顧客満足への新しい一歩 ~店が顧客を変える~

購買者の態度が与える従業員満足度への影響
~購買者参加型
従業員満足度向上マーケティング~
多摩大学 豊田ゼミナール
非耐久消費財班
石井達也
林唯真
下浦まり惠
山岸百合子
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今年の10ゼミのテーマ『未来に向けた日本活性化』
人が元気になること(ヒトの活性化)
15~34歳の離職率の推移
出典:国民生活白書[2007]『第1節 職場
のつながりの変化と現状』
『従業員=購買者』
男女年齢別うつ病患者数
出典:社会実情データ図鑑[2009]
『うつ病・躁うつ病の総患者数
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研究目的
従業員満足度向上による購買者活性化を
マーケティングの観点からアプローチする。
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
先行研究ー企業へのメリット
従業員満足度がサービスを高め、それが顧客満足度に高めることに繋がる
最終的に企業に利益をもたらすことになる。(Heskett,Schlesinger,Sasser.Jr 1994)
顧客満足↑
従業員満足度↑
従業員満足度を
下げてしまっている
要因とは?
従業員満足度を下げてしまっている要因を探る!
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
従業員満足度に影響を与える要因
組織論の範囲
仕事内容
人間関係
従業員満足度
給料
勤務時間
???
従業員満足度にマーケティングの観点から貢献するには??
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
購買者の態度
購買者の態度
『ぶすっ』
『ありがとう』
『態度わりぃな!!』
『ありがとうございました!!』
従業員の心境
顧客の態度を変化させることで従業員満足度向上を目指す
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
視点の整理
未来に向けた日本活性化
人の活性化=従業員の活性化
購買者の活性化
従業員満足度↑
ここに
マーケティング
の要素を!!
顧客満足↑
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
業界選定:スーパーマーケット
非耐久消費財を多く扱う
典型的な業界である。
従業員と購買者の直接的
な接点を限定しやすい。
非耐久消費財を扱う業界を活性化させる
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
研究全体図
H1,名前を知
られている
H2,話す言葉
を変える
顧客
態度↑
H3,顔が
見える
従業員
満足度↑
顧客
満足↑
(Heskett,Schlesinger,Sasser.Jr 1994)
H4,位置
が高い
顧客態度に最も有効な要因は何か??
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
仮説構築
4つの要因を基に作成した仮説が以下の通りである。
H1 購買者の名前が従業員や周囲の人に知られていると、
購買者の態度に正の影響を与える
H2 従業員が業務上話す言葉を変えると、
購買者の態度に正の影響を与える
H3 購買者が自身の顔を見えるようにすると、
購買者の態度に正の影響を与える。
H4 従業員の身長(視線)が購買者よりも高いと、
購買者の態度に正の影響を与える。
4つの仮説検証を行い、購買者の態度に影響を与えるのか
また、最も有効な要因をみつける。
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
調査概要
仮説検証に質問紙調査を用いる
1.レジ経験のある従業員への調査
:購買者のどういった態度が
ストレスになるのか
:ストレスが解消された場合
従業員の意欲は向上するのか
2.購買者への調査
:労働への意識調査
:4つの仮説の効果測定
実施日
:2010年 11月10日(水)~16日(火)
実施方法
:質問紙調査
調査方法
:1.レジ経験のある従業員への調査
現従業員、又は経験者
(パート・アルバイト・正規社員 72人)
(男性 37人 女性35人)
2.購買者への調査
多摩大学1~4年生
(男性 155人 女性58人 不明33人)
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
調査のポイント
従業員がストレスを感じる項目
購買者の変わり得る態度
•
•
レジ前で携帯電話を使っている
財布を事前に出していない
•
•
レジ前で近くにいた知り合いと話
をしている
音楽を聴いている
ため口で話される
反応がない人
嫌な顔される、無表情な人
•
•
•
•
•
レジ前で携帯電話を使わないよう
にしたい
財布を事前に用意しようと思う
•
店内で騒がないように気をつけよ
うと思う
•
音楽プレイヤー等のイヤホンをは
ずそうと思う
敬語で話そうと思う
ありがとうと言いたくなる
笑顔で接したくなる
•
•
•
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
調査結果①ーレジ経験のある従業員への調査
