科学者が見つけた 「人を惹きつける」文章方程式

科学者が見つけた
「人を惹きつける」文章方程式
第5章 「元気」の名文方程式
3031-6023 谷村麻由子
第5章「元気」の名文方程式
「元気」を表現するための技法についての解説
引用される文章・筆者・技法
・荒木経惟 ①連発
②常識破壊
・林真理子 ①読者まかせの「ー」
・岡田 淳
①高速展開
②リズミカル
③すべてポジティブ
荒木経惟 ①連発
<連発がエネルギーの源泉>
天女が男の才能を引き出す、っていったけど、じつは引き出
すっていうより、天女っていうのは、男を天才へ導いてくれる
んだよね。だから、極端な話、男は才能なんていらないわけ
よ。天女様が『天の才能』に導いてくれるから。(中略)天才
はいつも楽できる。だから楽天家っていうんだよ。天才と天
性のツキだね。
「すべての女は美しい」大和書房p.22~33
次から次へと機関銃のように同じ言葉を連発する。
→筆者のいつも目標に向かってまっしぐらな様子、よ
いと感じたものはとことん追求していく様子を表現。
=筆者のエネルギーの源泉が存在
荒木経惟 ①連発②常識破壊<常識を壊す>
世の中ではワイセツか芸術かってところで攻めたり守ったりし
てるみたいだけど、オレの場合、ワイセツっていう要素が写
真に入っていないと芸術にならないんだよ。ワイセツである
ことが芸術なわけ。(中略)
同本p.64
オレは女というワイセツなものに接して、ワイセツを味わったり、
ワイセツなことをしたってことを記録してるんだから。 P.65
漢字「猥褻」をワイセツと書く
→戯画化+常識的な猥褻なるものを徹底的にたたき
のめす。
カタカナで表記することによって
世間で通用している常識を壊している。
林真理子
読者まかせの「ー」
「だからあんたもいっぱいの男の寝なきゃダメよ」
突然Tさんがいった。
「エッ」不意をつかれて私は赤くなる。
「だめなのー、だって私、からだに自信ないからー」
「バカだねー、この子は」
SさんとTさんが同時にどなった。
「そんなもんは電気消しゃーすむことじゃない!」
「ルンルンを勝手おうちに帰ろう」p.140
強調したい部分を倒置文で表す。→言いたいことは何でもすぐ
に書く筆者の特徴。
<ーの効果>
読み手に勝手な空想を入れてもらうことで読者を行間の世界に
導いている。
それぞれ思い通りの迫力のある余韻を生ませている。
岡田淳 ①高速展開②リズミカル
サンジがほり進むのははやい。
あたらしいものにむかっているときは、なおさらだ。
サキのトンネルを出てすぐに、サンジは自分が水のなかを進んでいるのに
気づいた。
とたんに鼻から水が入った。
飲むどころのさわぎではなかった。
あわてて上へむきをかえ、水面にとびだした。 「星モグラ サンジの伝説」p.142
・エピソードを語る前に、作者のメッセージが挟みこまれる
・場面の移り変わりが速い→エネルギッシュな感じを与える
・一文一文が短く、はぎれのよい言葉が続く
→テンポが速く、リズミカル
柴田淳③すべてポジティブ
しかしすぐにおよぐたのしさをおぼえた。
水面を波をけたてて進むのも、
息をすいこんで深くもぐるのも、
水からとびあがり、
そしてまたとびこむのも、
全部おもしろかった。
同本p.143
・すべて短く、読点によって区切られている。
→場面が目まぐるしく変化。児童文学の特徴。
・メッセージの挿入→プラス思考
具体的なストーリー展開の中でポジティブな主張を小分けにし
て挟む。
<まとめ>
元気のでる文章作法というのは、文章にエネル
ギッシュな感じをもたせ、読者を文章にひきこ
み、勢いのある手法を使う。
<感想>
手法としては笑いの文章作法に似ていると感じ
た。筆者の技法にもよるが、すべて元気を与
えるための要素をもりこんだ技法であると感
じた。