レポートの書き方 はじめの一歩 木下是雄著「レポートの組み立て方」 (ちくま文芸文庫)から ●レポートを書くときの注意点 ●仕事の文書(他人に読んでもらうもの) ●考えたことを文章にする能力開発 >>是非この本を読んでみてください はじめに この本を勧める理由: 木下是雄は物理学者であるが、読みやす い文章で、説明が明快である。文系でも読 んで分かる。 大学では、レポートを書くことが重要。 社会人になっても、レポート(報告書)を書 くことは大切なこと 書き方を学ぶ レポートとは レポート:調査・研究の結果分かった事実を客観 的に、筋道を立てて書く(説明する)。 書き手の意見が要求される場合は、それが(事 実としてではなく)意見であることがはっきり分か るように書く。また、その意見の根拠を明示する。 意見の当否が検討できるように。 >事実と意見の区別を明確に表すこと。 レポートでは、結論以外には自分の意見を書き 込まないこと。 事実の記述は具体的例で裏付けること。 事実と意見の区別 以下の文は、事実か意見(考え)か判定しなさい。 1 私たち日本人は他の国の人より敏感です。 2 この話によると、ジョゼフは小屋に住んでいました。 3 私たちが読んだのはすばらしい話でした。 4 この島の土着民は争いを好まぬおとなしい人た ちでした。 5 彼らの国の言葉はおかしな言葉です。 事実と意見の区別 目標規定文を書け 書くべき主題を決めたら、何を目標として この文書を書くのか、そこで何を主張しよう とするのか、を一つの文章で表してみよ。 その目標・主張に向かって、文章全体が収 束するように構想をねる。 書くことは考えること、考えを明確にするこ となので、書き進むうちに、最初に空で考 えたときのアラが見えてくる。 文章の組み立て 起承転結 重点先行主義 序論(はじめに)・本論・結び(まとめ) 序論 (はじめに) 本論の主題となる問題は何か その問題をなぜ-どんな動機によって-取り上 げたか。 その問題がなぜ重要か 問題の背景はどんなものか どういう手段でその問題をせめようとするのか 具体的な情報を提供することが重要 例 木下是雄 結晶の劈開とはどんな現象か、そのメカ ニズムとしてどんなものが考えられるか、 いい劈開面を得るにはどうしたらいいか、 劈開面はどんな構造をもっているか、とい うような問題の開設をこころみる。もっと立 ち入った知識を求められる方々には、まず 文献…、…を参照することをお勧めする。 本論 本論の書き方 概観から細部へ 大づかみな説明をして、 細部の記述をする 細部の記述順序 時間的な順、空間的な順(上から下へ、 左から右へ)、機能別分類、性質別分類 論理展開の順序 情報の伝達を目的とする記述・説明文 論理を展開する文章 パラグラフ パラグラフは長い文章の中の一区切り(段落) 1文字さげて書き始める。 内容的に連結された、幾つかの文の集まり ぞ れにより、ある1つのトピックについてある1つの 考えを述べるもの。 そのパラグラフで述べたいことを概論的に述べた 文(トピック・センテンスという)を含む。それ以外 は、トピック・センテンスで述べたことを具体的に、 詳しく説明する文とそのパラグラフと他のパラグ ラフとのつながりを示す文である。 トピック・センテンスはパラグラフの最初に書く。 トピック・センテンスと関係ない文やトピック・セン テンスに述べたことに反する内容をもつ文を 同 じパラグラフの書いてはいけない。 トピック・センテンスは、パラグラフを支配し、他の 文はトピック・センテンスを支えなければならない。 冒頭のトピック・センテンスを読めば、文章 の流れが明らかになるように。 パラグラフの中間に置きたい場合は、パラ グラフの最初に先行するパラグラフとの関 係を示す文、句を入れること。 パラグラフが変われば、トピック(小主題) が変わると、読者は期待する。 結び まとめ 終わりに 本論の主なポイントを簡明に列挙してまと める。 それらの重要性を強調し、また将来の発 展への道を示唆する。 結び 1 ポイント 1. 3.その中でも重要なポイントとして次の4 つをあげることができる。 (1)著者を簡単には使用しない。 (2)著者のねらいをつかむこと。 (3)論理を丹念に追うこと、根拠を疑うこと。 (4)著者の前提を探り出し、疑うこと。
© Copyright 2024 ExpyDoc