多重化 4300010 伊藤隆泰 2015/9/30 1 多重化 n個の電話信号を独立に伝送すれば、 nシステムが必要だが、1つの多重信 号に変換すれば、1システムしかいら ないから、長距離伝送の場合には大幅 な低減が得られる可能性がある。 多重伝送のための技術が実現され、 しかも安価で信頼性の高い機器や伝 送線路が実現可能となり、電話が津々 浦々まで普及することになった。 2015/9/30 2 周波数分割多重 frequency division multiplex,FDM 多数の電話信号を4kHzおきに周 波数をずらして合成し、それを1つの 信号として伝送する。電話信号の周 波数をずらすためにはSSBの技術 が用いられる。このように合成された 信号を多重電話信号と呼び、それを 伝送する方式を周波数多重分割伝 送方式(FDM伝送方式、SSB-FD M伝送方式)と呼ぶ。 2015/9/30 3 振幅変調方式の種類 両側波帯振幅変調方式 double sideband amplitude modulation,DSB 抑圧搬送波通信方式 suppressed carrier,DSB-SC 単側波帯通信方式 single sideband,SSB 残留側波帯振幅変調方式 vestigial sideband amplitude modulation,VSB 2015/9/30 4 周波数スペクトル 各種振幅変調方式 両側波帯、DSB 0 f 0 f 0 f 単側波帯、SSB 単側波帯、SSB 2015/9/30 変調信号 変調波 5 SSBの変調 変調回路 変調信号 cosωmt BPF cos(ωm+ωo)t あるいは 搬送波 cosωot 2015/9/30 cos(ωmーωo)t 6 SSB復調 復調回路 cos(ωm+ωo)t LPF cosωmt あるいは cos(ωmーωo)t cosωot 2015/9/30 7 SSBの特徴 2015/9/30 周波数スペクトルをずらす(平行移動 させる)働きをする。 必要最小限の周波数成分のみしか 送信しないから送信電力と周波数帯 域幅の両面から見て理想的な通信形 態である。 送信側の変調器のみならず受信側 の復調器にも搬送波の供給が必要で ある。 8 時分割多重 time division multiplex, TDM 電話信号を符号科して得たパルス 列を時間をずらして合成し、1つの高 速パルス列として伝送する。この代表 的なものがPCMである。 2015/9/30 9 PCM方式の構成 (単一通話路) 送信信号 受信信号 符号器 2015/9/30 伝送路 複号器 10 PCM方式の構成 (複数通話路) 送信信号 ch.1 符号器 ch.2 符号器 ch.n 符号器 時分割 多重化 装置 伝送路 多重分離 装置 2015/9/30 復号器 受信信号 ch.1 復号器 ch.2 復号器 ch.n 11 24通話路PCM方式 構成 n=24 符号器の動作 入力、電話音声 0.3~3.4kHz 標本化周波数 8kHz 標本化周期 125μs 量子化レベル数 27=128 符号器出力 7+1=8 ビット 8ビット/125μs ・・・各音声 8×24+1=193 193ビット/125μs ・・・時分割多重化 12 装置の出力 2015/9/30 24通話路PCM方式 (2) 2015/9/30 多重分離装置 フレーム同期 ・タイミングパルス ・フレームパルス 復号器 入力8ビットのパルスからダイヤル パルス1ビットを分離し残りの7ビット から元の音声信号を復元する。 13 PCM方式の雑音 アナログ方式の雑音とは本質的に異なる ・量子化雑音 ・符号誤り雑音 *時分割多重化装置の出力である高速パルス列 は伝送路を経由して受信側に伝えられる。伝送 路としては再生中継回線を用いるため雑音、ひ ずみ、干渉などの妨害は事実上無視できる程度 にとどめることができきる。 2015/9/30 14 ハイアラーキ 時分割多重化は今日の進歩したディ ジタル通信方式では何段階にもわたっ て行われる。多重化の段階が増えるご とに収容される音声通話路の数が増 加し、また出力パルス速度が大きくな る。このような多重化の段階構成をハ イアラーキと呼ぶ。 2015/9/30 15 参考 「通信方式入門」 宮内一洋 著 (コロナ 社) 通信方式ノート 2015/9/30 16
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