GWP® White Paper GWP® Verification Good Weighing Practice™ 安全係数 再現可能な結果を約束します はじめに 計量結果は、環境、試験者、あるいは手順の定まっていないプロセスによる影響を受けます。安全で 再現可能な結果を保証するため、校正及び最小計量値の許容値に安全係数を適用して、発生する偏 差を補正します。 安全係数の効果 • 安全係数が 1 の場合、 下図のドライバーは、壁への激突を避けるために左右に振れること(≒偏差・ 誤差)ができません。道幅が狭いので、少しでも車の向きが変わると直ちに衝突してしまいます。 • 安全係数が 2 の場合、ドライバーは、風、道路の凹凸、運転中のコーヒーの服用などによって発生する 左右の振れ(≒偏差・誤差)に対して、対象の余裕が車の左右にあるため、走路を補正しながら安全に ドライブを続けることができます。 • 安全係数が 5 の場合、ドライバーは道路に鹿が飛び出てきても余裕をもって避けることができます。 計量プロセスでは、安全係数によって、正確な計量結果と許容範囲外の間のマージンが決まります。 環境、計量プロセスおよび、使用者の操作の変化によって引き起こされる偏差を回避するため、通常 は1より大きい安全係数を選択してください。 安全係数 = 1 安全係数 = 2 図 1: 車の運転における安全係数の影響 WP_GWP_Verific_Safety_Factor_JP.indd 1 2013/10/16 12:46:09 White Paper GWP® Verification 合理的な安全係数の評価の目安 安全係数の選択では、いくつかの要素を考慮します。特に重要な要素は次のとおりです。 使用者 - 取扱い技術の違いは計量結果に影響します。 • 使用者数: 使用者数が減るほど、測定結果のばらつきは少なくなります。 – 1人の使用者: 低い安全係数で満足します。 – 多数の使用者: 安全係数を増やします。 • 使用者のスキル: 使用者の経験が豊富なほど、測定結果のばらつきは少なくなります。 – 熟練した使用者: 低い安全係数を選択します。 – 経験の浅い使用者: 安全係数を増やします 環境 - 環境条件は測定結果に大きく影響します。 • 温度変化: – 1 日の変化が 5 °C 以下の場合、低い安全係数を選択します。 – 1 日の変化が 5 °C を超える場合、安全係数を増やします。 – 天びんの自動調整機能(FACTなど)が有効にされている場合、低い安全係数を選択します。 • 天びん使用中の通風: – 通風が発生しない場合、低い安全係数を選択します。 – 通風が発生する場合、安全係数を増やします。 • 計量精度に影響する静電気、磁力、およびその他の要因: – 存在しない場合は、低い安全係数を選択します。 – 存在する場合は、安全係数を増やします。 計量リスク、影響および精度 - お客様の計量プロセスにおいて許容可能な偏差・誤差はどのくらいですか? – 低リスクかつ低精度の場合、低い安全係数を選択します。 – 高リスクかつ高精度の場合、安全係数を増やします。 安全係数 > 1 外部要因による影響を受けても計量プロセスは安全です。 安全係数 = 1 運用時の変動によって、計量プロセスがエラーになる可能性があります。 安全係数 < 1 計量プロセスはエラーになります。 標準のプロセスでは、安全係数 2 が推奨されます。リスクが高いプロセスでは、3 以上の安全係数が推奨さ れます。 各計量精度と安全係数別の最小計量値の表(例) 計量精度 0.1% 0.2% 0.5% 1% 2% 5% 1x(安全係数なし) 0.16497 g 0.08224 g 0.03284 g 0.01641 g 0.00820 g 0.00328 g 2x(安全係数 2) 0.33191 g 0.16497 g 0.06575 g 0.03284 g 0.01641 g 0.00656 g 3x(安全係数 3) 0.50085 g 0.24819 g 0.09875 g 0.04929 g 0.02462 g 0.00984 g 5x(安全係数 5) 0.84489 g 0.41613 g 0.16497 g 0.08224 g 0.04106 g 0.01641 g 図 2: 計量精度 1% で安全係数 2 の場合の最小計量値の関係(メトラー・トレド SCC校正証明書(Standard Calibration Certificate)より) www.mt.com For more information メトラー・トレド株式会社 技術サービス事業部 東京 TEL:03-5815-5514 大阪 TEL:06-6266-1334 FAX:03-5815-5524 FAX:06-6266-1339 ® GWP Good Weighing Practice™ E-mail:[email protected] 技術サービスセンター 〒110-0008 東京都台東区池之端2-9-7 池之端日殖ビル1F 大阪サービスセンター 〒541-0053 大阪市中央区本町2-1-6 堺筋本町センタービル15F ©10/2013 Mettler-Toledo K.K., Printed in Japan 96900220 グローバル計量ガイドライン GWP® は計量プロセスに関するリ スクを軽減し、さらに以下のメリットを持っています。 • 適切な天びんの選定 • テスト手順の最適化によるコストの削減 • 最も一般的な規制要件への準拠 www.mt.com/GWP ●サービス内容は予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください WP_GWP_Verific_Safety_Factor_JP.indd 2 2013/10/16 12:46:09
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