スライド 1 - 自由民主党 衆議院議員 松本純

部内資料
明日の社会保障を語ろう
「希望と安心」の国をつくるために
はじめに
平成20年6月
戦後60余年、わが国は、国民の皆様のたゆまぬ努力により、
世界に誇れる豊かな社会を築き上げてきました。
特に、社会保障については、国民皆保険、皆年金という
世界に誇る制度を築いてまいりました。
私たちは今、少子・高齢化の急速な進展など、
社会の大きな変化に直面しています。
自由民主党は、このような環境の下、
「若者には希望を、お年寄りには安心を」持っていただける
社会の構築を目指し、勇気をもって
政策を進めていかなければならないと決意しています。
この国をさらにより良いものにしていくためには、どうすればよいのか。
私たちをとりまく現状をしっかりと見つめ、
国民の皆様と一緒に考えていきたいのです。
1
自由民主党は、国民の安心を守るため、これまで、必要な社会保障サービス
の確保に努めてきました。そして、年金や医療の給付は飛躍的に伸びてきま
した。その努力の甲斐もあって、日本は世界一の長寿社会になりました。
☞
50年近く前に国民皆保険・皆年金を実施して以降、年金や医療など必要な社会保障サービスを確保して
きました。50年前、25年前に比べると、社会保障給付は飛躍的に伸びています。
☞ アメリカには国民皆保険制度はありません。また、イギリスは診療や手術の順番を待つ期間が長いことで知
られており、その解消が課題です。
☞ これに比べ、皆保険をはじめとする日本の社会保障制度は大変優れた制度であり、皆さんとともに支えてい
きたいのです。
社会保障の給付の推移
戦後の主な社会保障制度改革
(兆円)
100
90兆円
1961年(昭和36年)・国民皆保険・皆年金の実施
75
47兆円
年 金
1985年(昭和60年)・新年金制度実施(基礎年金の導入、女性の年金権の確立等)
50
36兆円
1997年(平成9年) ・介護保険法成立(2000年施行)
17兆円
25
2004年(平成16年)・安心で持続可能な制度を構築するための年金制度改革
14兆円
1兆円
5兆円
1960
(昭和35年)
28兆円
15兆円
医 療
福祉その他
7兆円
1985
2006
(昭和60年)
(平成18年)
うち介護
出典:厚生労働省「社会保障の給付と負担の見通し-平成18年5月推計-」
2
社会保障は、世代内・世代間の助け合いにより、国民が皆で、給付のため
の負担を分かち合う仕組みです。
☞ 社会保障は、給付のための負担を国民全体で分かち合う仕組みですので、「負担の公平」が大事
なのではないでしょうか。
☞ 例えば医療の場合、かかった費用の一部を患者が自己負担し、残りを皆様からいただいた税や保
険料でカバーしています。
○ 医療にかかる費用の財源別の内訳(2005年度)
患者負担等:14%
(約5兆円)
公費(税):36%
(約12兆円)
うち3割程度(※)が借金
将来世代の負担
保険料:49%
(約16兆円)
(※)国・地方の収入に占める借金の割合
3
わが国では急速に少子・高齢化が進んでいます。
☞ 残念なことですが、少子化の影響もあり、今後、日本の人口は徐々に減っていきます。
☞ 64歳以下の働く世代や子供の数が大きく減少する一方、65歳以上の方々の人口は2割から3割に増
えていきます。
☞ その結果、欧米諸国を上回るペースで、高齢者の割合が増えていきます。
☞ この事実をしっかり見つめつつ、 皆様と一緒に「希望と安心」の国をつくってまいります。そうしたことが
少子・高齢化への対応を考えていく上で基本なのではないでしょうか。
1億2,800万人
65歳以上
2,700万人
(21%)
+1000万人
(+37%)
20~64歳
7,700万人
(61%)
-1100万人
1億1,900万人
3,600万人
(31%)
6,600万人
(-15%)
(55%)
-700万人
1,700万人
(14%)
20歳未満
2,400万人
(19%)
2006年
(-29%)
2025年
65歳以上人口
1人
1人
20~64歳人口
2.9人
1.8人
資料:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)」(出生中位、死亡中位の場合)
