金属加工会社における 生産工程管理システムの開発 ー工程管理情報の自動抽出とその可視化ー 越田研究室 J0116 清水邦宏 1.研究の背景 中小の金属加工会社では,毎日多数の受注を受け 加工作業を行っている. しかし,その工程管理を帳票など紙媒体で行っており、 電子化されていない. そのため,納期や進捗の確認に時間と手間がかかる 上に工程装置の稼動ロスも多く,工場全体の生産性 の低下を招いている. また、生産工程管理システムは各企業固有の情報を 多く扱うため、汎用化が難しく,導入コストが高くなり 中小企業では手が出せない状況である. 研究目標 これらの問題を解決するために, 産業技術総合研究所が開発した MZPlatform をベースに 生産工程管理システム を開発する. MZPlatformとは? 製造の現場で必要なアプリケーションを製造ス タッフの手で作りたいというニーズから生まれた ソフトウェア開発環境. コンポーネントと呼ばれる部品単位でアプリケー ション及びインターフェースを開発するため,プロ グラミングの知識がなくても開発できる.また,修 正や機能追加が容易に行える.(但し,習得には 時間がかかる.) 2.生産工程管理システムの開発 システム開発の方針 工場での現在の運用形態(インターフェースや データベース)はできる限りそのまま利用し, 違和感なく新しいシステムが導入できるように する. 様々な検索結果を表形式で表示し,グラフ化 することで,状況把握を容易にする. バーコードなどを用いることで,リアルタイムで の作業実績入力を行い,データ精度の向上と 処理の効率化,自動化を同時に実現する. システムの機能 1. ロット番号毎の加工工程進捗情報をグラフ表示する. 2. 日単位で各作業機械毎の作業ロット番号とその作 業時間をグラフ化する. 3. バーコードを利用して,ロット番号毎の作業実績入 力の簡易化と正確性の向上を実現する. 4. 受注時に過去の類似製品加工データから適切な加 工工程を自動決定し,それをもとに工程負荷の事前 予測を行う. 今回はこのうちの1,2のシステム開発を行う. 3.処理の流れ 次に2つの機能の処理について説明する. 1. ロット番号検索機能 2. 工程機械の負荷検索機能 ロット番号検索機能 指定したロット番号における各工程の作業時 間を検索し,表示する機能. 工程機械の負荷検索機能 指定した工程機械における各作業機械毎の作業 ロット番号と,その作業時間をグラフ化する. 今後の課題 工程機械の負荷検索機能とグラフ化 インターフェースの改良 3,4のシステムとの連携処理
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