2015年(平成27年)度 関東甲信越地区中学校技術・家庭科研究大会 山梨大会に向けて ~研究の方向性について~ 第3回山梨関ブロ準備委員会 2014.02.25 「思考力・判断力・表現力」 技術・家庭科では 工夫し創造する能力 工夫し創造する能力 【定義】 課題に対して、 技術・家庭科の視点で課題をとらえ(考え)・判断し、 課題を解決する力 見えにくい力 評価すること・育てることが難しい 見える化 できないか! 見える化 できれば・・ 評価すること・育てることが 可能となる 「思考のトレーニング」 技術・家庭科の3年間を通して 繰り返していくことで 「工夫し創造する能力」 育成することができる! を 研究主題 未来社会を展望し、 生活を創る力を育てる技術・家庭科教育 ~「思考のトレーニング」と「つなぎ」を工夫した授業を通し て~ 「未来社会」 「生活」 「創る力」 変化し続ける社会、持続可能な社会、循環型社会、 これから(近い未来・遠い未来)の社会 日常生活・家庭生活・社会生活 より良い生活とは何かを考え、その実現に向けて 自ら考え・行動する力 ~「思考のトレーニング」と「つなぎ」を工夫した授業を通 して~ ◎「思考のトレーニング」とは 「ただ、何とな く・・・」 技術・家庭科の視点(めがね・ものさし)で 課題をとらえ(考え)・判断する 『思考』 する力を育てていく すなわち,「思考のトレーニング」とは・・・ 思 考 す る 場 面 を計 画 的 ・ 意 図 的 に設定し、 言 語 活 動 を通して思 考 す る 練 習 (トレーニング)を行うこと。 『思考のトレーニング』 「思考」とは・・・。【定義】 課題に対して、 技術・家庭科の視点で課題をとらえ(考え)・判断し, より良い解決策を見出そうとする活動。 「トレーニング」とは・・・。【定義】 思考する場面において、 ワークシートに「思考の過程」を表現させることによ り,自己の思考を明確化するとともに,他者との相 互評価や教師からの評価等を通して,より思考を広 め・深めさせていく学習活動。 ~「思考のトレーニング」と「つなぎ」を工夫した授業を通 して~ ◎「つなぎ」とは・・・【定義】 生徒が課題を解決しようと思考する場面で、 その思考を助け・導き・深めるために行う、 教師および生徒の活動。 【「思考のトレーニング」と「つなぎ」のイメージ図】 課題 課題解決 「思考のトレーニン グ」 (思考の見える化) 思考 つなぎ (助け・導き・深める) 「思考のトレーニング」のための手だて ➀まず、生徒に思考させることが必要 思考の場面と適切な課題の設定 ②その思考を「可視化(見える化)」させる「もの」と「方法」が必要 思考の過程が見えるワークシートの工夫 ③思考を「助け・導き・深める」ための手だてが必要 『つなぎ』の工夫 「思考のトレーニング」 ~3つの具体的な手だて~ ①『思考の場面と適切な課題』の設定 ②『思考の過程が見えるワークシート』の工夫 ③『つなぎ』の工夫 3年間を通して 「工夫し創造する能力」の育成を目 ①『思考の場面と適切な課題』の設定とは 1)『適切な課題』とは・・・ 1)目標に適した課題 2)状況(学年・生徒)に合った内容(レベル)の課題 3)生活に結びついた身近な課題 4)解決したいという意欲が持てる課題(必要性を感じる・知的好奇心をくすぐる) 5)様々な解決策が考えられる課題 6)自分なりの解決策が見いだせる課題 2)『思考の場面』とは・・・ ○各内容(題材)の中の課題解決の場面やまとめの場面に 『思考のトレーニング』を取り入れていく。 『思考の場面』の具体例 ❶課題解決の場面・・知識や技術を活用し,工夫し創造する場面 (設計・計画・立案・プログラミングなど・・) ❷まとめの場面・・<技術分野>技術を適切に評価し活用する場面 <家庭分野>これからの生活を展望して、課題を持って 生活をより良くしようとする場面 ②『思考の過程が見えるワークシート』の工夫と は 「思考の過程」とは・・【定義】 ①自分の考えと,その考えにいたった根拠(理由)とのつながり。 ②思考が変わっていく経過(みちすじ)。 ワークシートの工夫 記入方法(ルール)の工夫 ・生徒が思考した内容を自由に記入できる ・スペースにどのように書かせていくか? (簡単な書き方ルールを決めておく) スペース(ひらめきスペース)を設ける。 ・生徒の思考の過程やその変容が,生徒も 教師も一目で読み取れるような工夫。 (例)1枚ワークシート・項目の工夫など (例)・生徒の考え→○の中に記入させる。 ・その根拠→□の中に記入させる。 ・関連するもの→ーでつなげる。 + ・自分の考え以外→赤で記入する。 ・記入した順番→番号を付けていく。 ・新たな考え→ーでつなげて書き加え ていく。 