4
高齢化の急速な進展に伴い、社会保障の給付が急激に伸びる見込みですので、「支え
あう心」と「支えあう仕組み」を皆様とともに考えなければならないのではないでしょうか。
☞ 高齢化の急速な進展に伴い、年金や医療など国民の安心を支える給付は急激に伸びる見込みです(所得の
伸び1.4倍を上回る1.6倍の伸び)。
☞ 給付の増加に伴い、給付を支えるために必要となる財源も急増する見込みです。
○ 社会保障給付の財源の内訳
○社会保障給付の見通し
社会保障給付全体
1.6倍
83兆円
うち3割程度(約9兆円)(※)
地方による負担
が借金
7.5
82.8
90兆円
公費
国によ
る負担
29兆円
福祉その他 15兆円
(
うち介護 7兆円)
21.3
141兆円
福祉その他 28兆円
(
うち介護 17兆円)
介護 2.6倍
医療 48兆円
医療 1.7倍
医療 28兆円
将来世代の負担
(※)国・地方の収入に占める
借金の割合から算出
年金 65兆円
保険料
保険料
54.0
54兆円
財 源
2006年度
年金 47兆円
年金 1.4倍
2006年度
国民所得
376兆円
出典:厚生労働省「社会保障の給付と負担の見通し-平成18年5月推計-」など
2025年度
1.4倍
国民所得
540兆円
5
国の政策に使われる「一般歳出」の半分近くは、年金や医療などの社会保障給付のた
めに使われています。また、地方においても、一般歳出のうちの1割強が社会保障給付
における地方負担として使われています。
☞ 一年間の国の予算を見ても分かるように、借金返済に充てられる国債費や地方に渡す地方交付税交付金を
除いた、国の政策に使われる「一般歳出」の中の半分近くが社会保障のために使われています。
☞ しかし、その一方で国の収入の約3割は借金でまかなわれているため、社会保障を支える国の負担の約3割
は将来の世代の負担になっていることになります。
☞ 今後、この社会保障に充てられる部分、すなわち皆様の安心を守るための部分が伸びざるを得ないのです。
そこが日本の財政の最大の課題であり、皆様とともに考えていかなければならないポイントなのです。
2008年度の国の予算の内訳(単位:兆円)
国の収入の3割程度は借金
歳出
国債費
20.2
社会保障給付
社会保障
社会保障を支える国の負担 21.8
一般会計
歳出総額
の財源のうち、
83.1
公費の部分に
あてられます。
歳入
公債金収入
(国の借金)
租税収入及び
一般会計 その他収入
25.3
歳入総額
57.8
83.1
地方交付税交付金等
15.6
一般歳出
47.3
うち3割程度が借金
将来世代の負担
6
年金給付費は、経済の伸びと概ね同程度で伸びていきます。
☞ 公的年金制度については、先の16年年金制度改正において、急速な高齢化が進展していく中でも、年金
を支える力(=現役世代の保険料負担)と高齢者への年金給付とのバランスをとれるような仕組みを導入し
ました。
☞ この結果、年金給付費は、経済の伸びと概ね同程度で伸びていく見込みです。
☞ なお、基礎年金給付への国の負担割合については、法律上、必要な財源を具体的に確保した上で、平成
21年度までに2分の1へ引き上げることになっています。
年金
65兆円
年金
47兆円
1.4倍
うち公費(税)負担
うち公費(税)負担
?
8兆円
2006年度
国民所得
376兆円
2025年度
1.4倍
国民所得
540兆円
出典:厚生労働省「社会保障の給付と負担の見通し-平成18年5月推計-」
7
医療の給付費は、経済の伸びを上回って伸びていくことが見込まれていま
す。国民の皆様が全国どこでも安心して医療が受けられるよう、今後とも給
付と負担のバランスを確保し、制度を持続可能なものとする必要があります。
☞ 高齢化の急速な進展や医療技術の高度化などにより、医療費は毎年3~4%程度増加することが
見込まれています。
☞ この結果、保険料や税で賄っている医療給付費は2025年度には1.7倍と経済の伸び(1.4倍)を上
回って増加する見込みとなっています。
医療
48兆円
医療
28兆円
1.7倍
うち公費(税)負担
?