順位平均値のグラフ化
反応がない人
5.22
嫌な顔をされる、無表情な人
5.19
音楽を聴いている
4.13
レジ前で近くにいた知り合いと話をし
ている
4.07
レジ前で携帯を使っている
従業員に聞いたストレスを与え
ているであろう7項目のうち、
最もストレスを感じるものとして
1位から7位の順位をつけても
らった。
順位をつけてもらった項目を点
数化し、平均点の比較を行っ
た。
3.57
財布を事前に出していない
3.01
タメ口で話される
2.81
1
2
3
4
5
6
7
『嫌な顔をされる・無表情な人』『反応がない人』
の2項目の点数が高い。
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
調査結果②ーレジ経験のある従業員への調査
「嫌な顔をされる・無表情な人」「反応が無い人」
これらの態度が改善された場合従業員の意欲に正の影響を与えることがわかる。
笑顔(表情)のある購買者に対して
笑顔(表情)がある人だと
ありがとうと言ってくれる購買者に対して
ありがとうと言ってくれる人だと
71
(98.6%)
68
(94.4%)
4
(5.6%)
変わらない
1 (1.4%)
さらに笑顔を返したくなる
変わらない
気持ちよく接客ができる
ストレスを感じる7項目のうち
『嫌な顔をされる・無表情な人』『反応がない人』の2項目に注目。
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
仮説検証ー購買者への調査
購買者の態度変化の予想
購買者が笑顔で接したくなる
購買者がありがとうと言いたくなる
4.0
3.59
H2 従業員の話す
言葉を変える。
4.0
3.56
3.5
3.5
3.18
3.26
3.0
3.0
2.85
2.92
2.5
2.5
2.0
2.0
H1
H2 従業員の話す
言葉を変える。
H2
H3
H4
3.08
H1
2.76
H2
H3
H4
※平均値3.0以上のものを有効、3.0以下のものを無効する。
グラフにより仮説2「従業員の話す言葉を変える」が顧客の態度に最も有効である
また、このことは有意確率1%水準で有意であった。
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研究目的
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業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
研究全体図
H1,名前を知
られている
H2,話す言葉
を変える
顧客
態度↑
H3,顔が
見える
従業員
満足度↑
顧客
満足↑
(Heskett,Schlesinger,Sasser.Jr 1994)
H4,位置
が高い
H2が従業員が強く感じるストレスに最も有効である
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研究目的
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業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
検証結果
・従業員は「ありがとうと言われること」「笑顔で接せられること」でモチベーションが上がる。
・購買者が上記のような行動をとるには、H2つまり『従業員が話す言葉を変える』が最も
有効である。
インプリケーションに向けて
従業員の話す
言葉を変える
購買者の態度↑
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インプリケーション
『接店態度改革』
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
接店態度改革ー1、接客用語改正
1.「いらっしゃいませ」「かしこまりました」
などといった接客用語を改正する。
・形式的な接客用語が従業員をレジの一部として認識させている。
・“形式的”な部分を消すことで従業員を“人”であると認識し、購買
者の態度が変わる。
マニュアルで設定されている言葉である以上、言葉
だけを変えてもいずれは形式的なやりとりに陥りやすい。
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
接店態度改革
協力することで生まれる、身近な関係
協力し合う
従業員への見
る目が変わる
言葉遣いが形式的になってしまっても、購買者のとらえ方は形式的にはならない。
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
接店態度改革
2.レジで商品のスキャン作業を行う際、
従業員と購買者が協力して行う。
従来のレジ(従業員がスキャンを行う)
セルフレジ(購買者がスキャンを行う)
この2種類のレジを組み合わせ、共同で商品のスキャンを行う。
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
接店態度改革ー2、タッグレジスター
2.レジで商品のスキャン作業を行う際、従業員と購買
者が協力して行う。
商品のスキャンが同時に可能
スキャナー
・購買者がレジへ持ってきた商品を、
従業員と購買者が協力してスキャ
ンする。
・それにより協力関係を築き、従業
員と購買者の関係を身近なものに
