確率・統計Ⅰ 第3回 確率変数の独立性 / 確率変数の平均 ここです! 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 確率論とは 確率変数、確率分布 確率変数の独立性 / 確率変数の平均 確率変数の平均(続き)、確率変数の分散 確率変数の共分散、チェビシェフの不等式 ベルヌイ試行と二項分布 二項分布(続き)、幾何分布など 二項分布の近似、ポアソン分布、正規分布 正規分布とその性質 i.i.d.の和と大数の法則 中心極限定理 統計学の基礎1(母集団と標本、確率論との関係) 統計学の基礎2(正規分布を用いた推定・検定) 確率変数の独立性 / 確率変数の平均 1. 2つの確率変数の同時分布 2. 確率変数の独立性 3. 確率変数の平均の定義 4. 確率変数の平均の性質(1)(2)(3) 2つの確率変数の同時分布(離散 型) P( X = xi , Y = yk ) = rik y1 y2 y3 y4 x1 r 11 r 21 r 31 r 41 x2 r 12 r 22 r 32 r 42 x3 r 13 r 23 r 33 r 43 x4 r 14 r 24 r 34 r 44 … … … … … Y X 同時分布 … … … … … 2つの確率変数の同時分布(離散 型) P( X = xi ) = ai (Xだけの分布) P( Y = yi ) = bi (Yだけの分布) x2 r 12 r 22 r 32 r 42 x3 r 13 r 23 r 33 r 43 x4 r 14 r 24 r 34 r 44 … … … … 計 a1 a2 a3 a4 … 計 … b1 b2 b3 b4 … … … … y1 y2 y3 y4 x1 r 11 r 21 r 31 r 41 … X Y 周辺分布 … 1 連続確率変数の場合 同時分布密度 r(x, y) P(( X , Y ) D) r ( x, y )dxdy D X の分布密度 f (x) Y の分布密度 g (y) f ( x) r ( x, y)dy (周辺分布) (周辺分布) g ( y) r ( x, y)dx 確率変数の独立性 / 確率変数の平均 1. 2つの確率変数の同時分布 2. 確率変数の独立性 3. 確率変数の平均の定義 4. 確率変数の平均の性質(1)(2)(3) 2つの確率変数の独立(離散型) 確率変数 X, Y が独立 とは P( X = xi , Y = yk ) = P( X = xi ) P( Y = yk ) rik = ai・ bk 2つの確率変数の独立(離散型) X と Y が独立 の場合の分布表 x2 a 2b 1 a 2b 2 a 2b 3 a 2b 4 x3 a 3b 1 a 3b 2 a 3b 3 a 3b 4 x4 a 4b 1 a 4b 2 a 4b 3 a 4b 4 … … … … 計 a1 a2 a3 a4 … 計 … b1 b2 b3 b4 … … … … y1 y2 y3 y4 x1 a 1b 1 a 1b 2 a 1b 3 a 1b 4 … X Y … (n個の確率変数の独立) 確率変数 X1, X2, …, Xn が独立 とは P( Xi = xi , Xj = xj , …, Xk = xk ) = P( Xi = xi ) P( Xj = xj ) … P( Xk = xk ) が 任意の m 個 (≦n) に対して成り立つこと 連続確率変数の場合 XとYが独立 ⇔同時分布密度 r(x, y) = f (x) g(y) P(( X , Y ) D) f ( x) g ( y )dxdy D (周辺分布) f ( x) f ( x) g ( y)dy g ( y) f ( x) g ( y)dx 独立試行と数学定義 本質の抽出 偶然現象 (硬貨投げな ど) 実験と比較 × A(1回目が表)と 表の出る確率は1/2 B(2回目が表)は無関係 (偶然の中の法則性) (直観的事実) 直観 × 数学 定理・結論 (数学的結論) 証明 確率空間 P(A∩B)=P(A)P(B) (数学モデルにおける (数学モデル) 「独立」の定義) 確率変数の独立性 / 確率変数の平均 1. 2つの確率変数の同時分布 2. 確率変数の独立性 3. 確率変数の平均の定義 4. 確率変数の平均の性質(1)(2)(3) 離散型確率変数の平均 X の確率分布を P( X = xi ) = pi としよう。 X の平均 E(X) = x p i i 期待値の略 i 離散型確率変数の平均 X の平均 E(X) = x k P( X xk ) k 連続型確率変数の平均 E(X) = x P( X dx) x f ( x)dx 確率密度 確率変数の独立性 / 確率変数の平均 1. 2つの確率変数の同時分布 2. 確率変数の独立性 3. 確率変数の平均の定義 4. 確率変数の平均の性質(1)(2)(3) 平均の性質(1) 特に、 X の一次式で与えられる確率 変数の平均については、次の式が成 り立つ: E(aX b) aE( X ) b 平均の性質(1)の証明 X の確率分布を P( X = xi ) = pi としよう。 E(aX+b) = Σ(axi+b) pi = aΣxi pi + bΣpi = aE(X) + b 平均の性質(1) 例: サイコロを1回投げ、(出た目の数×2)-3 を Y とする。 Y の平均 E(Y) を求めよ。 Y -1 確率 1/6 1 3 5 7 9 1/6 1/6 1/6 1/6 1/6 を使わなくても、出た目X の平均 E(X)=3.5 を用いて E(Y ) E(2 X 3) 2E( X ) 3 3.5 2 3 4 平均の性質(2) 2つの確率変数 X と Y の和 X+Y の 平均について、次の式が成り立つ: E( X Y ) E( X ) E(Y ) 平均の性質(2) したがって、n個の確率変数 X1,…Xn の和 の平均については、 E( X1 X 2 X n ) E( X1 ) E ( X 2 ) E ( X n ) 平均の性質(2) 例: サイコロを10回投げ、出た目の数の和 を Y とす る。Y の平均 E(Y) を求めよ。 i 回目に出る目の値を Xi とすると、 E( Xi )=3.5 だから、 E(Y ) E( X1 X 2 X10 ) E( X1 ) E( X 2 ) E( X10 ) 3.5 10 35 平均の性質(2)の証明 2つの確率変数を同時に考える場合でも、 E(X) は X の分布 ai からΣxi ai のように 計算してよい。 x1 倍 x2 倍 x2 r 12 r 22 r 32 r 42 … = Σxi ai y1 y2 y3 y4 x1 r 11 r 21 r 31 r 41 … = Σxi Σrik X … E(X) = ΣΣxi rik Y 計 a1 a2 a1x1 … … … … … … a2x2 平均の性質(2)の証明 E(X+Y) = ΣΣ(xi+yk) rik = ΣΣxi rik + ΣΣyk rik = Σxi Σrik + Σyk Σrik = Σxi ai +Σyk bk = E(X) + E(Y) 平均の性質(3) X,Y が独立ならば E(XY) = E(X) E(Y) 証明 E(XY) = ΣΣ(xi yk) rik = ΣΣ xi yk ai bk = Σxi ai Σyk bk = E(X) E(Y) メニューに戻る メニューへ
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