うち公費(税)負担
11兆円
2006年度
国民所得
376兆円
2025年度
1.4倍
国民所得
540兆円
出典:厚生労働省「社会保障の給付と負担の見通し-平成18年5月推計-」
8
介護の給付費は、高齢化の進行により急速に伸びていくことが見込まれてい
ます。高齢者の方々が安心して生活できるよう、今後とも給付と負担のバラン
スを確保し、制度を持続可能なものとする必要があります。
☞ 今後、高齢者、とりわけ要介護認定率の高い75歳以上の高齢者数が急速に増加していくことが見
込まれています(このため、高齢者数の増加以上に要介護認定者数は増加)
☞ この結果、保険料や税で賄っている介護給付費は2025年度には2.6倍と経済の伸び(1.4倍)を大
きく上回って増加する見込みとなっています。
介護
17兆円
介護 7兆円
2.6倍
うち公費(税)負担
うち公費(税)負担
?
4兆円
2006年度
国民所得
376兆円
2025年度
1.4倍
国民所得
540兆円
出典:厚生労働省「社会保障の給付と負担の見通し-平成18年5月推計-」
9
私達はどのような選択をすべきでしょうか?給付と負担のあり方を国民の皆様ととも
に考えなければならないときが来たのではないでしょうか。
もちろんムダの排除は大事なことですので、我々はしっかりと取り組んでまいります。
☞ 国際比較をしてみると、わが国の社会保障給付の規模は、アメリカよりは大きく、イギリスと同程度、
その他の欧州諸国よりは小さい規模です。
☞ 社会保障給付の規模が大きい国は、皆様から頂く税や社会保険料の負担(国民負担)が高い傾向
にあります。
社会保障給付の国際比較(対国民所得比)
45%
40%
福祉その他
35%
医療
30%
25%
年金
11.27%
12.00%
《0.27%》
4.55%
8.49%
20.6%
10.04%
3.43%
《0.70%》
8.58%
8.54%
11.00%
19.90%
《3.66%》
10.29%
9.88%
《0.01%》
10%
12.62%
《0.12%》
27.4%
25.7%
《1.49%》
5%
39.4%
《うち介護》
20%
15%
39.2%
44.1%
16.90%
17.10%
14.36%
8.55%
8.82%
日本
アメリカ
イギリス
ドイツ
フランス
スウェーデン
《38.3%》
《34.5%》
《48.3%》
《51.7%》
《62.2%》
《70.7%》
0%
国民負担率
(2005年)
消費税率
《5%》
※
《17.5%》
《19%》
《19.6%》
(2008年)
※アメリカは、州、郡、市により小売売上税が課されています。(例:ニューヨーク8.375%)
《25%》
(注)国民負担率とは、税金に加えて、年金や医療の掛け金などの社会保険料の負担が、国民所得に占める割合です。
(注)OECD:”Social Expenditure Database 2007”等に基づき、算出しています(いずれも2003年)。 OECD社会支出基準に基づく社会支出データを用いているた
め、社会保障給付費よりも広い範囲の費用(公的住宅費用、施設整備費等)も計上されています。
10
日本には、世界に誇れるすばらしさがたくさんあります。
そんな日本を次の世代にしっかりと引き継いでいきませんか。
日本は、世界の2%の人口で、
世界の9%の富を生み出しています。
世界の人口
66億人
日本の人口
1.3億人
(2.0%)
世界の生産額(GDP)
に占める日本の割合
9.0%
日本では、個人の金融資産が積みあがるとともに、
外国との関係では大幅な黒字になっています。
個人金融資産
1500兆円
(主要先進7カ国中第2位)
対外純資産
220兆円
(主要先進7カ国中第1位)
日本は、皆で働き、皆が長生きし、
皆が安心して暮らせる国です。
低い失業率
長い平均寿命
高い犯罪検挙率(殺人)
3.9%(先進国(OECD)平均:5.6%)
82歳
(日本を除く主要先進7カ国の平均:79歳)
96.8%
(日本を除く主要先進7カ国の平均:78%)
(注)主要先進7カ国とは、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ
11
おわりに
今後、少子・高齢化、グローバル化という大きな時代の変化の中で、
新しい時代に対応した社会を目指して、具体的に考えていくことが
求められています。
~「若者には希望を、お年寄りには安心を」~
☞ 国民皆保険、皆年金という世界に誇る制度を、将来の世代にまで
引き継いでいける仕組み作り
☞ 自信をもって、次の世代を育てることのできる環境づくり
☞ グローバル化する国際社会の中で、力強く成長し、安定した雇用を
実現できる国づくり
こうした仕組みを作り、世界に誇れる「豊かな国・日本」を次世代に引き継
いでいくために、国民全員で、どうやってそのための負担を分かち合ってい
くのか、考えるときではないでしょうか。
12
自由民主党は、「国民皆様の視点に立って」、「皆様とともに」考え、
「若者には希望を、お年寄りには安心を」持っていただける社会を