思考の過程が見えるワークシート(具体例) ◎空白(ひらめきスペース)を利用した例 ② ➀ 学習プリント ⑤ ④ <ひらめきスペース> 生徒は、この『ひらめきス ペース』に、自分の考えたこ と・感じたこと・気づいたこと やその根拠等を適に書き込んで いく。教師は、その思考の過程 を評価し生徒へフィードバック していく。(生徒間で話し合う ことも考えられる) ③ 「書き方のルール」および「評価の仕方 (見取り方)」については、今後各支部 で研究を進めていく。 <書き方ルール例> 1,自分の考えは○の中へ、その理由(根拠)については□の中へ書く。 2,書いた順番を書く。 3,先生や友達の意見やアドバイスは赤で書く。など ③『つなぎ』の工夫とは 「つなぎ」=生徒の思考を助け・導き・深めるために行う 教師および生徒の活動 【教師の活動】 「つなぎA」・・声かけ,つぶやき 「問い」 「説明」 「指示」「転換」「比較」 「関連」 「つなぎB」※・・ワークシートの評価 ワークシートの内容を「評価」し生徒にフィードバックする 【生徒の活動】 「つなぎC」・・話し合い活動(相互評価) 「話し合い」活動を通して思考を助け・導き・深めさせる 【教師の活動】 「つなぎB」・・ワークシートの評価 ワークシートの内容を「評価」し生徒にフィードバックする ワークシートの評価(見取り方)の工夫 ~どのように評価(見取り)していくか~ (例) <評価内容> ※学年レベルを考慮する必要あり ○技術・家庭科の視点で書かれているか? ○考えとその根拠(理由)が関連づけられているか? ○「量」「単語から文章」「内容」はどうか? <評価方法> ○どのようにワークシートにフィードバックしていくか? (○△×で評価,ABCで評価,数値(○点)で評価,言葉で評価など) 教師の評価(見取り)のトレーニング 『つなぎ』の具体的な内容 「問い」 ・・教師が思考するための「問い」を出して範を示す事も必要。 生徒が考えようとする「問い」の投げかけがポイント ※「なぜ」「どうして」「理由は」「だから」「どうする」「どういうこと」 「説明」 ・・内容の補足説明。知識の補充。等 「指示」 ・・どう進め・考えていくのか具体的な指示。ポイントの焦点化。等 「転換」 ・・思考の方向修正。(思考を深めたり、広めるための投げかけ)等 「比較」 ・・対象物の明確化。思考の焦点化。比較検討による思考の具体化。等 「関連」 ・・教科書、既習内容、意見、身のまわりのものや出来事へつなげる。等 「評価」 ・・生徒が記述したものを教師が評価し、生徒にフィードバックする。 よりよい思考の事例を評価し,範例の一つとして全体へ伝える。等 「話し合い」 ・・生徒同士での話し合い活動・相談等。 ワークシート例①:課題解決の場面(製作品の設計・製作の場面) (材料と加工に関する技術) 「つなぎ」 ここでは,自分の 考えや理由を書く ための助けとなる, 考えさせる『問 い』を「つなぎA」 として入れていく。 制約条件(機能面) 制約条件(環境的側面) 制約条件(丈夫な構造) CDに比べて, 本には色々な 大きさのもの があります。 より機能的に 使える方法な いか? 制約条件(環境的側面) 制約条件(機能面) ⑤A または 「つなぎ」(「つなぎB」・・ワークシートの評価) ワークシートの内容を評価し,生徒にフィードバックする。 ワークシート例②:まとめの場面(生物育成に関する技術) ①技術(学習)の振り返り <学んできた知識・理解の整理> つなぎA 観点<知識・理解> 生徒が考えようとす る「問い」を入れてい く。「比較」「関連」も 一緒に。 思考のトレーニング ②技術の「評価」 つなぎC <知識・技術を基に「技術を評価」> グループでの「話し 合い」を入れること で,思考を助け・深 めていく。 観点<工夫・創造> ③技術の「活用」 つなぎB ワークシートの内容 を教師が評価し,生 徒へフィードバック する。 <評価した結果から「技術の活用」> この部分の具体的な評価(見 取り方)について各支部で研 究を進めていく! 観点<工夫・創造> ①②③は「技術の評価・活用」のまとめにおける一般的な流れ 【これからの具体的な取り組みについて(各支部)】 ※授業実践に向けての準備(授業内容や書類)を進めていく ①3年間を見通した「年間指導計画」(A票)の検討・作成 ②「思考の場面」と「適切な課題」の検討(決定) ③「思考の過程がみえるワークシート」の検討(作成) ④基礎的・基本的な知識と技術の確認(明確化) ⑤「指導と評価の計画」(B票)の検討(作成) ⑥「学習指導案」(C票)の検討(作成) ⑦実態調査(生徒と教師)の実施 <各支部・調査資料部> ●「思考のトレーニング」と「つなぎ」の研究 2 関ブロ理事会(山梨) 各支部提案 各支部プレ授業
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