アカミミガメ捕獲への道のり 2015/9/26 北川かっぱの会 本日の話の流れ 1. 北川かっぱの会とは 2. アカミミガメ駆除の動 機 3. 実施計画の策定ま で 4. 駆除活動の実際 5. 成果と課題 1. 北川かっぱの会とは • 創設は1995年5月 • 活動拠点は東京都東村山市 • トトロの故郷「八国山、北山公園」一帯の緑の 保全と北川の清流復活を目標 • 創設以来、「北川クリーンアップ」や「北山わ んぱく夏まつり」を多くの市民とともに開催 • 最近10年ほどは、環境調査、外来生物対策、 環境学習支援などにも力を入れている 北川かっぱの会が取り組んできたこと ① 「川端会議(市民+市民団体+市)」立上げ ② 北川の川そうじ ③ 北山わんぱく夏まつり ④ 自然護岸の完成、魚道の完成 ⑤ 定期的な環境調査 ⑥ 環境学習の支援 ⑦ 外来生物対策 ③ 北山わんぱく夏まつり • 毎年8月初旬頃開催(今年で 20回目) • 市民とともに実行委員会形式 で開催。市の支援もかなりあり • 目的 →子どもたちに川や雑木 林で遊ぶ楽しさを体験してもら うこと • 内容 →カヌー遊び、北川 ウォーク、八国山虫とりハイク、 ザリガニ釣り、北川水族館、草 笛、紙芝居、出店など • 毎年、親子連れを中心に盛況 ④ 自然護岸の完成(第1期) • 「川端会議(市民+市民 団体+市)」で合意形成 • 北山公園内の北川のコ ンクリート護岸をはがし、 自然護岸を復元(04年) • 完成後は子どもたちが川 で遊び、動植物が生息し やすい環境が戻ってきて いる ④ 自然護岸(第2期)と魚道の完成 • 自然護岸(2期目;1期目 の下流側)と粗石付双斜 曲面式魚道(世界で4例 目)の完成(05年) • 完成した魚道の効果につ いて魚類遡上調査を実 施し、多数の魚類が遡上 することができることを確 認(06年) ⑤ 定期的な環境調査を実施 • 魚類調査 →年1回調査(夏まつり 時);トウヨシノボリ、オイカワ、モツ ゴ、ギンブナが多い。タモロコ、ド ジョウ、ナマズ、メダカも見られる。 放流されたコイ、またオオクチバス (特に~06年)も見られる。最近は アユやモクズガニも見られる。 • 底生生物調査 →ミズムシ、シマイ シビル、ヒラタドロムシ、トビゲラな ど、少し汚い水に生息する生物が 多く見られ、予断は許さない。 ⑥ 環境学習の支援 • 市内の小学校の環境学 習を支援 →北川の魚、 八国山の昆虫、北川流 域の鳥、プールでのヤゴ 救出作戦、狭山公園内 北川でのホタル観察など • 市「みどりの楽校・探検講 座」の支援など ⑦ 外来生物対策 ・オオクチバス(特定外来生物) ・オオフサモ(特定外来生物) ・ミシシッピアカミミガメ(要注意外来生物) の3つを中心に防除活動を実施 ・今年からはウシガエル(特定外来生物)対策も 来年以降は本格的に実施予定 ⑦ オオクチバス対策 • 北川のオオクチバスは狭 山公園内の池から流出 • 池の流出口にトラップを 設置 →大雨時はバスが 流出 • 池の魚類調査等を実施 →オオクチバスが占領、 ワニガメまで棲息! • 2010.11多くの市民と かいぼり(池干し)を実施 たっちゃん池で捕獲されたオオクチバス ⑦ オオフサモ対策 • 2010年頃から、北川で大 繁殖 • 一部では川の流路をふさぐ くらい繁殖 • 2012年には北川に重機を 入れて駆除 • しかし、今後は手作業で地 道に駆除していく必要あり • 多くの市民や市とともに駆 除 ⑦ アカミミガメ対策 • アカミミガメ(子供の頃 はミドリガメ)は地域の 生態系に甚大な影響を 与える • 北山公園などで繁殖し ているアカミミガメ駆除 を一昨年4月から開始 • クサガメも相当数生息 2. アカミミガメ駆除の動機 • 定期的な魚類調査結果の動向(数は少ない が、ほぼ毎年、棲息を確認) • かいぼり(2010年)後の北山公園「しょうちゃ ん池」の状況を観察 →アカミミガメの繁殖を 確認(2012年春) • 市役所から駆除の相談を持ちかけられる (2012年春) • 駆除情報の収集を開始(2012年夏~) 3 実施計画の策定まで ① アカミミガメ防除講習会への参加(2012.9) ② 実施計画案の策定 ③ 資金計画案の策定 ④ 市役所や公園利用者との調整 ⑤ 広報案の策定 ⑥ 人集め ② 実施計画案の策定 ■目的 地域の自然を取り戻すこと。 ■防除の方法 ・北山公園しょうちゃん池からアカミミガメ等の外来種を駆除 する。あわせて北川で目視されたアカミミガメ等の外来種を 駆除していく ・市民向けに、外来種防除の普及啓発を行っていく ■防除の目標 北山公園しょうちゃん池や北川からアカミミガメ等の外来カメ 類がいなくなること。2013年から3年間でいなくなることを目 標とする。 ■実施主体 北川かっぱの会と東村山市が連携しながら実施 ■実施方法(2013年) ・川端会議(市民+市民団体+市)で計画案を説 明、毎年の実施計画を固める。 ・4月~10月;北山公園しょうちゃん池等にカゴ アミを仕掛け捕獲する(月1回1泊2日)。 ・北山公園「水と緑の掲示板」や北山わんぱく夏 まつり等のイベント時に、アカミミガメ防除の意義 や駆除方法を周知していく ・川端会議で実施状況の中間報告を行う ③ 資金計画案の策定 • 助成金の申請(2012.10) →損保ジャパン環 境財団へ →2012.12当選通知 • 主な購入備品 →カメもんどり(@7,500×4)、 カニカゴ(@1,800×3)、冷凍庫(15,300)、ノギ ス・タライ・バケツ・えさ箱・キャリーカートなど (約10,000)、サインボード(約6,000)、作業用 手袋(@1000×5)、その他胴長、ヒップウエ ダー、広報費用、エサ代など ④ 市役所や公園利用者との調整 • 市役所とは、冷凍庫やアミ類の保管場所(公 園内)について調整 • 毎年の川端会議(市民+市民団体+市)で実 施計画の概要を説明。防除活動の意義を中 心に説明。また、捕獲状況についても報告し、 意見交換を実施。北山公園の「水と緑の掲示 板」でも内容を周知。 ⑤ 広報案の策定 • 北山公園内「水と緑の掲示板」で駆除活動ス ケジュール、外来生物の問題点などの周知 • 駆除活動の実施時にサインボードを設置 • 北山わんぱく夏まつりなどの機会に外来生物 の問題点を周知 • 北川かっぱの会で提案した「北川ルール」の 中で、ペットの放流禁止を盛り込む。 • 機関誌「かっぱ通信」で特集号を編集 ⑥ 人集め • 北山公園内「水と緑の掲示板」、機関誌「かっ ぱ通信」、ホームページなどで活動日等を周 知 • 現在のところ、中心となって作業を行っている のは4人程度 • 多くの市民に興味を持ってもらえるよう、なる べく他のイベントと併せて実施(北川クリーン アップや北山わんぱく夏まつり) 4 駆除活動の実際 • 4月~10月に月1回実 施 • カニカゴ(長網付きドー ム型6基、箱形3基)を 使って捕獲 • 今年7月以降は「日光 浴ワナ」も設置 しょうちゃん池の概要図 流入 (北川からの導入) 流入(桶管) (八国山方面からの湧水) 流出 池底はコンクリートで平坦 泥が15cm程堆積 水深60㎝程度 約50m カメもんどり 水際を含め、池には水生 植物等は 生育していない カメもんどり 流入 (北川からの導入) 水際は、20cm位の割栗石乱済み 日時 エサ アカミミガメ(捕獲数、甲長) クサガメ(捕獲数、甲長) その他 2013年の合計 9 13 ウシガエル2、ウシガエル幼生10、ザリガニ99 2014年の合計 アカミミガメ11、カブトニオイガメ1 10(再捕獲を含む) ウシガエル1、ウシガエル幼生24、ザリガニ126 2(21.7♀再、12.3♀再) ウシガエル2、ウシガエル幼生約30、ザリガニ 7、ギンブナ約30、モクズガニ2、テナガエヒ ゙2 1(14.6♀再) ギンブナ31、モクズガニ15、ザリガニ7、 防火水槽→ウシガエル幼生約45、ザリガ ニ約40 2015/4/24~25 ブリのアラ 2015/5/16~17 ブリの切身、サバに切身 2015/6/19~20 ブリのアラ モクズガニ16、テナガエビ1、ギンブナ27、ド ジョウ1、ザリガニ約50、防火水槽→ウシ ガエル幼生約50、ザリガニ約30 2015/7/18~20 ブリのアラ 4(16.4♀、21.7♀再、14.8♀再、モクズガニ1、ギンブナ2、防火水槽→ウシ ガエル幼生約80、ザリガニ約30 13.9♀再) 2015/8/1~2 カレイの切身 1(14.8再) 2015/9/11~13 マルキュウ、マグロ 2015年の合計 1(19.6♀)、北川で1(23.7♀) 防火水槽を含む→ギンブナ・モツゴ20、モ クズガニ2、ザリガニ127、ウシガエル幼生285 防火水槽を含む→ギンブナ10、モツゴ3、 ドジョウ2、ザリガニ約200、ウシガエル幼生 15 2 8(再捕獲を含む) ウシガエル2、ウシガエル幼生約500、ザリガ ニ約450 捕獲状況(個体数) 600 500 400 300 200 100 0 アカミミガメ クサガメ(再捕獲を含む) 2013年 ウシガエル(幼生) 2014年 2015年 アメリカザリガニ 捕獲作業で発生した問題 • 冷凍庫やアミ類の保管場所 →匂い?が原 因で市の出入業者から苦情が →保管場所 を移動 • 長編付のアミでも窒息死するクサガメが • 「なぜカメを捕獲しなければならないのか」と いう質問が多くの市民から • アカミミガメの捕獲数の減少 →日光浴ワナ の設置 5 成果と課題 • 捕獲活動の結果、「アカミミガメ」の目視個体 数が減ったという声が →今後は、日光浴ワ ナ主体で捕獲 • 効率よく捕獲していくためには、エサの種類 やアミの設置場所などと捕獲物についての データの積重ねが必要 • 在来生物の復活など、効果の検証が必要 →かいぼりの実施。併せて池の改良も視野。 • 来年以降は、ウシガエルの捕獲を本格化
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