実現していきます。国民の皆様、どうかお知恵とお力をお貸し下さい。
①高齢者の皆様
ハツラツと生涯現役で過ごしていただき、子孫に豊かな日本を引継ぐために、
長年の経験に基づくお知恵とお力をお貸し下さい。
②働き盛りの皆様
働いているからこそ分かる、希望や不安をぜひ率直に教えてください。私たちは
期待に応えます。
③若い世代の皆様
将来の日本を背負うのは、あなた方です。祖父母やご両親の努力で築かれた日
本がますます発展できるよう、若い方ならではのご意見をお待ちしております。
(ご意見は下記に)
電話:無料通話
FAX:
お手紙:
メール:
13
<参考>
○
○
○
○
○
○
○
○
○
「ムダの排除」への取組みについて
「国家公務員の天下り先に 12兆円」との指摘について
民主党の主張する政策について
長寿(後期高齢者)医療制度のポイントについて
年金記録問題への対応について
道路関係公益法人等のムダの排除について
付加価値税率(標準税率)の国際比較について
ガソリン価格・税負担額の国際比較について
GDPに対する債務残高の国際比較について
14
「ムダの排除」への取組みについて
☆ 自由民主党は、特別会計・独立行政法人・公益法人の見直しなど、今後も、ムダ
の排除に徹底して取り組んでまいります。 国の資産規模の圧縮を行い、独立行
政法人の不要資産の国庫返納も行わせます。
☆ 本当に必要な予算を厳選し、毎年度、徹底した歳出カットに取り組んでいきます。
毎年度の厳しい歳出カット
財政
独立行政法人・
公益法人の見直し
独法は整理合理化計画で徹底見直し、
財政支出は20年度予算で約▲1600億円。
不要資産の国庫返納も行わせます。
公益法人も現在徹底した見直し中です。
健全化
国と民間の
契約方法の見直し
本当に必要
な予算
ムダの
特別会計の見直し
22年度末までに特会を半減(31→17)
国債償還費等を除いた政策経費は
5年前と比べて4分の3に
徹底カット
公益法人や民間企業等との契約
を競争入札などに転換し、
工事や物品調達のコストをカット
(20年度予算では約▲400億円)
公務員の人件費のカット
5年間(18~23年度)国・地方合わせて
▲2.6兆円の削減に取り組んでいます。
15
「国家公務員の天下り先に12兆円」との指摘について
☆ 国家公務員再就職者が1人でも在籍する法人に対し、貸付や出資、利子補給を含め、名目を
問わず、国から支払われた金額を機械的に合計すると12.6兆円(平成18年度)。
(衆議院調査局による予備的調査の結果)
☆ しかし、この12兆円は、いずれも政策を遂行するためのものであり、こうした支出を大きく削
減すれば、国民生活に重大な影響が発生します。
◇
12兆円は、
・
民間金融機関から借り入れることが困難な中小企業や農業者向けの、低利・長期の融資を行う国
民生活金融公庫や農林漁業金融公庫などの政策金融機関に対する財政融資資金貸付(4.5兆円)、
・
独立行政法人が行う、個人向け住宅ローン、低利・無利子の奨学金、成長の源である科学技術振
興などに対する資金交付(3.8兆円)、
・
国公立大学の運営を支えるための交付金や私学助成(1.3兆円)
など、いずれも、政策を遂行するためのもの。
◇ こうした支出を大きく削減すれば、中小企業や農業者が資金繰りに困窮する、国公立大学
や私学の運営が立ち行かなくなる、など、国民生活に重大な影響が発生。
◇
一方で、無駄遣いは徹底して排除すべく、公益法人・独立行政法人向けの支出等の見直し
に徹底して取り組む。
16
民主党の主張する政策について
☆ 民主党は「ムダの排除」で15.3兆円の財源を捻出し、月額2.6万円のこども手当などの新施策を
行うことをマニフェストで約束しています。さらにその後、年金事務費全額国庫負担をはじめとして
様々な提案を行い、赤字減らしの財源も確保して財政の黒字化を実現することも約束しています。
☆ しかし、財源とされる「ムダの排除」の多くは具体的説明に欠けています。例えば「補助金のムダ
の排除」では、地方向け補助金19兆円のうち6兆円超を削減するとしていますが、地方向け補助
金19兆円の半分以上は高齢者医療や生活保護などの社会保障です。これを大幅にカットすれば、
国民生活に悪影響が生じます。
「民主党の主要政策に必要な経費」
年金基礎部分への消費税全額投入
6.3兆円
子ども手当創設
4.8兆円
公立高校の無償化と奨学金制度の拡充 0.3兆円
農業への戸別所得補償
1.0兆円
高速道路の無料化
1.5兆円
最低賃金引上げのための中小企業対策等1.4兆円
合計
15.3兆円
+ 道路特定財源の暫定税率撤廃
2.6兆円
年金事務費全額国庫負担
0.2兆円
障害者の1割負担の凍結
350億円
「緊急経済・生活対策」
(4月14日発表
(昨年7月の民主党マニフェスト)
「ムダを省くことで得られる財源」
補助金の一括交付金化等によるムダの排除
談合・天下りの根絶による行政経費の節減
6.4兆円
1.3兆円
特殊法人・独立行政法人・特別会計等の原則廃止 3.8兆円
国家公務員人件費の2割削減
1.1兆円
所得税等税制の見直し
2.7兆円
合計
15.3兆円
?
