内に向けて”行動指示情報、安否情報、 生 活情報を伝える。 9 Q2:テレビとラジオで役割分担をすることで、災 害報道の機能はどのように満たされると思い ますか? ①環境監視機能? ②ニーズ充足機能? ③不安低減機能? ④説得機能? Q3:うまく機能しないものについては、どうすれば よいと思いますか? 10 参考文献 福田充 (2006) グローバル・リスク社会を象徴する国際テ ロ報道 メディア・コミュニケーション, 56, 109-128. 廣井脩・中村功・田中淳・中森広道・福田充・関谷直也・森岡 千穂 () 2004年7月新潟・福島豪雨における住民行動 と災害情報の伝達 廣井脩・中村功・福田充・中森広道・関谷直也・三上俊治・宇 田川真之・松尾一郎 () 2003年十勝沖地震における津 波非難行動ー住民聞き取り調査を中心に 宮田加久子 (1986) 災害情報の内容特性 東京大学新聞 研究所(編) 災害と情報 Pp. 186-224. 東京大学出 版会 小田貞夫 (2004) 災害報道 松岡新兒・向後英紀(編著) 新現場からみた放送学 学文社 Pp. 38-55. 11 織田芳人・一色敏実・永山尚人 (1995) 緊急サポートシステ ム:災害発生時の放送送出支援システムについて テレビ ジョン学会技術報告, Vol. 19, No. 67, 19-24. 12
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