白血球除去の意義 山形大学輸血部 田嶋克史 白血球除去の意義 血液製剤中の白血球による有害事象 【種類】 •非溶血性発熱反応 •同種抗体産生 •感染 •輸血関連急性肺障害 •保存障害 •その他:免疫修飾? よって製剤から白血球を除去する目的は上記有害 事象を予防することに他ならない 【各論】 • 同種抗体産生 同種白血球により抗HLA抗体が産生される。血小板表 面のHLA class 1抗原と反応して血小板輸血不応状態と なる • 感染(ウイルス、細菌、プリオン?) 白血球を介して伝播するウイルスに関しては予防効果 がある(CMV、HTLV-1、EBV、Yersinia enterocolitica、 プリオン?) • 保存障害 白血球の凝集塊、蛋白分解酵素による赤血球、血小板 障害、PH低下、ブドウ糖消費による血小板機能異常 【白血球除去の方法】 • 白血球をいつ除去するか? ① 保存前白血球除去(Prestorage leukocyte reduction: PreSLR) 血液採血後速やかに白血球を除去して保管、保存中に白 血球による問題は生じない、多くの点でPost SLRに比べ優 れている(現在我が国では濃厚血小板製剤のみ行われてい る) ② 保存後白血球除去(Post SLR) ベッドサイドで行われるが、保存中に残存白血球による有 害事象が生じうる 【白血球除去の品質保証】 • 1バッグ当たり白血球数を1-5 x 106個以下が基準 【白血球除去方法:2方法あり】 ①白血球除去フィルター 白血球除去フィルターの機序と性能 材質はポリエステル不織布、多孔質ポリウレタン、ふるい効 果と吸着効果で補足(白血球は赤血球よりも大きく変形能が 乏しいことを利用)、白血球除去効率は99.99%以上、血液回 収率85%以上 ②機械的白血球除去
© Copyright 2024 ExpyDoc