2009年度 電磁波工学 スカラーポテンシャル,ベクトルポテンシャル 静電磁界(Static-Electromagnetic Field) → 時間変化の無い(静的)な電磁界 Maxwell の方程式で電磁界の時 間依存性が無い場合 D 0, t B 0 t E 0 E 0なので渦なし・・・ Eはラメラーベクトル D E H i H 0なので発散なし・・・ Hはソレノイダルベクト B H 0 B E jB (12) 31 t D (13) D H i i jD (14) t B 0 (15) (1) 静電界 ル (2) 静磁界 [ヘルムホルツの定理] あるベクトルwは,その回転と発散が空間の関数として与えられるとラメラー成分u とソレノイダル成分vの和に書ける。 w uv w u v (3) 'w u dV ' ラメラー (イローテショナル ; 渦なし )ベクトル 4 r r' 'w v dV ' ソレノイダル (ダイバージェンスレス ; 発散なし )ベクトル 4 r r' [ベクトル公式 ] A 0 (5) v 0 w u v u v u v A v A 0 A 0 (4) u 0 (6) (7 ) w u v u v v u u 0 2009年度 電磁波工学 32 ラメラーベクトルなの で渦なし (8) E 0なので 1 D E V dV ' dV ' dV ' (9) V スカラーポテンシャル 4 r r' 4 r r' 4 r r' A ベクトルポテンシャル 1 w H A ソレノイダルベクトル なので発散なし (10) ※ Aは, Aおよび Aを定めると w E V H i A dV ' dV ' 4 r r' 4 r r' 一意的に決まる。(ヘルムホルツの定理よ り ) H 0なので (11) (動)電磁界(Dynamic-Electromagnetic Field)のMaxwellの方程式 → 時間的に変化する電磁界 B E jB (12) t D (13) フェザーを利用して, jとする。 D t H i i jD (14) t B 0 (15) 式(12)の両辺発散をとると, E jB (16) 式(15)より, B 0なので, Bはソレノイダルベクト 1 B A H A (17) & B H ルとなり,式 (10)の定義を用いると次の ように書ける。 式(17)を式 (12)へ代入し整理すると, 次のように書ける。 E jA 0 (18) jB j A jAより, 2009年度 電磁波工学 33 式(18)より,E jA は回転(rot)が0なので,ラメラー(渦なし)ベクトルとなり,式(8)の定義と同様に次のように書ける。 E jA V (19) よって, Eについて解くと次のよ うになる。 E jA V D E jA V (20) 式(17)および(20)を,Maxwellの方程式(14)へ代入すると H 1 A j jA V i (21) 2 A A 2 A jV i, k 2 2 D H i i jD (14) この時のAおよびVを t B ローレンツゲージにおける 0 (15) ベクトルポテンシャルおよび 1 スカラーポテンシャル H と呼ぶ。 A (17) 2 A k 2 A A jV i (22) Aは, Aと Aを定めれば一意的に決 まる。 (ヘルムホルツの定理 ) ここで, A Bとしたが, Aに関しては,まだ未定 義。・・・式 (17) A jV 0 (23) ローレンツの条件 が成り立つように置く と式 (22)は非常に見やすくなる 。 ローレンツ条件を満足 するベクトルポテンシ ャルは式 (22)から次の方程式を満足 する。 2 A k 2 A i (24) また,式 (24)の発散をとると, A k 2 A A k 2 A i となり,式 (23)を用いると j V j k 2V i Aを決定し (ローレンツ条件で ), 1 Aと Vを同定した ! 2V k 2V i j 2009年度 電磁波工学 iについて考えると・・ 波源 34 ・ 連続の式の時間変化 i ˆ ˆ j 電荷密度から次式を得 る。 r r't rˆ ' アンテナの電磁界(後半) 0 ラプラスの方程式 2 2 2 V k V (25) k 0 観測点 0 ポアソンの方程式 電流分布iを与える となる。ここで,電流 O 時間変化のあるMaxwellの方程式の解法 rˆ E jA V 1 H A 2 A k 2 A i (24) 2V k 2V (25) 上式を満足するベクトルA, スカラポテンシャルVを求める。 ベクトルポテンシャルA を求める 上式に適用して電界磁界 ベクトルを求める。 A 磁界Hを求める。 式(24)および(25)の一般積分解は次式で与えられる。 i e jk r r' A dV ' (26) 4 r r' e jk r r' V dV ' (27) 4 r r' 遅延ポテンシャル を計算する。 i cos t k r r' Re Ae jt dV ' (26)' 4 r r' cos t k r r' Re Ve jt dV ' (27)' 4 r r' 波源とiの影響は|r-r’|だけ離れた点に t k r r' r r' 1 , v v だけ遅れて伝わる。 2009年度 電磁波工学 35 [補足] 電磁界の双対性(duality)[バビネの原理] 自由空間では,Maxwellの方程式は同形で,一方の式で,電界・磁界および誘電率・透磁率を次の様に 入れ替えると他方の式になる。 E H H E 問:スカラポテンシャル V c1e jkr r , r x2 y2 z 2 が,ヘルムホルツ方程式 V k V 0 を満足することを確認しなさい。 2 2 波源 rˆ rˆ ' rˆ ' O rˆ 観測点
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