協力活動中間報告

協力活動中間報告
15-1 コンピュータ技術 ティピタパ
奥井 雅一
活動概要
2003年9月~12月

CTEプロジェクトの遅延とProyecto del Medio Barril
2004年1月~2月

“援助の重複”と要請内容の“消失”

活動意欲の喪失
2004年3月~7月

隊員支援経費によるコンピュータの整備と新ラボ
ラトリの開設
配属先
INAT(Instituto Nacional Autónomo de TIPITAPA)
生徒数約1,500人の公立中等教育校
2003年8月29日着任
要請内容
INATのコンピュータ授業の変遷
2001年からコンピュータの授業を実施



同校独自のプロジェクト:20台のコンピュータ
すべての学年が対象
週2時間実習・週2時間理論授業
2002年7月、CTEプロジェクト指定校に

「同プロジェクト開始時点で他の情報教育分野に
おけるプロジェクトがないこと」
~2004年1月までコンピュータの整備が遅延

週2時間の理論授業のみ
CTEプロジェクトとは?
Centro Tecnológico Educativo の略
MECDとBID(中米開発銀行)の【教育改革プログラム】
の一部
全国65校のPrimaria と SecundariaにCTEを設置
し、コンピュータを20台整備(ネットワークも含む)
各校にラボ責任者も配備(2003年9月着任)
初期費用と最初の1年間のCTE維持費用(ラボ責任
者の人件費・電気代など)を国が負担
コンピュータの整備が一年半遅延
Proyecto del Medio Barril
コンピュータの整備遅延により、コンピュータ
技術隊員としての活動不能
“何かをしたい”→ごみ問題に取り組む
生徒から募金を集める

自助努力

C$ 1,600-.

Medio Barril 14個
CTEの整備
2004年1月コンピュータ20台が設置される

19台のクライアント機(米国HP社製)
OS:Windows XP Profesional
CPU:Pentium IV 2.4GHz, HD:40GB, RAM:256MB
うち2台にはCD-R搭載

1台のサーバ機(米国HP社製)
OS:Windows 2003
CPU:Pentium IV 2.6GHz, HD:80GB, RAM:512MB
うち2台にはCD-R搭載

ドットインパクトプリンタ・スキャナ・LAN
参考資料:CTEの写真
CTEプロジェクトの実態
次第に同プロジェクトの実像が明らかになる

コンピュータの授業を持たない学校を想定

対象学年は一部の学生(4・5年生)のみ

CTEは通常授業とは切り離されて機能

ラボ責任者の役割が隊員とほぼ同等

中央オフィス無許可のコンピュータの目的外使用
は不可能
CTEの問題点
1. 通常のコンピュータの授業ではCTEのコン
ピュータを利用できない



通常授業から切り離されている
INATのコンピュータの先生(CP)が自分の授業
にコンピュータを使用できない
コンピュータのクラスは理論授業のみ
2. ラボ責任者の役割が協力隊員とほぼ同等

要請内容の消失

自己の存在意義を失う
CTEの問題点②
3. 中央オフィス無許可のコンピュータの目的
外使用は不可能

隊員活動にCTEのコンピュータを利用すること
ができない
隊員とコンピュータ科の教師2名にとっては・・・
現状の打破策を模索
現状を調整員に相談


年初に担当調整員が配属先を訪問、問題を認識
任地変更の検討を依頼するも、適当な任地が見
つからず
他の隊員の活動を見学


他のコンピュータ隊員やコンピュータにかかわる
活動をしている隊員の職場を見学
任地探し・解決策探し
新ラボラトリプロジェクト
3月に学校側より提案を受ける

通常の授業で利用できるコンピュータの購入

約1,400㌦の購入資金で十数台

隊員の活動場所の提供
JICA側に隊員支援経費による援助を打診

隊員支援経費による購入支援

3月中旬に仮申請書を提出(2,600㌦)

4月中旬に基本的に支援経費が内定
新ラボラトリプロジェクトの内容
目的


通常授業へのコンピュータ実践学習時間の導入
隊員活動場所の確保
詳細

中古パソコン18台の購入( 1台217㌦)
Pentium III 550 MHz, HD 4.0GB, 128MB RAM



初期総費用US$4,000-.
INAT:1,400㌦/JICA:2,800㌦強
ラボラトリの整備→INATの負担
教室・机・椅子・エアコンの整備(総費用約C$ 4,000 )
新ラボラトリオ開設までの流れ
4月末:隊員支援経費申請書提出
5月上旬:隊員支援経費の申請が承認
5月下旬:コンピュータ発注・支払い
6月上旬:納品(納品完了は下旬まで延びる)
7月~:授業開始
CTEとの連携協調の試み
CTEとの連携を想定


4・5年生:CTEにより週4時間実践
→理論のみの通常コンピュータ授業を廃止
1~3年生:新ラボラトリにより週2時間実践
→通常コンピュータ授業(理論)も週2時間
pero
CTEプロジェクトの方針転換

4・5年生対象→全学年を対象。(しかし、キャパ
が足りないため、各学年より対象者を選定)
CTEとの協調における問題点
新ラボラトリの趣旨説明と協調依頼



CTEプロジェクト中央オフィスを訪問
特例としてINATのみ方針転換の撤回を依頼
CTE側:協調の意味を履き違える
新ラボラトリをCTEを補完するものと理解しようとした。
(CTEカリキュラム下に置く)

CTEとの連携をあきらめる。
CTE対象外の生徒に新ラボラトリによる授業

全生徒の4割強が2時間実践+2時間理論
→同じ学年にいながら、クラスによって授業体系が異
なるという状態に。
今後の展望と課題
今年度でCTEの政府の財政支援が終了


学校側に管理運営が完全に移管?
運営方法の自由度が増す?
C/Pやその他希望者に対する研修の実施


HTML研修の実施(8月~)
プログラミング基礎研修の実施(8月~)
日本文化紹介


10月の学園祭にて日本文化紹介の実施を検討
希望者に対する日本語の授業(8月~)
総論
現在、活動は非常に充実している。しかし・・・
問題の原因の追究と防止策の検討について



そもそもなぜ援助の重複が発生したか?
絶対比較:全校生徒1500人に38台→少ない
相対比較:支援経費+人材(隊員)は別の場所に
“投入”したほうが効果がある?
個人的反省

言語のアドバンテージがありながら、それを生か
せず時間を無駄にしてしまった。