定量分析 その1 分光光度計 既知の濃度の溶液の吸光度を測定 することで、その濃度に対する吸光 度が分かる。 目的の溶液の吸光度を測ることでその 濃度が分かる。 では、吸光とは? 吸光度(absorbance)とは特定の波長の光に 対して物質の吸収強度を示す尺度である。 入射光:強度 I in 出射光:強度 I out 何が起きているの か? 光:エネルギー 光や熱など 基底状態 (安定) 励起状態 (不安定) 基底状態 (安定) :電子 :原子核 入ってきた光(I in)よりも、あるエネルギー分(特定 の波長分)通過した光(I out)は弱まって見える。 波長(nm) 色) 400~435 435~480 480~490 490~500 500~560 560~580 580~595 595~610 610~750 750~800 光の色 余色(目で見える 吸光度には濃度と距離が関係している 濃度一定の時・・・ I in I out = 0.5 I in I inの50%を吸収 距離が2倍になると・・・ I in I out I inの50%を吸収 I inの50%を吸収 I in I = 0.5 I in I out = 0.25 I in I inの50%を吸収 I inの50%を吸収 距離が2倍になると1/4になる(指数関数的に減少) 距離一定の時・・・ I in I out = I in×1/L 濃度が2倍になると、2倍ぶつかり易くなるので I in I out = I in×1/2L 濃度が2倍になると1/2になる(比例的に減少) 濃度が一定の時、吸光度は溶液層の厚さに比例する。 ランベルト(ブーゲ)の法則 距離(光路長)が一定の時、吸光度は溶質のモル濃度に比例する ベールの法則 ランベルト・ベールの法則 ε I out A(吸光度)=-log( I in )=εc l :モル吸光係数 c :試料のモル濃度 l :試料の光路長 L L d= I は、αd I (αは溶液に固有の係 数とする) L d= N だけ進む間に減衰する光 N N等分する 距離dの前後で減衰する量は I(1-αd)= I(1-α 光の強さ L N ) 各ステップで(1-αd)倍減衰して いく、全部でN等分したので ・・・・・・・・・・ ・・・・ (1-α 距離 L N ) N 倍減衰する。 N→∞ Nをだんだん大きくしていくと -α L N L N lim(1-α = lim(1+ ) ) N N N→∞ N→∞ 極限値 e の定義より lim(1+ N→∞ -α L N lim (1+ N→∞ N ) = = 距離Xにおいては、 両辺対数をとると 1 X X )= e ただし、数列an=( 1+1/n ) n は収束するとする。 N - αL -α L (1+ N lim N→∞ -αL ) -αL e I(X) -αX e I(X)=I× I = -αX e 距離に比例することを示せた log I(X) I = -αX log e - log I(X) I = kX Johann Heinrich Lambert ドイツの数学者・物理学者・天文学者 •円周率が無理数である事を証明した •地図のランベルト正積方位図法・ランベルト 正角円錐図法を考案した。 •地図のランベルト正角円錐図法・ランベルト 正積円筒図法・横メルカトル図法を考案した •吸光度に関するランベルト-ベールの法則 を発見した。 など多数の業績を持つ。 ランベルト正積方位図法 Pierre Bouguer フランスの数学者で物理学者 August Beer ドイツの数学者で化学者、物理学者 画像なし 昔は・・・ 検量線を引き、目的のサンプル のデータをプロットする。 Abs St3 X 試薬と反応させる ● 既知の濃度の系列 X St0 St1 St2 St3 ● St2 St1 X X St0 分光光度計 濃度 85mg/dl 135mg/dl 現在、病院で血糖値を測るとしたら・・・ 基準値:(空腹時)70~100 mg/dl 結果 50mg/dl ↓ 85mg/dl 135mg/dl↑ 自動分析装置
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