第3章 『程度・比較・変化・並列』 どの程度か、他と比べてどうか、ど う変化しているかを表す表現を勉 強します。 3-2② 程度を表すB • ~にもまして • ~はおろか • ~ないまでも • ~に限る 5 ~にもまして • 名詞+にもまして • 「~よりもっと、~以上にもっと…」という 話し手の気持ちを表す意味。 5 ~にもまして • 以「Xにもまして…なのはYだ」「XにもましてY が…」等形式、表示「X是當然的…、不過Y更 …」的意思。通過和X比較、用以強調Y的程 度更高。 • 像例①那樣以「前にもまして」、「以前にもまし て」的形式使用時、意思即成為「比以前更 …」。例④「何にもまして」的用法、是「比什麼 都…」、「最…」的意思。 ①前から言われていたが、以前にもま して、地球の温暖化が深刻になってき た。 ②就職の面接試験では、筆記試験に もまして、先輩の助言が重要に感じる。 ③今のチームは強いから、例年にも まして、エキサイティングな戦いが期 待される。 ④旅行費用のことより、2週間休暇を 取ることの方が、何にもまして大変だ。 6 ~はおろか 名詞+はおろか 「AはもちろんBも」という意味。驚きや不満、 批判などの気持ちがある。「B」の後には 「も・でも・さえ」などを使うことが多い。 6 ~はおろか 名詞+はおろか 如「XはおろかYさえ/も/すら…ない(不用説 …就連…也不…)」的形式。「はおろか」多與否 定的表達方式一起使用。表示理所當然、不用 説了的意思。程度輕的用X表示。用於強調Y。 ①都会っ子だった君が、コンビニは おろかデパートもないところに、よく 住めるね ①都会っ子だった君が、デパート はおろかコンビニもないところに、 よく住めるね こちらの方がわかりやすい か? ②彼女の虫嫌いには驚いたよ。ゴキ ブリはおろかチョウさえ怖がるんだか ら。 ③足のけががなかなか治らない。走 ることはおろか、歩くことさえできない。 ④不景気になれば、会社は給料カット はおろか、リストラだって平気でする。 7 ~ないまでも 動詞ナイ形+ないまでも • ~まではしない(できない)が少なくとも …ぐらいは」。「~のような高いレベルは 無理だけど」と言いたい時に使う。文末 に話し手の意思や希望などが来る。 7 ~ないまでも 動詞ナイ形+ないまでも • 接動詞否定形、表示「雖沒到那個程度、 至少要這樣」之意、前半句中為在數量 和重要性上提示程度高的事、後半句上 接比其程度低的事。 ①風邪で本調子とはいえないまでも、 家事ができるくらいには回復したと思 う ②これだけ勉強したんだから、100点 ではないまでも、80点は取れるだろう。 ③原案から大きな変更をしないまでも、 多少の修正はしなければならない。 ④うちは値下げはしないまでも、デ ザートを付けるサ-ビスはしましょう。 ⑤水が飲めないまでも、魚が棲めるく らい川をきれいにしたいですねえ。 8 ~に限る (名詞+に限る/動詞辞書形+に限る/動 詞ナイ形+ないに限る) • 「~が一番いいと思う」という意味。 話し手が「一番」と思っている気持ち を表す。 ①夏の食欲がないときは、ざるそばに 限るね。 ②こう毎日暑くては、ネクタイなし でいるに限るね。 ③テレビで見るのもいいけど、やはり スポーツは生で見るに限るね。 ④私の血液型の相性からいえば、 B型の年下の男性に限ると本に書 いてある。 ⑤子供はしかるのではなく、ほめて育 てるに限るね。素直な子になるそうだ。 3-3 比べる • ~に比べて/~に比べ • ~一方で • ~に対して • ~反面/~半面 • ~ひきかえ 1 ~に比べて/~に比べ • 名詞+比べて • 「AはBに比べて~」の形で、AとB を比較する時に使う。 ①田舎は都会に比べて、緑も多く、 子育てをするにはよい環境だ。 ②年間輸出額は10.3億ドルと前 年に比べ、16パーセント増加した。 ③喫煙者は、非喫煙者に比べて肺がんに よる死亡率が高くなっているそうだ。 2 ~一方(で) • 名詞修飾型+一方で • 名詞、な形容詞は「である一方」を使うこと もある。 • 「A一方、B」の形で、AとBが対照的である ことを表す.また「~はA一方、B」の形で、 「~」はAとBの2つの面があるということを 表す(③) ①人手不足の地方がある一方、相 変わらず就職難が続いている地方 もある。 人 手 不 足 一方 就 職 難 ②お見合い相手との結婚に、母親が 熱心な一方で、父親は理由なく反対し ている。 一方 ③彼は俳優として映画やドラマに出演 する一方、歌手としても活躍している。 一方 3 ~に対して • (名詞十に対して/名詞十なに対して/動 詞形容詞名詞修飾型+のに対して) • 名詞、な形容詞は「であるに対して」を 使うこともある。 • 「Aに対してBは…」「Aが~のに対して、B は…」の形で、AとBを対比させる時に使う。 ③のようにABが対照的、反対であることを 示すことが多い。 ①先月は150万円の収入に対して、支 出は130万だった。 に対して 収入 150万 支出 130万 ②姉がスポーツ万能なのに対して、妹 は勉強好きで、どちらかというと内向 的だ。 ③これまでのメディアが一方的に情報 を発信してきたのに対してインター ネットは情報のやり取りを可能にした。 4 ~反面/~半面 • (名詞修飾型十反面) • *名詞・な形容詞は「+である反面」も使う • 「~はA反面、B」という形で、「~」には AとBの2つの対照的な面があるとい うことを表す。 ①一人暮らしは自由な反面、掃除、 洗濯など全部自分でやらなければ ならないので面倒だ。 ②新しい設備はコストがかかる反面、 環境にやさしいという利点がある。 反面 ③ネットショッピングは便利である反面、お 金を振り込んだのに商品が届かないなど トラブルもあり、不安なものだ。 反面 5 ~にひきかえ • (名詞十にひきかえ/名詞十なのにひきかえ/動詞 形容詞名詞修飾型+のにひきかえ • *名詞・な形容詞は「「十であるのにひきか え」になることもある • Aにひきかえ、Bは…」「Aが~のにひきか え、Bは…」の形で、AとBが反対であること を表す。「Aはいい(悪い)が、反対にBは 悪い(いい)」という話し手の主観的な評価 を表すことが多い。「與一方相反叧一方」 ①立派な隣の家にひきかえ、わが 家は本当に小さくて、情けない。 にひきかえ ②兄がけんか好きで、遊んでばかりい るのにひきかえ、弟の方は成績優秀 で、友人にも信頼されている。 にひきかえ ③田中さんの会社は給料もいいし、休みも多い らしい。それにひきかえ、うちの会社は給料は 全然上がらないし、夏休みも3日だけ。本当に転 職したいよ。 にひきかえ 3-4 かわる • ~一方だ • ~つつある • ~につれて • ~ば~ほど 1 一方だ • (動詞辞書形+一方だ) • 「どんどん~していく」という意味。ずっ と変化が続いて、止まることがない様 子を表す。「増える・減る・進む・~なる・ ~ていく」など変化を表す動詞を使う。 • 一直、不断、沒有止境、多為貶義 ①この国の環境破壊は進む一方だ ②年末に向けて、仕事は忙しくなる 一方だ。 ③会社をクビになって以来、貯金は減 る一方だ。早く新しい仕事を見つけな ければならない。 貯金 仕事探さ ないと! 2 ~つつある • (動詞マス形十つつある) • 「だんだん~してきている」という意味。 