内閣情報局設置法案の概要 Outline of the Cabinet Intelligence Bureau SFC模範議会2009 平成21年5月版 新組織設置のイメージ 内閣情報局 J A P A N 公安調査庁 内閣情報調査室 その他の省庁 現行組織概念図 内閣総理大臣 閣内 内閣官房長官 省 危機管理監 官房副長官 内閣情報官 官房副長官補 内閣情報調査室 法 務 公 安 調 査 庁 省 外 務 在 外 公 館 省 防 衛 庁 警 察 都 道 府 県 警 察 現状の問題点 1) 内閣情報調査室の人員不足(170名程度) ・能 力不足(寄り合い所帯)。 2) 省庁毎の縦割り行政の弊害で、情報がタテ(内 閣)にもヨコ(他省庁)にも行き渡らない。情報流 出への警戒感も強い(特に政治家による)。 3) 内閣情報官の位置づけが内閣官房長官の下 の下にあり、しかもその長官の職務が多忙にな りすぎている。 現行組織概念図 内閣総理大臣 閣内 内閣官房長官 省 危機管理監 官房副長官 内閣情報官 官房副長官補 内閣情報調査室 ポ政 イ府 ン情 ト報 がの 不集 明約 法 務 公 安 調 査 庁 省 外 務 在 外 公 館 省 防 衛 庁 警 察 都 道 府 県 警 察 内閣情報局の新設 分析・評価情報を内閣へ 内閣総理大臣 閣内 内閣官房長官 危機管理監 官房副長官 内 閣 情 報 局 省 法 務 省 外 務 官房副長官補 政府情報の一極集約 在 外 公 館 省 防 衛 庁 警 察 都 道 府 県 警 察 内閣情報局組織図 Organization Chart 長 官 次 長 次 長 ( 防カ ウ 諜ン ) セタ ンー タイ ーン テ リ ジ ェ ン ス 内 閣 情 報 集 約 セ ン タ ー 総 合 情 報 調 査 研 修 所 内 閣 衛 星 情 報 セ ン タ ー 長 官 総 務 室 第 一 部 ( 国 内 部 ) 第 二 部 ( 国 際 部 ) 第 三 部 ( 経 済 部 ) 第 四 部 ( 公 安 調 査 部 ) 地 方 調 査 局 内閣情報局長官 Director of Cabinet Intelligence 情報局の長。官職の格は、法制局長官・官房副 長官と同じく副大臣級・認証官。閣議への出席者 とする。 従来の情報官(事務次官級)よりも格上で、官房 副長官・危機管理監と対等の地位で情報収集・ 分析・調査にあたる。 政治任用のポストであるが、法制局長官同様に 内閣の異動とは別の人事とすべき。 公安・情報畑の法務省(検事)・警察庁出身者が 就任することを想定している。 次 長 Deputy Directors of Cabinet Intelligence 定員2名で、長官を補佐するほか、それぞれ「情 報集約」と「防諜」を専門にする内部組織(セン ター)の長を兼ねる。事務次官格。 情報集約センターは24時間体制で各省庁から の通報を受け、緊急事態に危機管理監と連携を 図るほか、関係国務大臣への連絡を任務とする。 カウンターインテリジェンスセンターは、政府職員 の情報漏洩の防止等を主な任務とする。捜査権 はないので、必要に応じて、警察と連携する。 内部組織(1) Secretariat 長官総務室 → 人事、予算、室内の総合調整などを扱うほか、 他の部が所管しない特命事項を担当する。 → 内閣情報会議及び合同情報会議の事務、内閣 総理大臣への定期的ブリーフィング資料の作成 を担当する。 → 旧公安調査庁公安調査研修所を改組した総合 情報調査研修所の事務を所管する。 → 内閣衛星情報センターの事務を所掌し、大規 模災害や安全保障に関わる画像データの収集・ 分析・評価に関する情報を集約する。 内部組織(2) Division No.1: Domestic Affairs 第一部(国内部) → 日本国民の意見の収集分析や日本国内の新 聞・放送・雑誌などの論調分析を行う 。Open Source Intelligence(オシント)が中心となる。 → 選挙動向や政治情勢、政党や労働組合の動向 などを把握する(第一課)。 → マスメディアや世論の動向を調査・分析する (第二課)。 内部組織(3) Division No.2: International Affairs 第二部(国際部) → 日本国外の政策に関する情報分析や新聞・放 送・雑誌などの論調分析を行う 。内閣官房副長 官補室(安危)とともに、我が国の国際協力活動 に関する情報収集・調査・分析も行う。 → 商社などの海外に進出している日本企業や在 外公館などからの情報収集を行う(第一課)。 → 朝鮮半島・中国・東南アジア・ロシア・米州・中 東・アフリカ・欧州といった地域ごとの情勢を分析 する(第二課)。外務省の地域局に対応。 内部組織(4) Division No.3: Economic Affairs 第三部(経済部) → 日本国内外の経済状況の分析を行う 。オシン トが中心となるが、専門家からのヒアリングも活 用する。 → 国内の経済状況、地域ごとの景気動向、格差 社会の現状などについての分析を行う(第一課)。 → 国外の経済状況、地域ごとの景気動向、著作 権保護、産業スパイの状況などについての分析 を行う(第二課)。 内部組織(5) Division No.4: Public Security Affairs 第四部(公安調査部) → 旧公安調査庁の主な業務を担当する。第四部 は出向検事や調査官が主体となる。地方調査局 も合わせて規模も最大(調査官約1500名)。 → 破壊活動団体やオウムなどのテロ組織の監視 等を行うほか、破防法やオウム新法に基づく公 安審査委員会への申立てに関する事務を扱う。 → ヒューミント(Human Intelligence)やコミント (Communication Intelligence)も積極的に行う。 職員の構成 長官(1名) 次長(2名) 部長・主幹・部次長・課長クラス のポストに就く。ほぼ他省庁か らの転籍者が充てられる。わず かだが分析官・調査官・事務官 からの昇格ポストがある。 参事官(20名) 分析官(50名) 調査官(1500名) 事務官(200名) ※内閣情報衛星センター職員(約 300名は含まず) 事務官は、情報局独自 採用者(Ⅱ種・Ⅲ種)か、 他省庁からの出向者。 分析官は、専門的な分析 能力を有する者で、係長 ~課長補佐級。 調査官は、旧公安調査官 で、首席(課長級)・統括・ 上席・主任の職位で区分 される。地方調査局への 配属が多い。 内閣官房との関係 情報局は、内閣に直属する組織であり、内閣官房とは独立しているが、 長官は同格の副長官・危機管理監と、次長は副長官補と連絡・協力 関係をとる。事実上、内閣総理大臣に直属した機関ともいえる。 内閣総理大臣 閣内 内閣官房長官 危機管理監 官房副長官 情報局長官 官房副長官補 情報局次長 情報機関との連携 従来、内閣官房長官の直属の部下(正確には副長官の部下)の位置にあった 内閣情報官が格上げされることで、内閣情報会議の事実上の事務局長として 情報局長官が位置づけられる。また、各省庁事務次官よりも格上の地位で、 次長とともに出席ができるようになる。 内閣官房長官 危機管理監 警察庁長官 官房副長官 外務事務次官 情報局長官 防衛事務次官 新・内閣情報会議 情報局次長 情報機関との連携 事務・実務者レベルの合同情報会議については、情報局長官が議長となり情 報局主体の運営がなされる。情報局が、国家情報コミュニティの核となる。 危機管理監 官房副長官(事務) 情報局長官 官房副長官補(安危) 情報局次長 統合幕僚長 警察庁警備局長 国際情報統括官 防衛政策局長 新・合同情報会議 総 務 主 幹 第 一 部 長 第 二 部 長 第 三 部 長 第 四 部 長 守秘義務の遵守 内閣情報局の職員又は職員であった者が、 正当な理由なしに、職務上知り得た情報で あって公共の安全を害するおそれのある秘密 を漏らしたときは、無期又は二十年以下の懲 役に処する(法案8条)。 職務の性質上、通常の守秘義務違反よりも 重い刑罰を科すことができるようになっている。 公安調査庁廃止に伴う業務の継承 法 務 省 処分請求 破壊活動防止法及び団体 規制法(オウム新法)に基 づく団体の規制に関する 調査及び処分の請求に関 する 業務を公安調査庁か ら継承する。 同法による公安審査委員 会への処分の請求は、内 閣情報局長官が行う。 処分対象団体の監視に関 する業務その他の情報収 集については、主に第4 部が担当する。 公安審査委員会 規 制 措 置 等 情報局長官 第四部長 地 方 調 査 局 地 方 調 査 局 地 方 調 査 局 情 報 収 集 処 分 処分対象団体 その他の団体 SFC模範議会2009 J A P A N 内閣情報局設置法案の概要 平成21年2月22日作成 平成21年5月 1日改訂
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