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慶應義塾大学商学部里村研究会
耐久財
伊藤 稔 犬塚 智 金 東敏
報告の流れ
はじめに
現状分析
仮説
アンケート調査
検証
結論
はじめ
に
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
電気自動車に関して
電気自動車とは動力源にエンジンやディーゼルなどの内
燃機関を用いずに、バッテリーに蓄電した電力でモーター
を回転させることで走行する自動車である。
利点

1.排気ガスを一切排出しない。
2.振動や騒音が少なく、
発進がスムーズ。
3.ランニングコストが安い。

課題
1.航続可能距離が短い。
2.充電に時間がかかる。
3.車両価格が高い。
4.充電インフラ整備が不十分。
はじめ
に
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
電気自動車を取り巻く環境
結論
はじめ
に
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
電気自動車の市場規模
(兆円)
9兆4800億
10
9
8
7
6
2
5
10年で約40倍
4
1
3
2
1
2700億
2010
2012
2014
2016
2018
2020
(年)
はじめ
に
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
研究の意義・目的
電気自動車について紐解こう!!
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
消費者意識調査の考察(1)
あなたにとって自動車とはどのようなものですか?
また、かつて(10年ほど前)はどのようなものでしたか?
自動車は、「単なる移動手段、道具」としての傾向にある。
出典:「電気自動車に対する消費者の意識調査報告書」デロイトトーマツコンサルティング株式会社
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
消費者意識調査の考察(2)
電気自動車に対するイメージに
当てはまるものは何ですか?
電気自動車は、
「高価で環境に優しい」
仮に今すぐに購入できるとしたら、
電気自動車を購入候補に入れますか?
電気自動車の潜在的購買者は、
「イノベーター」、「エコ先進
派」
出典:「電気自動車に対する消費者の意識調査報告書」デロイトトーマツコンサルティング株式会社
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
消費者意識調査考察のまとめ
考察(1)より、
考察(2)より、
自動車へのこだわりが低下している。
電気自動車購買に前向きな層。
車への低関心
エコ先進派
「車関与度」と「エコ関与度」は、
電気自動車購買に影響を及ぼすと仮定する。
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
仮説提唱
車関与度
仮説1
EV購買意
図
エコ関与度
仮説2
仮説1.「車関与度」は、「EV購買意図」に正の影響を与える。
仮説2.「
」は、「EV購買意図」に正の影響を与える。
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
アンケート調査
【目的】
【項目】
【対象】
【時期】
【方法】
提唱した仮説を検証するためのデータ収集。
「車」、「エコ」への関与度を図ることができるもの。
18歳以上(大学生以上)
10月28日(木)〜11月17日(水) 計)21日間
インターネット上のサービスを利用。
【質問項目の例】
「自動車に関する知識がある」
「省エネ・節電に配慮している」
「新しく発売した物をすぐに買う」
<リッカート法採用>
[全く当てはまる][当てはまる][どちらとも
言えない]
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
検証方法
因子分析
二項ロジスティック分析
共通性
購買影響度
検証結果
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
因子分析
定義
因子分析とは、観測された変数への影
響を及ぼす、もしくは隠れている共通因
子を探すことに目的がある。そして、変
数間の相関関係を利用して因子を把握
できる。
よって、特定の変数間の共通性や構造
を推定することができる。
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
因子分析
分析方法
アンケートを実施した項目の中で必要な連
続型データ変数だけを選定し、主成分分析を
利用した。理論上ではその構造が成立されて
なく、データの基本構造が知られていないため、
探索的因子分析を行った。
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
因子分析結果(1)
こだわり
燃費
必要
知識
環境配慮
責任
CO2排出抑制
外観
ブランド・車種
省エネ・節電
高額でも環境配慮
生産過程
因子抽出法:主成分分析
固有値:1以上
結論
はじめに
現状分析
アンケート
調査
仮説
検証
結論
因子分析結果(2)
エコ関与度
(高)
エコカートライアー= 因子4
因子2=エコカーサポーター
(高)
(低)
エコカーニッチ= 因子3
(低)
車
関
与
度
因子1=ノンエコカー
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
二項ロジスティック回帰分析
定義
回帰分析は独立変数と従属変数が
連続的な量的データで構成されてい
る場合に利用する。
従属変数が範疇型である場合は、
従属変数を1つ以上の独立変数の
間に相関関係を説明す統計的方法。
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
二項ロジスティック回帰分析
分析方法
車関与度とエコ関与度を構成するすべての
項目を独立変数といれ、購買有無を従属変
数にいれ、
各項目が購買に与える影響力を分析した。
そして、影響力が強い項目を変数増加方を
使って検出し、順位付けをした。
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
