情報科教育法 第9章 コラボレーションとプレゼンテーション による

情報科教育法 第9章
コラボレーションとプレゼンテーション
によるグループ学習
2005/9/29
知識情報工学専攻
033729 平野幸児
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第9章の内容
 コラボレーションプロジェクトの必要性
 プレゼンテーションの必要性
 授業・特別活動に対するコラボレーションの位
置付け
 いくつかの事例
 プロジェクトの評価
 ポートフォリオ
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コラボレーションとは?
 コラボレーション:「何人かでチームを組み、あ
る決まった目標に対して取り組む作業」
 著者によるコラボレーションの定義
1.
2.
3.
4.
複数の人間による活動のこと
達成すべき共通の到達目標があること
到達目標には「よりよい」という条件が付くこと
到達目標は構成員による意志決定の過程を経て
達成されること
5. 各々の構成員が役割分担と責任意識を持てること
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学校教育におけるコラボレーションの動き
 コラボレーションを強く教育に位置づける動き
 きっかけは、情報通信技術(特にインターネッ
ト)の発達
↓
 他校・他国との交流や有識者への問い合わせ
などの活動を授業に取り入れる
 電子メール
 テレビ電話
 Webページ
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日本人に欠けていると言われている力
 「日本人は3Sである」




Sleep:「会議中寝ている」
Smile:「質問しても笑ってごまかす」
Slow:「行動や判断が遅い」
「国際会議の議長にとって最も難しい仕事は、日
本人を喋らせる事と、インド人を黙らせる事だ」
 急激な情報化・国際化の変化の中で、「日本
人に欠けていると言われている力」がますま
す必要になっている
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コラボレーションの必要性
 日本人に欠けていると言われている力の育成
 国籍を問わずいろいろな人と協調し、意志決定で
きる力
 自分の役割や行動への責任意識
 自分の意見を主張し、他人を説得できる力
 著者の示したコラボレーションの定義は、上記
の力の育成に添っている
↓
コラボレーションの必要性
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プレゼンテーションとは?
 プレゼンテーション:「資料を提示しながら行う
わかりやすい発表・報告」
 著者によるプレゼンテーションの定義
1. 資料と人声を併用した報告・発表形態であること
2. 聴衆を説得・納得させるためのものであること
3. 資料はできるだけ客観的なものでなくてはならな
いこと
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学校教育におけるプレゼンテーションの動き
 これまでは「授業ですべての生徒に修得させるも
の」とは考えられなかった
↓
 近年、二つの理由からプレゼンテーションを重視
 プレゼンテーションソフトの普及による、簡単で効果
的な資料提供
 成果物の発表手段としての位置づけ
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プレゼンテーションの必要性
 「自分の意見を主張し、他人を説得できる力」
の養成
 コラボレーションとセットにし、定期的な行事と
して位置づける
→ 学校生活に能動性と活気が出てくる
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普通教科「情報」における展開
 三つの科目それぞれの「切り口」に添った実習と
してのコラボレーションやプレゼンテーション
 「アプリケーションソフト理解のための実習」ではなく、
「実習をするため(道具として)のアプリケーションソフ
ト」
 例:プレゼンテーションソフトで自己紹介をさせる
 アニメーションなどのしかけが豊富で実習が楽しい
 打ち込むテキスト量が少ない
 文字加工などの基礎的な技術を知ることができる
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「総合的な学習」における展開
 基礎的な知識を述べる講義とコラボレーション
との併用
 成果のプレゼンテーションや生徒による評価
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その他の授業、特別活動における展開
 授業進行や教具に多様性をもたせる点におい
てコラボレーションは有効
 能動的な調査研究への姿勢の育成
 多様な授業展開で、生徒にとって印象的
 ホームルームやクラブ活動などの特別活動へ
の取り入れ
 自分たちで成果をつくり、発表することで学校の
活性化やアイデンティティの自覚につながる
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留意すべき点 (1/6)
(1) 成果の発表・評価の場をつくること
 やりっぱなしはよくない
 コンクール形式にすると具体的な目標ができる
 努力過程や役割分担、成果のよしあしを評価する
システムが必要
 「教員が生徒を」だけでなく、「生徒どうし」、「生徒
がプロジェクト自体を」、「教員がプロジェクト自体
を」評価する
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留意すべき点 (2/6)