3.5兆円
民主党・国民新党)
+ 基礎的財政収支黒字化
(政府の「骨太2006」では2011年度の基礎的財政収支黒字化には16.5兆円の対応が必要とされた)
?
17
長寿(後期高齢者)医療制度のポイントについて
☆ 少子高齢化社会・人口減少社会に備え、高齢者の方々も現役世代の方々も皆で公平に高齢者の医療
費を支える制度となります。(国・地方の税負担:約5割、現役世代の支援:約4割、高齢者保険料:1割)
☆ これまで市町村単位であった運営を都道府県単位に広域化しますので、制度を安定的に運営できます。
高齢者の方々の保険料格差も全国で5倍から2倍に縮小します。同じ県で同じ所得であれば、原則、同じ
保険料です。
〔政府・与党で決定した対策(平成20年6月12日)〕
①所得の低い方への配慮として、保険料(均等割)の7割が軽減されている世帯のうち、 高齢者全員が年金加入
年額80万円以下の世帯は、9割まで軽減されます。
<今年度は、10月から3月までの保険料が免除され、結果として85%軽減となります>
② 所得割を負担する方のうち、所得の低い方(年金収入が年210万円程度まで)は、保険料の所得割額が50%程
度軽減されます。<具体的な基準は今後決定されます。今年度は都道府県単位で実施するか決定されます。>
③ このような見直しをしても、なお保険料を支払えない事情がある方については、市区町村においてきめ細やかな
相談ができるよう体制を準備します。
④ 保険料の年金からの引落しについては、一定の条件はありますが、申し出により、銀行口座からの振替に変更
が可能となります。
⑤ 保険料を納めない人に、保険証の代わりに発行される「資格証明書」は、悪質な未納者に限ります。
⑥ 診療報酬が支払われることとなっている「終末期相談支援料」も当面実施しない等の必要な見直しを行います。
仮に野党廃止法案のように、長寿医療制度を廃止すると、…..
・ 7割程度の世帯で保険料負担が増えるとともに、保険料格差も拡大します。
・ 運営責任が不明確な状況に戻り、現役世代に負担が回されることになります。
・ 国民健康保険が立ちいかなくなり、国民皆保険制度が崩壊してしまいます。
18
年金記録問題への対応について
☆ 年金記録問題については、皆様のご協力も仰ぎながら、その解決に向け、あらゆる手立てを尽
くし、国を挙げて取り組んでまいります。
☆ あわせて、こうした問題を起こした社会保険庁は解体し、皆様の信頼に応えられるような新しい
体制を整えます。
☞ 昨年7月にお約束したとおり、皆様に年金記録をお知らせする「ねんきん特別便」を、現役加入者・年金受
給者全ての方に本年10月までを目途に送付するよう、着実に作業を進めています。
「ねんきん特別便」を受け取られた際には、是非お一人お一人ご自身の記録をご確認ください。
☞ また、皆様からの貴重なご意見を踏まえ、相談時に具体的な情報をお示しするなど、様々な改善を行って
おります。今後とも、皆様の立場に立った丁寧な取組みを一つ一つ重ねてまいります。
☞ そもそも、年金記録問題が生じた根本には、厚生労働省・社会保険庁という組織に、
- 国民の大切な年金記録を正しく管理するという組織全体としての「使命感」
- 国民の信任を受けて業務を行うという「責任感」
が決定的に欠如していたことにあります。
こうした問題を起こした社会保険庁は解体し、非効率で硬直的な組織を抜本的に改めます。
そして、このような事態が繰り返されることのないようにします。
特に、「ヤミ専従」や数多くの労使の間の不透明な「確認事項」に代表されるような、
労使なれあいの土壌は徹底的に改めさせます。
また、社会保険庁を引き継ぐ日本年金機構への職員採用に際しては、厳正に採否を審査し、
不適切な職員は採用いたしません。
19
道路関係公益法人等のムダの排除について
☆ 自由民主党は、総理のリーダーシップの下で、道路関係公益法人の改革、道路整備
