インフォーマルセクターを問う前に~ 経済活動と先進国・途上国の相違:測定の困難 経済計画による統計データの前提や収集方法の問題点 • 国レベルのデータ:国の国際順位だけを示す。が、国内の 富の分配を問わない(国内所得格差など) • GDP:「国」の所得を示す。が、一般の人の購買力、そして 階層別、ジェンダー別、地域別データを見せない • 企業や他のデータ収集の対象となる正式な部門 = 「公式経済」による「資産と負債」又は「収入支出計算」を 見せる。が、 公式経済やGDPの測定に反映されない“非公式経済”に 従事する60%~80%の労働力の家計を見せない。 1 国の経済データとインフォーマルセクターに関する情報の不適性 経済的な測定による先進国・途上国の差異 国レベルのデータに好都合:国内の富の分配を示さずに、 国の国際順位だけを示す – GDP:購買力や階層別、ジェンダー別、地域別データを示さない – 公式経済:国の国際経済の中の順位を示すが、 非公式経済(インフォーマルセクター)に従事する労働力を見せない 2 インフォーマルセクター 「非公式経済」=インフォーマルセクター。 契約や保証のない労働(医療保険、年金のない仕事)。雑業。 昇格できない仕事。 都市部の主な例: 個人店舗での雑業 タクシー運転 トラックの運転(運輸) 被服、工芸品の製作・作業・組み立て 多国籍企業における製造業での修理・木工・細工・食品加工 食堂での奉仕 農村部の主な例: 小作農 建設の日雇い・季節労働。道路建設、分譲地、居住地建設、 高層ビル建設、ダム建設、水道、電線などのインフラ建設 内職(被服、宝石、飾り、工芸品) 店舗、食堂での雑業 3 都市部のインフォーマル・セクター • インフォーマルセクターの要素 1.企業・雇用者との契約のない仕事 2. 保障されない仕事1:医療保険、生命保険、 年金が出ない仕事 3. 保障されない仕事2:労働時間数、休憩、給食、 交通費、住居などは保障のない労働。時給はなくて、 出来高給(でき高でお金をもらう) 4. 季節または他の時期でできる仕事(時間数として フルタイム仕事も含む)・兼業できる仕事 5. 雇用組織の構造内で昇進されることはない 4 都市部のインフォーマル・セクター • 女性の主なインフォーマルセクターの例 内職・衣料・建設・小作農・工芸品・個人店舗 (小売店)・電気器具(部品の組み立て) • 男性の主なインフォーマルセクターの例 運転と運輸・建設・小作農・個人店舗(小売店) 5 都市部のインフォーマル・セクター バンコクのインフォーマルセクターへの調査: 雇用構造とオーナー~労働者の関係に関する点 • 衣料品産業とその被雇用者(「源泉」) p37 • 既製服製造業・下請け(請け負い) • 「個人店舗」(既製服製造業)の「層」とその報酬: 1. 店の労働者の特徴 2. マネージメント~被雇用者との関係やお互いの期待 3. 設備の状態や対応 4. 賃金のスケール 6 都市部のインフォーマル・セクター 社会的関係の特徴:オーナー~従業員関係 • 既製服製造業の中の小関係:オーナー~お針子 • (店の)オーナーたち間の関係 • 店と役員の関係 7 都市部のインフォーマル・セクター (衣料品の)個人店舗のマーケット システム 輸出用衣料・マーケット用衣料 マーケット=全国の分配又は百貨店などの売るところ 1.仲介は大きな市場から布地を買う ⇒ お針子によるデザイン・ 仕上がりされる ⇒ 店舗 2. マーケットでの店は海外の会社から仲介を通して注文され ⇒ バイヤーと一緒に準備、梱包(荷造り)などする 3.大きいマーケット店はブランド品の注文を請け⇒製造業者に分け ⇒下請け(お針子)へ 8 経済状況によるデータの問題点と 先進国・途上国の差異 公式経済に載らない労働(インフォーマルセクター): インド(約80%)、タイ(63%)、ラオス(約80%) インド(個人店舗) タイ(内職) ラオス:小作農 9 経済状況によるデータの問題点と 先進国・途上国の差異 7.労働力・職場での男女「差別」 1.賃金差別 2.選択できる労働の質、職場の労働条件は 性別によって異なる 注意点:上記の2つの差別が、両性別にも見つかる。 例: 女性の低賃金、労働条件の具適切さ 男性の条件なしの重労働、危険な労働。 10
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