日常生活における活動の向上 AAAに対する行動分析学からのアプローチ 立命館大学文学部心理学専攻 武藤・望月ゼミ 3回生 横井 沙弥佳 AAA/AAT • 1962年、臨床心理学者であるLevinson,B.M.が、 飼い犬と子どもの患者との関わりを紹介した論 文、“Dog as co-therapist”が発表され、以降、 動物の存在は臨床場面への適用拡大の時期を 迎えた。 • 広義のアニマルセラピー 動物とのふれあいや相互作用によって心理的、 身体的に健康を回復させるという考え。 医療や福祉、教育の現場で活用されている。 AAA/AAT • 狭義のアニマルセラピー AAAとAAT ≫Animal Assisted Activity(AAA)は、動物介在 活動と訳され、動物を伴うボランティアの医療施 設や教育施設などへの訪問のことを指す。 動物とふれあうことによる情緒的な安定、レク リエーション、QOLの向上などを主な目的とした ふれあい活動。 ≫Animal Assisted Therapy(AAT)は、動物介在 療法と訳され、動物が、人間に対する医療ある いは療法行為の中である役割を果たす。 AAA/AAT 医療従事者の主導で実施しなければならない。 精神的身体的機能、社会的機能の向上など、 治療を受ける人にあわせた治療目的を設定し、 適切な動物とボランティアを選択する。 また、治療後は治療効果の評価を行う。 目的 • これまでのアニマルセラピーは ≫心拍数、血圧、唾液中のアミラーゼの増減、 脳波などによる生理的指標 ≫不安傾向測定(STAI)、抑うつ状態の測定 (BDI)、心理・社会的ストレス測定などによる質 問紙的指標 が主であり、行動的指標は少ない。 • また、理論的根拠がいくつか提唱されているが、 どれもが仮定の域をでていない。 目的 • そこで本研究では、行動的指標をもちいて、 “世話をすることによる活動促進説”をもとに犬 の飼育による活動水準の変化を見る。 今回の研究により動物を飼育することがQOL の向上に繋がれば、ヒューマンアニマルボンド の向上にも繋がるだろうと考えられる。 動物による心身の健康への影響過程モデル 人への二次効果 動物の行動 人への一次効果 見る 二 者 の 相 互 作 用 人の行動 社会性 相互の注目 注意の転換 触れる 気晴らし 話しかける 感情の喚起 世話する 活動増加 責任感 世話される 緊張の低下 独立心 関係 他者との関係の 促進 自信 形成 孤独・不安減少 規則的な生活 方法 • 実験協力者 大学生あるいは中高年家庭二組程度 止む終えない場合以外かならず犬の世話が出 来る 犬の飼育歴がある方が良いか? (出来れば2名くらいの家族で生活している) 方法 • 実験デザイン ≫ABAデザイン BL期 普段通りの生活を行ってもらう 介入期 犬とのトライアル生活 犬との生活におけるガイドラインの ようなものに沿って飼育してもらうか、 あるいは自由に飼育してもらう BL期2 BL期と同様 方法 • 独立変数 “トライアル”形式の犬との生活 • 従属変数 日常場面における活動 ≫起床時間、就寝時間、食事回数もしくは時 間、外食の回数、外に出た時間もしくは回数 など5項目程を記録、報告して貰う 質問紙 ≫ストレス、孤独感の減少など 問題点 • 従属変数は妥当であるか • 誰を実験協力者とするか • 犬の統制がとれない。 飼い主が変れば犬も変るだろうということで、 犬の視線や活動も見た方が良いとのこと。 • 噛み付かれたなどの事故が起こった場合どう インフォームドコンセントするか。 もちろんそのような問題行動を持つ犬を活動 に用いる事は防がなければならない。 参考文献 • • • 岩本隆茂・福井至 培風館 (2001) アニマルセラピーの理論と実際 Roland,J.Thorpe,Jr. Journal of the American Geriatrics Society 54(9) (2006) Dog ownership, walking, and Maintained Mobility in Late Life. 早川洋子・林文明・野呂和夫・圓尾拓也・江川賢 一・荒尾孝・稲葉裕 山野研究紀要 (2006) 健康作りのための新たなアプローチー人と犬の 健康状態の関連性ー
© Copyright 2024 ExpyDoc