機能形態学Ⅰ 第2回 生命を考える 恒常性(ホメオスタシス)の維持、病気とは何か 本日の学習内容 1. 死とは何か(「生命とは何か」を逆説 的に考えてみる) 2. ホメオスタシス(恒常性)の維持 3. フィードバック調節 4. 体温のホメオスタシス 5. 体液のホメオスタシス 胃 肺 子宮 膀胱 心臓 etc. 原子 ↓ 分子 ↓ 細胞 ↓ 組織 ↓ 臓器(器官) ↓ 系 ↓ 動物個体 上皮 支持 筋 神経 消化器系 呼吸器系 生殖器系 泌尿器系 循環器系 etc. 原子 ↓ 分子 ↓ 細胞 ↓ 組織 ↓ 臓器(器官) ↓ 系 ↓ 動物個体 個体を維持するための 機能を有する 生命とは何か 生命のプロセス 1. 代謝 2. 反応性 3. 運動 4. 成長 5. 分化 6. 再生(増殖・生殖) 参考書 p7~ 原子 ↓ 分子 ↓ 細胞 ↓ 組織 ↓ 臓器(器官) ↓ 系 ↓ 動物個体 1. 代謝 2. 反応性 3. 運動 4. 成長 5. 分化 6. 再生(増殖・生殖) 死とは何か 三徴候説 呼吸の不可逆的停止 心臓の不可逆的停止 瞳孔拡散(対光反射の消失) 脳死説 脳幹を含む全脳の不可逆的機能喪失 (いわゆる脳死) 医療人は、「生命とは何か」について、 一生涯考え続けなければならない。 生命に対して決して妥協してはならない。 ホメオスタシス (恒常性)の維持 教科書 p13~ 参考書 p7~ 人の身体は、自らの体内の細胞を (その細胞自身の寿命が来る前に)壊し、 すぐに再生することで個体を維持し続けている 種々の環境因子により異常をきたした細胞も 当然速やかに破壊、再生される。 ホメオスタシス(恒常性) 破壊 再生 再生が破壊に追いつかない 機能や形態に異常をきたした 細胞が破壊されない 病気 死 再生 破壊 骨粗鬆症 ウイルス感染を基礎とする 炎症性疾患(肝炎など) 破壊 再生 がん POINT! フィードバック調節 教科書 p257~ 参考書 p8~ フィードバック調節機構 ある反応や系が原因となって生じた事象が、も との反応や系に影響をもたらすこと。抑制的に 働くネガティブフィードバック(NF)と促進的に働く ポジティブフィードバック(PF)とがあり、自動制 御の原理である。 生物では、ホメオスタシスを維持する重要な機 能である。 心拍数低下 刺激 NF 効果器 血圧上昇 圧受容器 調節中枢 PF NF NFの解除 体温のホメオスタシス 教科書 p18~ 測る場所によって体温が異なる?? 腋窩温(日本では最もポピュラー) < 舌下温(女性の基礎体温の測定など) < 鼓膜温(上手にやらないと誤差が出る) < 直腸温(動物、手術中など) POINT! 体液のホメオスタシス 教科書 p14~ 物質の移動 1. 拡散 2. 浸透 3. 能動輸送 4. 膜動輸送 教科書 p15~ 参考書 p47~ 1 拡散:濃度勾配に従う溶質の移動 チャネル(channel) Na+ 2 浸透:溶媒(水)の移動 0.9% 食塩水 溶血 3 能動輸送: 濃度勾配に逆らう 溶質の移動 エネルギー(ATP)を必要とする ナトリウムポンプ(Na+/K+ ATPase) 4 膜動輸送: 細胞膜が変形して 行われる輸送 ㊟ 教科書の間違い 血中pH 酸性 アシデミア アルカリ性 アルカレミア アシドーシス アルカローシス acidosis 酸 alkalosis アルカリ 血中pHを一定に保つはたらき (ホメオスタシス) 延髄には、血中のH+濃度やCO2濃度(正しくはCO2 分圧, pCO2)を感知する受容器(中枢化学受容器) が、大動脈弓または頸動脈壁には血中のH+濃度 (pH)、CO2濃度およびO2濃度(O2分圧, pO2)を感 知する受容器(末梢化学受容器)が存在している。 pCO2 上昇 呼吸促進 pH pO2 下降 pCO2 下降 呼吸抑制 pH pO2 上昇 アシドーシスが起こる原因のひとつ CO2の増加 H2CO3の生成 呼吸促進 換気障害(呼吸不全) 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ぜん息、 呼吸筋麻痺、肺水腫、間質性肺炎etc 呼吸性アシドーシス
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