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海外における系外惑星観測のための
Astro-combの開発状況
国立天文台 光赤外研究部
成田 憲保
背景
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Kepler衛星による地球型惑星のトランジットサーベイが
2009年から開始
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Keplerによって発見が期待される地球型惑星は現状の
観測機器では視線速度のフォローアップが困難
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望遠鏡を大きくするのではなく、技術的な革新によって
観測精度を高められないか?
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アメリカ(ハーバード、MIT)とヨーロッパ(スイス、フランス)
などのチームが共同で新しい装置の開発を開始
視線速度観測の現状
先月のIAUシンポジウムで発表された最近の動向
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HARPSがM型星の探査で約45個のSuper Earthを発見し、
現在投稿準備中
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地球型惑星はかなりの数存在するようだ
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CoRoTやKeplerでの惑星発見数はそれなりのものになるだろう
MMT@Mt. Hopkins でのテストで astro-comb が 1cm/s の
安定性を達成
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2009年からWHT/HARPS-NEF (New Earths Facility)が稼動
astro-combの概念図
右:1GHzのレーザー出力(source-comb)
左:装置の概念図
Li et al. (2008)
astro-combの出力
Li et al. (2008)
他の方法の欠点
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ヨードセル
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星のSNを無駄にしてしまう
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可視の一部のみ
Simultaneous Th-Ar
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近赤外でTh-Arが強くサチりやすい
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輝線の強さが一様でない
astro-combの特徴
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可視~近赤外に対応
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source-combの出力のピークを変えることで、可視にも対応可
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ターゲットのスペクトル型に応じた使い方ができる
星のSNを損なわない
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吸収ではなく輝線型
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出力レベルを適切に変化させることも可能
CoRoT, Kepler の候補追試などに用いられる予定
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HARPS型にすることで長周期の安定性
今後の展開
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技術共有をしているアメリカとヨーロッパでは今後
astro-comb型視線速度測定器が主流?
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Keplerで発見されるかもしれない太陽-地球の系を
追試する準備は(海外では)整いつつある