メタデータ整備における課題 - CSIS

空間メタデータ整備
における課題
園山 実
三菱総合研究所
内容





研究者のニーズ
メタデータ内容や整備に求められる要件
研究者が直面する問題点
空間データ交換システムにおけるメタデー
タ管理上の課題
まとめ
空間データ交換研究会メタデータ分科会

前述の内容について検討していくことを目
的に、空間データ交換研究会のサブワー
キングとして設置された。
メンバー: 東京大学
(株)パスコ
(株)NTTデータ
(株)三菱総合研究所
研究者のニーズ(1)
【データ入手時】
 研究のリソースとなる空間情報について詳細かつ正確な情
報を知りたい
→できるだけ容易に知りたい
 ある条件のもとに適切な空間データを検索したい
→どのような空間データが現存しているのかを知りたい
 空間データを容易に入手したい
→できればネットワーク経由で入手したい
研究者のニーズ(2)
【データ処理時】
・複数の空間データを比較したい
・個々の空間データを特性に応じて加工したい
・複数の空間データを組み合わせて利用したい
【データ提供・展開時】
・自分の研究成果を整理したい
・自分の研究成果である空間データの意味を正確に伝えたい
【その他】
・利用や加工についての制約について知りたい
メタデータ内容への要件




必要にして十分な情報量
空間データの内容に係わる情報だけではなく、そ
の確からしさや利用に係わる情報も含む。
標準化
記述項目と表現方法の標準化
↓
ほとんどの要件はISO/TC211で満たされている
ISO/TC211は研究者ニーズをほぼ直接的に具現
化したものといえる
メタデータ整備への要件
メタデータを作る


できるだけ多くの既存の空間データにメタデータを付与
新たな空間データにメタデータ付与が促進される仕組み
の確立やインセンティブの確保が重要
質の高いメタデータの作成促進
-メタデータ標準に則って-
 記述内容の標準化:シソーラスへの対応による検索性確保
 メタデータ作成支援ツールの整備
 各空間データの位置づけの明確化:全体像の明確化
→これらはクリアリングハウスの満たすべき要件にも通じる
メタデータ分科会での取り組み



空間データ交換システムで扱うメタデータの設定
クリアリングハウスとの連携の検討
ISO/TC211に基づくサンプルメタデータの作成
例) 国土地理院数値地図
国土庁国土数値情報
衛星画像データ(LANDSAT-TM)
環境庁自然環境情報
古水文学データベース
空間データ交換システムにおけるメタデータ整備
新たな空間データ
空間データ交換システム
データ交換要求
交換済み空間データ
連携・メタデータの共有
クリアリングハウス
空間データ
検索要求
空間データ交換サーバ
メタデータB
メタデータA
検索結果
ユーザー(研究者)
メタデータ標準ISO/TC211に準拠
メタデータAのサブセット
・必要となるメタデータ項目
・各項目の記述内容
・メタデータ作成支援方法
等について検討中。
研究者が直面する問題点
【データ入手時】
メタデータを読むのが大変
【データ提供・展開時】
メタデータの作成が大変
・データ項目が多すぎる
・各項目の意味が良くわからない
・項目間の対比関係がよくわからない
項目の解釈の難しさ
例) ただし、ISO/CD15046-15を対象に議論。
 活動型の記述: どのような活動を示すのか?
A-1,11/12 Initiative type/Initiative name
→メタデータは出来上がったデータセットの説明であるの
で、CSISでいうと例えば「フォーマット変換」が活動。

データサイズの問題:
圧縮前?圧縮後?
A-7,16 Distribution Transfer Size
→基本的にメタデータ作成対象のデータセットの圧縮後
のサイズを示すべきだが、必要に応じて繰り返し記述で
圧縮前サイズや要素ファイルのサイズを示すことが可能。
項目の解釈の難しさ

空間データに係わる時間情報:
項目が多いが・・
①A-3,5 Source date/time「元情報の日時」
②A-7,19 Distribution format version Date「フォーマットバージョン日付」
③A-9,5 Reference date「参照日」
④A-12,11 Temporal extent Date/time「時間的範囲の日時」
→原則として、データを作成する上で使われた資料とその
作成に関する記述は系譜(lineage)で行うべき。あくまでも、
メタデータは出来上がったものについての説明と割り切る。
解釈としては、①:元情報の作成日時,②:当該フォーマッ
トが発効した日付,③:データのリリース日,④:地表状態
を表す日時。
空間データ交換システムにおける
メタデータ管理上の課題



どのようなデータ単位にメタデータを準備しておく
のか?(検索時に非常に重要)
交換した空間データ全てにメタデータを付与する
のか?
クリアリングハウスとのデータのやり取り
When? What? How?
まとめ

ISO/TC211の受け止め方
①標準(枠)ができてもメタデータ(中身)はできない。
②オールマイティーではあるが全ての研究者にとって必ず
しも使い易いものではない。
↓
 いかに多くのメタデータの記述を促し、それを展開していけ
るかが重要。
そのためには、まず以下が必要。
 最低限表現すべきこと、知っておくべきことを明確にする。
 研究者の空間情報リテラシーや専門に応じ、入力支援やカ
タログ表示のカスタマイズ化を図る。