関連支出のムダの排除が早期に実現されるよう、徹底して取り組んでいます。
宿舎・車両2割カット
地
方
整
備
局
の
支
出
の
改
革
特命随意契約
→企画競争へ
民間と同
一条件
で競争。
(随契94%→4%)
組織の大胆なス
リム化、役職員
数・給与もカット。
公益法人への支
出の半減以上の
大胆なカット
広報広聴
経費半減
ムダの排除断行
業務・組織形態の
見直し
タクシー利用
適正化
職員厚生経費カット
(50法人→16法人へ)
役員数・総
人件費カット
常勤理事数2割、
総理事数3割削
減。役員給与3~
5割カット。
道
路
関
係
公
益
法
人
の
改
革
さらに法人への
支出削減と競争契
約への移行で一
層の淘汰必至
20
付加価値税率(標準税率)の国際比較について
(2008年1月現在)
%
30
☆ わが国の消費税率は、世界的に見て低い水準にある(ヨーロッパ諸国では15%を上回る)。
25
25
欧
州
理
事
会
指
令
25
25
22
20
22
21 21
19.6
24.5
21
20 20
19
19 19
20
19
20
19
18 18 18
18
17.5
20
19
18
17
16
15
15
15
15
12.5
12
10
10 10
10
7.6
5
5
7
7
5
5
0
フ
ィ
ン
ラ
ン
ド
デ
ン
マ
ー
ク
フ ド オ ス ル
ラ イ ラ ウ ク
ン ツ ン ェ セ
ダ ー ン
ス
デ ブ
ン ル
ク
ベ
ル
ギ
ー
ア
イ
ル
ラ
ン
ド
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E U
OECD
OECD
(備考) 1. 日本の消費税率5%のうち1%相当は地方消費税(地方税)である。
2. カナダにおいては、連邦の財貨・サービス税(付加価値税)の他に、ほとんどの州で小売売上税等が課される。(例:オンタリオ州8%)
3. アメリカは、州、郡、市により小売売上税が課されている。(例:ニューヨーク市8.375%)
(出所) IBFD"European Taxation Database"、各国大使館聞き取り調査、欧州連合及び各国政府ホームページ等による。
21
ガソリン価格・税負担額の国際比較について
☆ わが国のガソリンについての税負担額は、ヨーロッパ諸国等よりも相当低い水準にある。
(円/ℓ)
300
256 円
250
229 円
223 円
ガソリン価格
200
201 円
158 円
(61.7%)
150
172 円
143 円
(62.7%)
135 円
(60.3%)
115 円
(57.3%)
104 円
100
62 円
(36.1%)
税負担額
50
12 円
(11.8%)
0
イギリス
ドイツ
フランス
韓国
日本
アメリカ
(注)2008年4月時点IEA調べ(韓国は2007年7月~9月時点、日本は直近(石油情報センター調べ、2008年6月第1週))
22
GDPに対する債務残高の国際比較について
☆ わが国の国・地方を合わせた借金の残高は、経済規模の1.5倍(778兆円)にのぼります。経済の大きさ
に比べて、これほど多額の借金を抱えている国は、主要先進国の中で日本だけです。
☆ この借金の比率を、2010年代半ばに向けて、安定的に引き下げていくことを目指し、今、財政健全化
に向けた取組を着実に進めているところです。
(%)
債務残高対GDP比の国際比較
778兆円
148
116
64
62
41
65
73
49
スウェーデン
イギリス
カナダ
アメリカ
ドイツ
フランス
イタリア
日本
(
2008年)
(
2008年)
(
2008年)
(
2008年)
(
2008年)
(
2008年)
(
2008年)
(
2008年度末)
見込み
【諸外国出典】"Economic Outlook 82"(OECD)
23