する。
・購買者側にとっても、レジでの所
要時間を短縮できるメリットがある。
従来のレジ+セルフレジ=協力して行えるレジ。
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研究目的
先行研究
接店態度改革
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
まとめ
1、接客用語の改正
購買者の態度には言葉が有効である。
2、タッグレジスター
その言葉も形式化していく恐れがある。
従業員と購買者の関係そのものを変えることで
形式的な言葉のとらえ方も変えられる。
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研究目的
先行研究
業界選定
仮説構築
仮説検証
インプリケーション
インプリケーションの応用性
• 言葉で接する場があれば有効である。
例)小売業・飲食店
• “協力関係を築く”という点は応用できる幅が
広い。
事例:飲食店)使用後の食器を顧客にまとめてもらう
ようお願いすることで、従業員の作業効率向上と顧客
へのサービス提供スピードを上げることができる。
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参考文献
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http://www.adnet.jp/nikkei/university/meister/archives/03/
IResearch [2010] 『◇衝動買いに関する調査◇ 不
気でも衝動買いをしてしまうのはどんな人!?』
http://www.i-reseach.jp/report/report/r_20100716.pdf
Heskett, Sasser,Jr, Schlesinger Loveman, Jones [1994] 『サービス・プロフィット・チェーン』ダイヤモンド社 ハーバードビジネスレビュー
渋谷望[2003]『魂の労働~ネオリベラリズムの権力論~』青土社
Arlie R.Hochshild[2002]『管理される心~感情が商品になるとき~』世界思想社
竹内実[2008]『コンビニのレジから見た日本人』商業界
山崎宣次[2002]『なぜかお客が集まるサービス逃げるサービス』あさ出版
上原聡[2009]『顧客満足に対するサービス品質の影響に関する考察』嘉悦大学研究論集52(1),1-15,2009-10-01
須賀知美・庄司正実[2010]『飲食店アルバイトの感情労働と客からの感謝賞賛が職務満足度に及ぼす影響』目白大学心理学研究6,25-31,2010
須賀知美・庄司正美[2008]『感情労働が職務満足・バーンアウトに及ぼす影響についての研究動向』目白大学心理学研究4,137-153,2008
西川真規子[2006]『感情労働とその評価』大原社会問題研究所雑誌(576)
崎山治男[2006]『欲望喚起装置としての感情労働~感情労働の「再発見」に向けて』大原社会問題研究所雑誌(566),1-14,2006-01
山下益明・川上実・立川淳史・山下英志[2008]『従業員満足度向上プログラム実態調査報告書~ 従業員満足度向上のために、香川県内の中小企
業はどのようなことを行っているのか ~』社団法人中小企業診断協会香川県支部
太宰 潮[2008]『 価格訴求型プロモーションに関する一考察 -店頭プロモーションにおける経験価値アプローチ -』福岡大学商学論叢,53/3,347-367
鈴木瑞穂[2009]『仕事とストレス、モチベーションの関係』@IT情報マネジメント http://www.atmarkit.co.jp/im/cits/serial/compliance/18/01.html
東洋経済Online [2010]『【産業天気図・スーパー】』
http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/69f6e665bc04f5c530535dd1efc801c2/
株式会社サーベイリサーチセンター [2001]『スーパーについてのアンケート』http://www.surece.co.jp/src/research/mobile/pdf/jishu_6.pdf
徳江実 [2005]『店長ガイド・接客』http://arkot.com/tentyou/sekkyaku.htm
国民生活白書[2007]『第1節 職場のつながりの変化と現状』
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h19/01_honpen/html/07sh030103.html
グラクソ・スミスクライン株式会『うつ病の原因』
http://utsu.jp/04.html
社会実情データ図鑑[2009]『うつ病・躁うつ病の総患者数』
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2150.html
生井俊 [2006] 『ディズニーランドが大切にするコンセプト教育の魔法』こう書房
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御清聴ありがとうございました
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