「福井地震について」 02T3802E 大平 賢秀 1. 福井地震の概要 ■ はじめに 今から50年程前の1948年(昭和23年)6月28日16時13分(当時はサ マータイム制であり実時間は午後5時13分),福井県北部にある丸岡 町付近の直下を震源とするマグニチュド7.1の地震が発した.北は関 東甲信越地方から南は中国・四国地方の広い範囲で有感となり,主 な被害は福井県と石川県に発生した.震源が浅く沖積平野の直下に 発生した地震ということで,地震の規模に比べてその被害は極めて甚 大で,福井平野の中部と北部は壊滅的な状態となり最大震度6を記録 した.火災が主な原因で死者は3千人以上となり,全壊率が100%に 達する集落も多かった. 1. 福井地震の概要 ■ 地震のデータ 発生年月日 : 1948年(昭和23年) 6月28日 16時13分 震央地名 : 福井県北部(丸岡町付近) 震源位置 : 東経36.17度 北緯136.20度 深さ0km 震源規模 : M 7.1 断層 : 北北西-南南東 左横ずれ 1. 福井地震の概要 ■ 地震による被害を被ったビル 6階建 RC造のビル 1. 福井地震の概要 ■ 地震による被害(1) 人的被害 : 死亡者3769名 負傷者22203名 住家被害 : 全壊36184戸 半壊11816戸 液状化 : 福井平野河川流域で発生 津波 : 発生せず 火災 : 消失3851戸 山地崩壊 : 砂丘地帯で発生 1. 福井地震の概要 ■ 地震による被害(2) 道路施設被害: 650個所、599km 河川堤防被害: 126個所、140km 電力施設被害: 発電施設17 変電施設17 通信施設被害: 通信電話線7回線不通 ガス施設被害: 給水管9万9491m 上水道施設 : 送配給水管2304個所 下水道施設 : 施設希少かつ被害軽微 2. 福井地震後の建物に対する規制 ■ 福井地震以前の規制 1920年 : 市街地建物法施行 ↓ 関東大震災 1924年 : 市街地建物法改正 ■ 福井地震以後の規制 ↓ 福井地震 1950年 : 建築基準法制定 鋼構造計算規準制定 2. 福井地震後の建物に対する規制 ■ 福井地震が与えた建築基準法への影響 福井地震をきっかけに地震工学上の発展も多く,気象庁震度階には 震度7が制定され(兵庫県南部地震で初めて震度7を観測),SMAC型 強震計の制作や建築基準法に地域別の設計震度を導入する考えが 出された。 3. 福井地震の特徴 ■ 福井地震の特徴 福井地震の概要に掲載したRC造6階建のビルは、柱・梁の量が少な かったために柱が圧壊してしまっている。その他のビルでも半地下室 で類似の崩壊を示している物が見られる。その後、いくつも国内外の 地震でこの型の被害が起こっている。 木造家屋の全壊率は福井平野全域で 60%を越え,地域によっては 90%以上の所もあった.それに対し山地部では5~10%程度で平野部と 山地部で木造家屋の被害に明確な差が見られた 。 福井地震は、直下型地震であり、マグニチュードはさほど大きくはない が、大きな被害を出している。 3.福井地震の特徴 ■ 福井県の地形と活断層
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