変化が始まったけれども、変化の途中 であることを表す。 • 變化完成的方向正在繼續着的意思。 ①デパートの商品の売れ方を見ると、 景気は回復しつつあるようだ。 ②その動物は地球上から絶滅し つつあるので、何とか守る方法を 考えるべきだ。 トキ パンダ ③日本は超高齢化社会になりつ つある。 3 ~つれて/ ~したがって • (動詞辞書形・名詞+につれて) • 「AにつれてB」の形で、Aが変化すると、 一緒にBが変化することを表す。「~に したがって」は「~につれて」に比べて、 硬い表現。 ①年を取るにつれて、体力は低下し、 体は衰えてくる。 子供 体力の低下 体格は向上 ②夏休みが近づいてくるにつれて、何 だかわくわくしてきた。 ③食生活の変化につれて、増えてき た病気もある。 生活習慣病 ④高齢化が進むにしたがって、介護 の問題が深刻になってくる。 4 ~ば~ほど • 動詞・い形容詞バ形十ば十辞雀形十ほど/ • な形容詞十なら(ば)十な形十なほど/ • 名詞十であれば十名詞十であるほど • 「AばAほどB」の形で、「Aを繰り返せ ば、どんどんBになる」ということを表 す。また、形容詞の場合、Aの程度が 高くなるとBの程度も高くなることを表 す。 4 ~ば~ほど • 同一個單詞重覆使用、表示伴隋着一 事物事的進行其他事物也在進行。意 思是叧一事物隋「…ば」所表示的事 物成正比變化、不過像例②③那樣一 般預想的成反比變化時也可使用該 句型。 ①外国語は使えば使うほど、上手 になると思う。 ②この本は難しくて、読めば読むほど わからなくなってきた。 ? ? ? ? ? ③「がんばれ」と言われれば言わ れるほど、緊張してくる。 緊張しないた めには 深呼吸 しんこきゅう ④外国語の勉強を始めるなら、若け れば若いほどいいと言われている。 特に「発音」は 若い方がいい ⑤お年寄りが使う携帯電話は簡単な ら簡単なほどいいだろう。 3-5 並べる • ~やら~やら • ~なり~なり • ~にしろ~にしろ/~にせよ ~にせよ • ~であれ~であれ 1 ~やら~やら • (名詞・い形容詞辞書形十やら • 動詞辞書形十やら) • 「~や~や」という意味。いろいろあって、 整理されていない感じがある。「~や~ や」と違って、動詞・形容詞も使える。 ①来月は引っ越しやら出張やらあ るので、とても慌ただしい。 出張 引っ越し ②きのう彼は酔っ払って、急に大声で 歌い出すやら、あばれるやらで、本当 に迷惑だった。 ③結婚式のスピーチでとんでもない 言葉を口走ってしまい、恥ずかしいや やら、情けないやら。 2 ~なり~なり • 名詞・動詞辞書形十なり 都可以 • 「~でも~でも」という意味。選択肢 を挙げる。話し手にはどれを選んで もいいという気持ちがある。 ①勝手に、冷蔵庫のジュースなり、ミ ルクなり、好きな物を飲んでいいよ。 ②パソコンが壊れたので、修理に出す なり、新しいのを買うなりして、何とか しなければならない。 ③その会社の情報は、人に聞くなり、 ネットで調べるなりすれば、簡単にわ かる。 3 ~にしろ~にしろ /~にせよ~にせよ • 普通体十にしろ/にせよ • 名詞・な形は「だ」はつかない。 • 「であるにしろ」「であるにせよ」 3 ~にしろ~にしろ /~にせよ~にせよ • 「例えば~でも~でも」という意味。例を 挙げて、その他の同種のものも同じだと 言いたい時使う。 • 反対の意味の言葉を並べて、「どちらの 場合でも」という意味で使うことも多い (②③)。 ①犬にしろ、猫にしろ、ペットを飼うな ら、責任を持って世話をするべきだ。 ②料理を作った者としては、おいしい にしろ、まずいにしろ、何か感想を 言ってほしいものだ。 ③参加できるにせよ、できないにせよ、 とにかく連絡をください。 4 ~であれ~であれ • 名詞+であれ 「例えば~でも~でも」という意味。例 を挙げて、その他の同種のものも同 じだと言いたい時使う。 ①手紙であれメールであれ、相手を傷 つけないように、言葉は選ぶべきだ。 ②男であれ女であれ、自分の能力が 生かせる仕事を見つけたいと思って いる。 ③彼が言ったことが本当であれ、うそ であれ、今は確かめようがない。 • ・「~にしろ一一にしろ」「~であれ~であれ」は、どちらも「何」 「だれJFどこJFいつ」などと一緒に使い、 「何でも」「だれで も」などの意味も表す。 • 例:動機は何にしろ、始めた以llは最後までがんばれ。 〔=何で紹 • 行き先がどこにしろ、十分な準備をしてい、た方が いいバ=どこでも〕 • '「~なり・ヽ一な1; .iも、「何」「どこ」「いつ」などと組み合わせて、 使Jうことができる、 • 例:昼休みは出かけ芯なり何なりして、I'1山にLてくださ い。 • 大学在学中に、アメリカなりどこなり、一度留学する ことをお勧めする。 3-5② 並べる • • • • ~といい~といい ~も~ば~も/~も~なら~も ~つ~つ ~ては~ては 5 ~といい • 名詞十といい • 「~も~も、すべて」という意味。① ~③のように、後文でいい・悪いの 評価をする時によく使う。 ①このコーヒーは味といい、香りと いい、すばらしい。 ②兄といい、弟といい、あそこの兄 弟は人に迷惑をかけてばかりいる。 ③このホテルは設備のすばらしさと いい、サービスのよさといい、日本で も五本の指に入るだろう。 ④彼はちょっとした表情といい、話し方 といい、死んだ父親によく似ている。 6 ~も~ば~も/~も~なら~も • (名詞+も+動詞・い形容詞バ形+は+名 詞+も/ • 名詞+も+な形容詞+なら+名詞+も • 「Aも~し、その上、Bも…」とい う意味。 6 ~も~ば~も/~も~なら~も • 例①~③是把類似的事情並列起 來加以強調、例④是把對照性的事 情並列起來、表示還有很多情況。 • 「酒も飲むし、タバコも吸う」と同じ。 ①彼は詩も書けば、絵もかく。才能 のあふれる芸術家だ。 相田みつを ②私は金もなければ、地位もない 男だが、何にも縛られない自由を 持っている。 ③この辺は交通も便利なら、店もたく さんあって、本当に住みやすくていい。 両国国技館 江戸東京博物館 ④人生、いいこともあれば、悪いことも ある。 7 ~つ~つ • 動詞マス形十つ十動詞マス形十つ • 「~たり~たり」。対照的な動詞を2つ 使って、「~たり~たり」を繰り返す様子 を表す。どの動詞でも使えるわけでは なく、決まった表現力がある。下の例 のほかには「追いつ追われつ」「持ちつ 持たれつ」など。 ①彼女は空想の世界と現実の世界の 間を行きつ戻りつしながら、小説を書 いている。 ②霧の向こうに、湖が見えつ隠れつし ていた。 ③二人の選手は、抜きつ抜かれつし ながら、ゴールまで来た。 8 ~ては、~ては • 動詞テ形+ては+動詞マス形、 • 動詞テ形十ては十動詞 • AてはB、AてはB」の形で、「Aをしたら、 その後Bをする」ということを何度も繰 り返すようすを表す。「AてはB」だけの 場合もある(③)。 ①転んでは立ち上がり、また転んでは 立ち上がる。人生はその繰り返しだ。 ②きのうは女友達が集まって、ワイン を片手に、料理を作っては食べ、作っ ては食べるという楽しい時間を過ごし た。 ③若いころ、彼は酔ってはけんか するという毎日だったそうだ。
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