二項ロジスティック回帰分析結果(1)
EXP(B) の 95% 信頼区
間
ステップ 1a
B
標準誤差
Wald
自由度
有意確率
Exp(B)
下限
上限
q1
.073
.256
.082
1
.775
1.076
.651
1.778
q2
-.198
.261
.577
1
.447
.820
.492
1.367
q3
-.034
.213
.025
1
.874
.967
.636
1.469
q4
-.263
.240
1.201
1
.273
.769
.480
1.230
q6
-.544
.249
4.761
1
.029
.580
.356
.946
q7
-.095
.240
.157
1
.692
.909
.568
1.456
q9
.341
.224
2.311
1
.128
1.406
.906
2.182
q10
.549
.243
5.118
1
.024
1.732
1.076
2.787
q11
.283
.241
1.377
1
.241
1.327
.827
2.129
q12
.448
.241
3.460
1
.063
1.565
.976
2.510
q13
.273
.253
1.164
1
.281
1.314
.800
2.160
q14
.305
.242
1.588
1
.208
1.356
.844
2.178
定数
-3.649
1.742
4.389
1
.036
.026
a. ステップ 1: 投入された変数 q1, q2, q3, q4, q6, q7, q9, q10, q11, q12, q13, q14
「車関与度」は、「EV購買意図」に負の影響を与える。
「エコ関与度」は、「EV購買意図」に正の影響を与える。
はじめに
現状分析
アンケート
調査
仮説
検証
結論
購買に最も強く影響する項目
EXP(B) の 95% 信頼区間
ステップ 1a
ステップ 2b
ステップ 3c
B
標準誤差
Wald
自由度
有意確率
Exp(B)
下限
上限
q10
.554
.188
8.666
1
.003
1.740
1.203
2.517
定数
-2.059
.603
11.659
1
.001
.128
q10
.550
.196
7.872
1
.005
1.733
1.180
2.544
q14
.531
.196
7.388
1
.007
1.701
1.160
2.496
定数
-3.635
.898
16.374
1
.000
.026
q10
.505
.201
6.286
1
.012
1.657
1.117
2.459
q13
.417
.206
4.092
1
.043
1.517
1.013
2.271
q14
.478
.202
5.611
1
.018
1.613
1.086
2.395
定数
-4.474
1.041
18.474
1
.000
.011
影響力の強い項目は?
a. ステップ 1: 投入された変数 q10
b. ステップ 2: 投入された変数 q14
c. ステップ 3: 投入された変数 q13
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
二項ロジスティック回帰分析結果(2)
正の影響が強い項目
負の影響が強い項目
Q.10「高額でも環境配慮」
Q.6「燃費」
Q.14「責任」
Q.2,3,4,5,7
「車関与度関連項目」
Q.13「生産過程」
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
結論
「車関与度」は、「EV購買意図」に負の影響を与える。
「エコ関与度」は、「EV購買意図」に正の影響を与える。
「EV購買意図」に一番強い影響を与える項目は、
“高額でも環境配慮した製品”である。
はじめに
現状分析
仮説
アンケート
調査
検証
結論
新提案
提案1
消費者に対して、
EVは、“環境に配慮した省エネ製品”
であることを強調するのが効果的である。
提案2
EVの価格は既存車と比較して、
“高価格に設定”
にすることが効果的である。
参考文献
古川一郎、守口剛、阿部誠 『マーケティングサイエンス入門』 有斐閣アルマ
西村卓夫、西村友二郎 『SPSSでやさしく学ぶ統計解析』 西村卓夫、西村友二郎著
御堀直嗣 [2010年] 『知らなきゃヤバイ!電気自動車は新たな市場をつくれるか』 日刊工業
新聞社
根岸敏雄 [2006年] 『石油の生産量はピークにきたのか?』 幸書房
田中洋 [2008 ] 『消費者行動論体系』 中央経済社
三菱自動車ホームページ http://www.mitsubishi-motors.co.jp/reference/newmodelfaq/imiev/4-1.html
“いま”のクルマにレスポンス!esponse http://response.jp/article/2010/05/11/140237.html
プレジデントロイター http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-17990120101104
デロイトトーマツ株式会社 2010 『電気自動車に対する消費者意識調査報告』
参考資料(アンケート項目)
全く当てはまらない 当てはまらない どちらともいえない 当てはまる 全く当てはまる
Q1車へのこだわりが強い
Q2車に関する知識がかなりある
Q3車は生活に欠かせない
Q4車は生活を便利にする道具でしかない
Q5車の外観にこだわりが強い
Q6燃費のいい車に乗りたい
Q7車のブランド・車種にこだわりがある
Q8好きな車を列挙してください
Q9車を購入する際にどうやって車の情報を得ますか
Q10環境に配慮した生活を送りたい
Q11多少高くても環境に配慮した商品を選びたい
Q12省エネ・節電に配慮している
Q13CO2の排出を抑制するなど地球への影響を抑える配慮をしている
Q14製造の際に環境に配慮した製品を選ぶ
Q15環境問題の責任は一人ひとりにある
①インターネット②雑誌③自動車各社のお店に行く④中古車ショップに行く
⑤家族・知人などに聞く⑥その他
参考資料(石油可採年数・枯渇年数)
出典:財団法人中東協力センターHP
参考資料(電気自動車の性能)
・充電時間
普通充電 AC200V(15A) 約7時間(満充電)
AC100V(15A) 約14時間(満充電)
急速充電 三相200V 50Kw 約30分(80%充電)
・充電にかかる電気代
約400~500円
・走行距離
満充電で約160キロ走行可能
出典:三菱自動車公式HP