大腸カメラについて 作成 福山市民病院 山陽病院 内科 辰川 匡史 大腸カメラ=下部消化管内視鏡とは ・肛門からカメラを挿入し ・大腸と小腸の一部を観察す る ・生検・治療を行うこともある 手順(検査を受けるまで) 大腸カメラは胃カメラよりも、検査を受けるまでに手順を要します。 大腸には便が多量にあるため、通常の状態では観察できないか らです。 通常の状態 検査に適した状態 したがって腸に内容物がない状態にする必要があります。 前処置 前処置― 前日 朝・昼・晩と検査食(お腹にたまりにくい食事)を 食べていただきます(必須ではないが、翌日の 処置が楽に受けられます) 検査食はレトルト食品です。(本日持ち帰る) 寝る前に下剤=ラキソベロンをコップ1杯の水に 溶かして服用していただきます 検査食 ラキソベロン 前処置 ― 当日 内視鏡センターにて 約2リット ルの 前処置液(マグコロール P)を服用し、排便します。 固形便が出なくなれば 準備完 了(個人差はあるが2-3時間か かる) 検査時間は30分〜1時間程度 生検=ピンセットで組織を採取 カメラの先から小さな(2-3mm) ピンセット=生検鉗子 を出して 疑わしい部分の一部を取る 取った組織はホルマリン固定し、顕微鏡で 細胞のようすを観察します(病理検査) ポリープ ポリープ切除について ポリープがあり、施行医が切除した方がいいと判 断した場合、ポリープを電気メスにて切除します (ポリペクトミーもしくはEMR) ポリープが大きいと、きずあとから出血する可能 性があるため、場合によっては入院して経過観 察する必要があります(施行医の判断)。 通電して切除 ポリープ 切除後のきずあと 生検に望ましくない場合がある 要注意! 生検によって多少なりと血がでます(多くは2-3ml)が、 脳梗塞の既往 ほとんどの場合問題ありません。 手足の動脈硬化 ただし以下の方は予想以上に出血を来たす可能性があります。 心臓 人工弁 心房細動 など =「血液がサラサラになる薬」を飲んでいる方 抗血小板薬 バイアスピリン・ペルサンチン・パナルジン・プラビックスなど 抗凝固薬 ワーファリン 高脂血症の薬の一部 (エパデールなど) 血が止まりにくい御病気の方(肝疾患・血友病など) 偶発症について 偶発症=Accident カメラそのものの物理的な偶発症 検査を楽にするために用いる薬剤の副作用 カメラそのものによる物理的な偶発症 検査時の痛み 出血 穿孔・消化管損傷 使用薬剤による偶発症 カメラを楽に受けるために使用する薬 次の方は要注意: 局所麻酔剤(キシロカイン) 緑内障 (「眼圧が高い」とい ブスコパン(胃腸の動き(蠕動)を止める) われたことがある方) • 緑内障発作(頭痛・眼痛・吐き気) • 心筋梗塞・心臓発作など • 尿閉 心臓病 (心筋梗塞・重篤な 不整脈など) 前立腺肥大(夜間に何度も 尿がでる、頻尿など) 鎮静剤(すべての方に使用するわけではありません) • 呼吸抑制・循環抑制など これらの薬剤の副作用がまれにあります 偶発症への対処 偶発症はまれであり、ほとんどの場合起こりませ ん しかし偶発症が誰に起こるかは検査前に予見す ることはできません。 当院では、偶発症をできるだけ起こさない努力と、 たとえ偶発症が生じた場合でも、迅速に処置し、 患者様に影響を及ぼさないような取り組みを病 院全体で行っております。
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