8. 教員の研修について 長崎大学教育学部教授 吉田 ゆり ① 発達障害の理解と支援に関して 長崎大学では、附属特別支援学校の主催により、附属 4 校園特別支援教育コーディネー ター連絡会が設置されている。4 校園の特別支援教育コーディネーターは、各学校から 1 名 が本事業の運営委員会委員として連携できる体制をとっている。 この機会を活かし、各コーディネーターの発達障害の理解と支援に関わる知識を高める ため、本事業と連動したねらいをもち、研修会を行って頂いた。 1. 日 時 平成 26 年 7 月 28 日(月) 9:00~12:00 2. 場 所 長崎大学教育学部附属特別支援学校 多目的室 3. 主 催 長崎大学教育学部附属特別支援学校(地域支援部) 4. 参加者 附属 4 校園特別支援教育コーディネーター連絡会 構成員 (附属小学校、附属中学校、附属幼稚園、附属特別支援学校のコーディネーター) 附属特別支援学校の希望する教諭 5. 内 容 1)テーマ 発達期(幼稚園・小学校・中学校)に応じた早期発見と支援 2)研修項目 プレゼンテーションのスライド題目を以下に記す。 1.国立大学附属学校独自の課題の存在 2.特に、発達障害児の早期発見と支援 3.早期発見の意味 4.早期発見のまよい 5.幼稚園における早期支援 6.幼稚園の早期発見の指標 7.気づき 8.幼稚園での早期発見(見逃しポイント) 9.幼稚園での早期支援の効果(短期的支援:環境調整) 10.幼稚園での早期支援の効果(中期・長期的支援) 11.移行支援: 「つなぎ」 12.小学校における早期発見(早期発見(気づき)のポイント) 13.小学校における早期支援(早期発見のむずかしさ、見逃しポイント) 14.小学校での早期支援のターゲットと効果(問題行動への介入など) 15.小学校での早期支援のターゲットと効果(得意・苦手、二次障害)) 16.周囲の児童の理解と支援 - 56 - 17.学校環境の整備(コーディネーターの役割) 18.移行支援:小学校から中学校への「つなぎ」 19.中学校での発見は早期支援と言えるか 20.中学校での発見ポイント 21.中学校の早期支援の目的(行動問題の解決、二次障害、キャリア支援) 26.ADHD・LD 生徒に多い課題: 27.中学生という発達期:自己理解という課題 28.トラブル時の配慮と留意点 29.自閉症スペクトラム障害児にとっての中学校時期 30.中学校でのスクールスタンダード 31. (検討例)授業参加行動も良好で、イベントもこなしている。現場として、特 に、支援が必要な子どもとは思いにくい。それでも支援が必要か 32.移行支援」つなぎ:中学校から高等学校へ 33.周囲の子どもの理解を育てるために 34.早期発見は必ずしも早期診断ではない、早期発見は支援に必ずつなげる 35.移行行支援「つなぎ」 :まずはこの小さなコミュニティで、つなげることはつ ないでいきましょう ② アセスメントに関する研修に関して 本事業では、教員の資質向上が大きな柱であるため、支援ラボにおいて、指定校の有資格 者をはじめとして、教員に対するアセスメント技術の研修の機会を設けた。特に指定校は、 支援ラボのある教育学部と同キャンパス内にある利点を活かし、教員個々の時間設定によ り、放課後等を活用した自主的な学習が可能とした。さらに、教員個々で、知能検査等の技 術の修得ができるよう、実際の器具を用いた学習、テスター・テスティ経験等ができるよう にした。 1)指定校をはじめとする現職教職員の有資格者に対する研修(検査法技術習得のため の研修) WISC-Ⅳ、K-ABC-Ⅱなど、版権社が倫理規定等から専門性のない人への検査法を伝えた り、検査器具等を見せたりすることを認めていない検査は、教員のうち、検査実施のための 専門性が確保できる有資格者(臨床心理士、臨床発達心理士、学校心理士等)を対象とし、 検査の実施や教育への活用が可能となるような研修の場を提供した。 指定校の教員は、支援ラボでの個別支援のフィードバック等を中心に行ったため、自己研 修の場の利用はなかった。一方、指定校以外の教員(附属特別学校の教員) 、支援ラボの専 門的指導員、支援ラボの活動に関わる院生(現職教員)や学生の自己学習としては定着を見 せている(通常の授業科目の自己学習とは別に、支援ラボの活用として) 。 - 57 - 2)一般の教員向けの活用の研修(検査の詳細や道具等の提示はなし) 一般の教員向けの活用研修としては、質問紙を中心に行った。支援ラボの対象児に 実施するあるいは実施した場合の質問紙の解釈を中心とした研修であった。 表1 指定校教員を中心とした研修(アセスメント)計画 指定校 指定校 教員 以外の 支援ラボスタッフ 教員 教員 専門的 院生(現職 指導員 教員)・学 生 検査技術習得のための研修会(6-7 人) (基礎編:WISC-Ⅳ、K-ABC-Ⅱを中心に) 有 (支援ラボ:面接室) 資 検査技術習得のための研修会(3-4 人) 格 (テスティ・テスター経験を含む) 者 (支援ラボ:面接室) 向 検査技術習得のための自己学習の場の け 提供(支援ラボ:個別検査室 A・B、面接 研 室)検査必要台数:各1:計 2~3 修 支援ラボスタッフによる教員へのスー 0 パービジョン 検査必要台数:各1 1 3 6 8 (1) (2) (2) (3) 1 1 (1) (1) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 (1) 検査技術習得のための研修 一 (アセスメント概論) (人数制限なし) 般 (支援ラボ:研修室) 向 検査技術習得のための研修 け (質問紙法) (人数制限なし) 研 (支援ラボ:研修室) 修 教職員の相談 実施せず 5(個別) 0 0 0 0 LDI-R S-M、PVT-R 0 0 0 0 表内の数値は研修したのべ回数/( - 58 - 0 )は実数
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