(2) いろいろな規模のコラボレーションの併用
1. 校内規模のものと校外と行うものをうまく組み合
わせる
2. 1~2か月間の短期的なものと半年~数年の長期
的なものを平行させる
3. いろいろなコラボレーションのメニューを用意し、
生徒がそのなかから選択できるようにするとなお
よい
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留意すべき点 (3/6)
(3) コラボレーションにおける作業進行、役割
分担、責任意識のイメージをもたせること
 コラボレーションの経験が全くないものもいる
→ 事前にコラボレーション自体についてや望む姿
勢を教える
 最中にそれとなく各チームの進行状況を把握し、
アドバイスする配慮が必要
 各担当教員との打ち合わせのためのメーリングリ
スト
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留意すべき点 (4/6)
(4) プレゼンテーションの目的と技術をあらかじ
め教えておくこと
 よいプレゼンテーションを行うには、それなりの技
術が必要
 しかし、生徒たちにはプレゼンテーションを行う機
会が少なかったので、技術が身に付いていない
 いろいろな機会を利用して修得させるチャンスを
増やしていこう
 生徒に指導すべきプレゼンテーションの留意点
→ 教科書p.88~89、p.100~101
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留意すべき点 (5/6)
(5) コラボレーションへの誤解を解く
 コラボレーションやプレゼンテーションでは「人対
人の議論のための技術」、「正確に伝え、正確に
聞き取る姿勢」を身に付けさせることが重要
 しかし、実際はこれらの基本を修得させないまま、
いきなり授業でやらされる
 コラボレーション = インターネット、プレゼンテー
ション = PowerPointという短絡的な誤解
 不健全な動きを健全な方向へ修正、発展させる必
要がある
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留意すべき点 (6/6)
(6) 教員の創造性と意欲
 コラボレーションでは、プロジェクトの検討や途中の
指導など、教員に多大の負担を強いる
 負担が大きい分、教員・生徒双方にとって得られる
達成感や経験は大きい
 よいプロジェクトをつくるためには、斬新なアイディア
と実施に向けての綿密な検討が必要
 アンテナを敏感にして、常にアイディアを考えておく
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いくつかの事例
 コラボレーションプロジェクト創造に必要な三
つのイメージ
 目的:「なぜ行うのか」
 方法:「どうやって行うのか」
 経験:「なにが得られるのか」
 成果が「作品」として形に残るものの方が生徒
の意欲が高まりやすい
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コンテスト化されている社会的評価が高く
有名なもの
 MESE
(Management Economic Simulation Exercise)
 エコペンという架空の万年筆を製造する会社をチー
ムで運営する、企業経営シミュレーション
 CYBERという、webページを使ったコンテストもある
 ThinkQuest
 世界規模のweb教材開発コンテスト
 世界中の中高生2~3人と1~3人のコーチが一つ
のチームを組み、他の生徒たちにも使えるような教
材 Webページを制作し、その出来映えを競う
 日本語ベースのThinkQuest@JAPANもある
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小規模プロジェクトの例
 学校webページへの参加
 授業、部活動、生徒会などのさまざまなコンテンツ
作りに参加
 例:受験生や訪問客向けに学校周辺の地図づくり
 歴史新聞・歴史号外の発行
 歴史上の一つの事件を取りあげ、生徒なりのユ
ニークな視点で事件を捉える
 適切な画像や記事をどうレイアウトするのか、メ
ディアリテラシー教材として有効
 架空の会社の製品広告やポスターなどの作成
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大規模プロジェクトの例
 広島大学附属福山中学・高等学校の「酸性雨
調査プロジェクト」
 広島大学のバックアップと全国40校の協力で行っ
た、全国規模の雨水の酸性度調査
 インターネットを利用したデータの送受信
 測定マニュアルやデータフォーマットの整備
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プロジェクトの評価
 プロジェクト自体を評価・反省し、次回に活かす
 評価・反省の材料として、プロジェクトごとにノー
トをつくり、気づいたことやトラブルをメモしておく
 学外とのプロジェクトでは、教員間でも評価を交
換する
 生徒側の評価のアンケートを取る
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ポートフォリオ(portfolio)
 学習物(作文やレポートなど)を適宜残してお
き、学習段階の区切りや学習の最後に、自己
評価・総合評価を行う評価方法
 自分のやってきたことをデータとして残し、ど
のようにして知識やスキルアップを図ったのか
を評価させる
 参考リンク:ポートフォリオQ&A
URL:http://homepage1.nifty.com/bb-kenji/port-qa.html
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