1.情報文化の枠組み • 情報と文化 – 情報 – 文化 • 情報文化 – 文化情報 – 情報文化 2015/9/30 文化 culture • 社会を構成する人々によって習得・共有・伝 達される • 行動様式ないし生活様式 (習慣・様式・しきたり・習得された行動) • 価値観 • 精神的活動の成果物 • 言語・習俗・道徳・宗教・制度など • 個別文化は独自の価値を持つ 2015/9/30 2 文化の対象範囲 • 1 【生活/行動様式】 • 2【価値観】 – 社会を構成する人々によって習 得・共有・伝達される行動様式な いし生活様式の総体(その土地・ 社会の) – 習慣・様式・しきたり・習得された 行動 – 言語・道徳、習俗/慣習、制度/法 律、宗教など – それぞれの人間集団は個別の 文化を持ち、個別文化は独自の 価値観を持つ。意識・感性・関 心・価値観の基盤。 • 3【精神的活動の成果物】 – 芸術・音楽・文学・学問 • 4【文明】 civilization – 「人間の技術的・物質的所産」 から作られる精神的成果物 2015/9/30 3 文化の例 • 言語 – 思想・感情・意志などを互いに伝達しあうための社 会的に一定した組織をもつ、音声による記号とその 体系。あるいは伝達しあう行為。統治手段となる。 • 道徳 – ある社会で人々が善悪・正邪を判断し、正しく行為 するための規範の総称。 • 習俗(風俗/風習/ならわし) – ある社会内で習慣となった生活様式。 • 制度 – 国家・社会・団体を運営するための法や規則 – 社会的に公認され定型化されているきまりや慣習。 2015/9/30 日本語の文化 • 日本語の文化 • 日本語の文化は、英語の 習慣に相当することが多 ① 社会を構成する人々に い よって習得・共有・伝達さ – 食文化 れる行動様式ないし生活 • food culture 様式の総体。 • Food manner ② 世の中が開けて生活水 • Food habit 準が高まっている状態 • Food custom (注) – 情報文化 ③ 学問・芸術・宗教・道徳な • Information culture ど、主として精神的活動 • Information manner から生み出されたもの • Information habit 世界大百科事典,goo辞書 2015/9/30 5 英語の文化 Oxford Advanced Learner’s Dictionary ① 生活様式 個別の国やグループの習慣、信仰、芸術、生活様式、組織 の様式 the customs and beliefs, art, way of life and social organization of a particular country or group ② 信念/態度 特定のグループや組織で共有する信念や態度 the beliefs and attitudes that people in a particular group or organization share: ③ アート/音楽/文学 2015/9/30 グループとして考えられるアート、音楽、文学 art, music, literature, etc., thought of as a group 文化のとらえかた • 文化人類学からみた文化(生活/行動様式) – 文化または文明とは,知識,信仰,芸術,道徳,法律, 慣習その他,社会の成員としての人間によって獲得さ れたあらゆる能力や慣習の複合総体である (E.B.タイ ラー,原始文化,1871) • 社会学からみた現代における文化 – 文化とは何かと問うことよりも,文化は社会のなかでい かなる作用や機能を果たしているかが問題とされる。 – 現代の機能合理性的な価値を前提とした社会における 文化は,社会構造から乖離 (かいり) してきていること。 – 地域社会の変容とインターネットコミュニティ 2015/9/30 7 情報 information • 情報行動から得られるもの • 習慣、事実、経験から習得する • 知識/認識 • コミュニケーション • 情報の持つ意味 • 知らせること • ニュース、報道、話など告げられること • マスメディア • 情報技術の扱う対象 • インターネット,Web • コンピュータに蓄積し検索できるデータ • 通信によって伝達される内容 2015/9/30 8 情報の語源 • 英語のインフォメーション(Information)が語源 – Informationの語源はラテン語のインフォマーレInformare (形づくる,形式)から派生した名詞形(対格) – Infomare(動詞)→informatio(名詞)→informationem – 14世紀後期 (ルネサンス, 室町) • もともと「形の定かでないものや形になる以前の状 態のものに形を(対格)与える」ことを意味する – 情報とは、知識や認識そのものをいうのではなく、それに 形を与える材料や素材を意味する – 日本科学技術情報センター、1995 • 情報社会 9 • 日本語にない informationの意味 – 案内 i – 訴訟、告訴状 • リテラシー – 日本語:Literacy能力、読み書きの能力 – 英語:literate(形容詞/名詞) • 読み書きのできる状態(人) 2015/9/30 情報の対象範囲 1【情報行動に関する】 – 習慣/事実/経験から習 得する知識・認識 – コミュニケーション 2【情報の持つ意味】 – 知らせること – ニュース、報道、話など 告げられること, 知らせ – マスメディア 3【情報技術の扱う対象】 – コンピュータに蓄積し 検索できるデータ – 通信により伝達される 内容 4 形を与えるもの 2015/9/30 11 情報文化 情報技術が文化にどのような影響を与えているか 社会(文化) 情 報 通 信 技 術 視点2:コミュニティの変化とグ ローバル化 個人 視点1 情報技術 による行 動様式の 変化 人間の情報行動 –コミュニケーション –情報伝達・メディア -意志・判断 個人の生活 –多量の情報流通 2015/9/30 視点3 情報行動 とアイデ ンティ ティ グローバル化 ・文化の画一化 ・機能社会 ・社会の分断 地域化 ・地域の価値観(言語、 道徳、宗教、制度) ・社会の行動様式・生 活様式(言語、道徳、 宗教、制度、習慣、様 式、しきたり) ・個人の意識・感性・ 関心・価値観 視点1情報技術による行動様式の変化 1~5回 • 情報技術の進展により新たに作られる社会様式/行 動様式と,その様式に向き合う人の態度 • 情報技術/情報通信技術 – IT/ICT(Information and Communication Technology) – コンピュータ、インターネット、携帯電話 • 情報の価値と影響力 – 情報は人間とともに存在してきた – 情報技術の発展により情報の価値が飛躍的に増大 • 情報通信技術が社会や人に大きな変化を与える – 新しい行動様式・生活様式の誕生 – 利便性・効率化などの様式 2015/9/30 具体事例 • 書類 – 手書きからワープロへ • 音声通話 – 固定電話から携帯電話へ • Webサイトの閲覧 – パソコンから携帯そしてスマートフォンへ • 買い物 – 小売店からネットショッピングへ • 通信 – メール(郵便)からe-メールへ • 連絡 – 電話からメールへ 2015/9/30 視点1 新しい行動様式/生活様式 1. 利便性の追求 2. 効率化の追求 3. 時空間の拡大 4. 容易な情報発信 5. 膨大な情報利用 6. 人間関係の希薄化 7. 脳機能の拡大 8. 選択行動 9. 生涯学習 10. 考える時間の増加 2015/9/30 11.思考・情報の断片化 12. ランキング情報の利用 13. 膨大な情報利用 14. 外付け脳 15. 遠隔双方向コミュニケー ション 16. 知識基盤社会 17. メディアの多様化 18. 情報共有/集合知 19. 監視社会 20. 管理社会(IDカード) 21. 電子政府 視点2:コミュニティの変化とグローバル化 6-10回 • 機能社会の進展 – 地域コミュニティーの衰退と機能社会の増大 – インターネットコミュニティの出現 • グローバル化の実現 – 経済・政治・文化のグローバル化の進展 – 情報技術の発展と組織・企業活動の変化 • グローバル化と地域/社会の分断 – 分断と地域化の進行 – 文化(地域の社会様式や地域の価値観)への影響 2015/9/30 16 機能合理性的な価値を前提とした社会 における文化 – インターネットコミュニティ • 情報技術の進展により登場したインター ネットコミュニティにおける新しい行動様 式 5-6回 – グローバル社会における文化 7-10回 • 情報技術が実現したグローバル社会におけ る文化の画一化・均質化・平準化 • 情報伝達言語としての英語の存在感の増大 と、英語の文化への影響 – 社会構造と文化のかい離 2015/9/30 17 視点3 情報行動とアイデンティティ 11-15回 • 自己のアイデンティティの確認 – 個人アイデンティティと社会アイデンティティ – 多文化の尊重 – 地域(日本社会)の理解 • 情報行動の重要性の理解 – ルールの順守(内部統制) – 倫理に外れない行動(コンプライアンス) – 知識ベース社会の認識 2015/9/30 講義の目的(再確認) • 視点1情報技術による行動様式の変化 • コンピュータを中心とした情報通信技術の発展が、社会様式 や生活様式に大きな変化を与えている。 – 目的:情報技術が実現した新しい行動様式は利便性を 優先している。価値の創造や自己実現に結びつけるため の態度について考察する。 • 視点2:コミュニティの変化とグローバル化 • 情報技術がインターネットコミュニティやグローバル化を実現 し、その結果として民族、国民、社会、組織の様式に対し影 響を与えている。 – 目的:地域社会構造の変化を認識し、文化の均質化と社 会の分断が進行している現状を把握する。 • 視点3 情報行動とアイデンティティ – 目的:個人が情報化とグローバル化に対応するためには、 ルールを尊重した情報行動と自己のアイデンティティの 2015/9/30確認が重要であることを理解する <成績評価法> • 学期末に行う筆記試験で評価する。 • 学期末に行う筆記試験は、3分野から1問づつ、 計3問出題する。 • 視点1情報技術による行動様式の変化 • 30% • 視点2:コミュニティの変化とグローバル化 • 30% • 視点3 情報行動とアイデンティティ • 40% • 1/3以上欠席した場合評価の対象としない • 配布資料 http://www.nuis.ac.jp/~takagi/ • 前年度文も全てUPしています。予習に使用してください。 2015/9/30 演習問題 • 英語の文化の意味に含まれないものを選 択せよ。 • 日本語の文化の意味に含まれないものを 選択せよ。 ①個別の国の習慣 ②個別の国の生活様式, ③世の中が開けて生活水準が高まっている状態 ④特定の組織で共有する信念 ⑤特定の地域の音楽 2015/9/30
© Copyright 2025 ExpyDoc