東村山に残る自然を守り、育てる

素人集団による
アカミミガメ捕獲への道のり
2014/12/20
北川かっぱの会
1. 北川かっぱの会とは
• 創設は1995年5月
• 活動拠点は狭山丘陵の東麓・東京
都東村山市
• トトロの故郷「八国山、北山公園」一
帯の緑の保全と北川の清流復活を
目標
北川かっぱの会が取り組んできたこと
①
②
③
④
⑤
⑥
北川の川そうじ
北山わんぱく夏まつり
自然護岸の復元、魚道の完成
定期的な環境調査(魚類、水質等)
児童向け環境学習の支援
外来生物対策
⑥ 外来生物対策
・オオクチバス(特定外来生物)
・オオフサモ(特定外来生物)
・ミシシッピアカミミガメ(要注意外来生物)
の3つを中心に防除活動を実施
2. アカミミガメ駆除の動機
• 定期的な魚類調査結果の動向(数は少ない
が、ほぼ毎年、棲息を確認)
• かいぼり(2010年)後の北山公園「しょうちゃ
ん池」の状況を観察 →アカミミガメの繁殖を
確認(2012年春)
• 市役所から駆除の相談を持ちかけられる
(2012年春)
• 駆除情報の収集を開始(2012年夏~) →「ア
カミミガメ防除講習会」への参加
3 実施計画案の策定
■目的
地域の自然を取り戻すこと。
■防除の方法
・北山公園しょうちゃん池からアカミミガメ等の外来種を駆除
する。あわせて北川で目視されたアカミミガメ等の外来種を
駆除していく
・市民向けに、外来種防除の普及啓発を行っていく
■防除の目標
北山公園しょうちゃん池や北川からアカミミガメ等の外来カメ
類がいなくなること。2013年から3年間でいなくなることを目
標とする。
■実施主体
北川かっぱの会と東村山市が連携しながら実施
4 駆除活動の実際
• 4月~10月に月1回実
施
• カメもんどり4基と補助
的に箱形3基を「しょう
ちゃん池」に仕掛けて
捕獲
• カメもんどりや箱形カニ
カゴなどの備品類は助
成金を活用して購入
しょうちゃん池の概要図
流入
(北川からの導入)
流入(桶管)
(八国山方面からの湧水)
流出
池底はコンクリートで平坦
泥が15cm程堆積
水深60㎝程度
約50m
カメもんどり
水際を含め、池には水生
植物等は
生育していない
カメもんどり
流入
(北川からの導入)
水際は、20cm位の割栗石乱済み
2010.3 北山公園「しょうちゃん池」のかいぼり
アカミミガメとクサガメの捕獲状況
14
(北山公園周辺)
12
10
捕
獲
数
8
6
4
2
0
2013年
2014年
アカミミガメ
2013年
2014年
クサガメ
アカミミガメ等の捕獲結果(2014年)
北川かっぱの会
日時
エサ
アカミミガメ(捕獲数、甲長) クサガメ(捕獲数、甲長)
その他
2014/4/25~26
アジのアラ、イワシ
0
0
ザリガニ1、ギンブナ100以上、モツゴ4
2014/5/17~18
ブリのアラ、イワシ、スルメ 1(23.6♀)
2(12.5♂,15.0♂)
ザリガニ3、モクズガニ1、ドジョウ1、モツゴ6、
ギンブナ40
2014/6/13~14
ブリとタイのアラ、スルメ
1(7.2♀)
1(15.8♀)
ザリガニ25、モクズガニ3、エナガエビ6、クチ
ボソ3、タモロコ1
2014/7/19~20
ブリのアラ
カブトニオイガメ1(15.0♀)
1(12.6♀)
ザリガニ40、ウシガエル(成体1、幼生19)、
モクズガニ8、テナガエビ他
2014/8/2~3
ブリのアラ
2(19.6♀、8.3♂)北川で
2(21.3♀、20.6♀)
0
ザリガニ23、ウシガエル幼生3、モクズガニ6、
テナガエビ3他
2014/9/12~13
ブリのアラ
1(21.3♀)、北川で2(19.5♀、 3(13.6♀、12.3♀再、16.2♂ ウシガエル幼生2、ザリガニ26、モクズガニ6、
18.5♀)
再)
ギンブナ2
2014/10/3~4
ブリのアラ
1(7.6♀)、北川で1(21.7♀)
3(21.7♀再、12.5♀再、
7.8♂)
アカミミガメ11、カブトニオイガメ1
10(再捕獲を含む)
2014年の合計
ザリガニ8、ギンブナ21、タモロコ4、モクズガ
ニ1、ドジョウ1
広報の実際
• 北山公園内「水と緑の掲示板」で駆除活
動スケジュール、外来生物の問題点な
どの周知
• 駆除活動の実施時にサインボードを設
置
• 北山わんぱく夏まつりなどの機会に外
来生物の問題点を周知
• 機関誌「かっぱ通信」で特集号を編集
捕獲作業で発生した問題
• 冷凍庫や網類を保管していた倉庫について、
臭い?が原因で出入り業者から苦情が出た
• 息継ぎ部のついたカメもんどりでも、クサガメ
が溺死した
• 「なぜカメを駆除しなければならないのか」と
いう質問が多くの市民から寄せられた
捕獲作業で発生した問題
• 冷凍庫や網類を保管していた倉庫について、臭
い?が原因で出入り業者から苦情が出た →市
と調整し、保管場所を移動
• 息継ぎ部のついたカメもんどりでも、クサガメが
溺死した →ワナ設置時に継ぎ目をきちんと確
認。息継ぎできない箱形カニカゴを使う場合は3
~4時間おきにチェック
• 「なぜカメを駆除しなければならないのか」という
質問が多くの市民から寄せられた →個別にて
いねいに説明
5 成果と課題
• 捕獲活動の結果、「アカミミガメ」の目視個体
数が減ったという声が
• 効率よく捕獲していくためには、エサの種類
やアミの設置場所などと捕獲物についての
データの積重ねが必要
• 在来生物の復活など、効果の検証が必要
• 北川流域での捕獲活動の継続が重要
• ウシガエル駆除の機運が高まった