スライド タイトルなし

コンクリ-トに生じるひび割れ
曲げ、せん断などの外力によるひび割れ
乾燥収縮によるひび割れ
自己収縮によるひび割れ
温度ひび割れ
施工段階のひび割れ
コンクリ-ト標準示方書
供用後の荷重作用に起因するひび割れに関する照査方法
コンクリ-ト標準示方書(設計編)
施工段階で発生するひび割れの照査方法は示されていない。
コンクリ-ト標準示方書(施工編)
施工段階で発生するひび割れが、構造物の安全性、水密性、気密性、耐久性、
美観などを損なう恐れのある場合には、本章の照査を行わなければならない。
沈下ひび割れ、プラスチック収縮ひび割れ
照査を省略しても良い
施工実績から問題のない構造物
照査を省略しても良い
施工段階のひび割れ
平成8年制定 コンクリ-ト標準示方書(施工編)
マスコンクリ-ト構造物を対象
照査方法が示されている
広がりのあるスラブ
下端が拘束された壁
厚さ80cm~100cm以上
厚さ50cm以上
施工段階のひび割れ
平成11年制定 コンクリ-ト標準示方書(施工編)
コンクリ-ト構造物を対象
水和発熱 自己収縮および乾燥収縮ひび割れ
施工段階で発生するひび割れが、構造物の安全性、水密性、
気密性、耐久性、美観などを損なう恐れのある場合
施工計画段階で照査
示方書の主な改訂点
マスコンクリ-トのひび割れ照査
コンクリ-トのひび割れ照査
コンクリ-ト構造物の
引張強度と引張応力の比
温度ひび割れ指数
コンクリ-ト供試体の引張強度特
性値と引張主応力算定値との比
ひび割れ指数
自己収縮を考慮した
定義の変更
自己収縮を含む
示方書の主な改訂点
ひび割れ指数
I cr t    cr
ひび割れ発生確率
 cr  1.75
25%
 cr  1.45
ひび割れ指数
85%
 cr  1.00
5%
ひび割れ指数と安全係数に
より照査
100
90
ひ 80
び 70
割
れ 60
発 50
生 40
確 30
率 20
10
0
0.5
1.0
1.5
安全係数 cr
2.0
ひび割れ発生危険度および
限界状態設計法における安全照査の式と同様の形式で評価
ひび割れ指数の精度に係わる安全係数
ひび割れ発生確率図、引張強度の設計用値の変更
示方書の主な改訂点
外部拘束係数の見直し
外部拘束係数の適用範囲の拡張
層状打設の場合精度向上
温度応力の簡易計算法
CL法
CP法
スラブ状構造物
壁状構造物
外部拘束係数
岩盤や地盤などの拘束体がマスコンクリ-ト構造物
を拘束する効果を表す。
示方書の区分
【平成11年制定】
【平成8年制定】
10章 施工
10.11 マスコンクリートの施工
10.11.1 一般
10.11.2 打込み区画、リフト高さ
および継目
10.11.3 打込み
10.11.4 養生
10.11.5 型枠
10.11.6 ひび割れ誘発目地
17章 マスコンクリート
17.1 総則
17.2 材料
17.3 配合
17.4 製造および施工
17.4.1 一般
17.4.2 製造
17.4.3 打込み区画、リフト高さ
および継目
17.4.4 打込み
17.4.5 養生
17.4.6 型枠
17.4.7 ひび割れ誘発目地
17.6 品質管理および検査
示方書の区分
【平成11年制定】
4章 施工段階における
ひび割れ照査
4.1 一般
4.2 セメントの水和に起因
するひび割れ照査
4.2.1 一般
4.2.2 温度解析
4.2.3 熱物性の設計値
4.2.4 応力解析
4.2.5 コンクリートの力学的
特性の設計値
4.3 乾燥に伴うひび割れの照査
【平成8年制定】
17章 マスコンクリート
17.5 温度ひび割れ発生の検討
17.5.1 一般
17.5.2 温度ひび割れ指数に
よる評価
17.5.3 温度解析
17.5.4 熱物性値
17.5.5 温度応力解析
17.5.6 コンクリートの力学的
特性値
17.5.7 鉄筋による温度ひび
割れ幅の制御
マスコンクリ-トの定義
広がりのあるスラブ
厚さ80cm~100cm以上
マスコンクリ-トの定義
下端が拘束された壁
厚さ50cm以上
壁状構造物の温度ひび割れの特徴
•壁に発生した温度ひび割れの90%が貫通ひび割れ
•ひび割れ幅
大半が0.1mm~0.3mm
•ひび割れ間隔
目地を設けない例
2~6m
目地を設置した例
目地間隔3~7.5m
•ひび割れ発生時期
ほとんどが1週間~2週間
スラブ状構造物の温度ひび割れの特徴
•スラブに発生したひび割れの70%が表面ひび割れ。
•貫通ひび割れは、20%程度
•ひび割れ幅
大半が0.1mm~0.3mm
•ひび割れ間隔
5~25m
•ひび割れ発生時期
数日~数週間
温度ひび割れ発生のメカニズム
水和反応
セメント+水+骨材
温度分布が生じる
コンクリ-ト
水和熱
温度変化に伴う構造体の体積変化が拘束
引張応力>引張強度
応力の発生
ひび割れの発生
セメントの水和熱
中庸熱ポルトランドセメント + 水
セメント硬化体
l kg
熱エネルギ-
80kcal
水
1kg
20℃
100℃
断熱温度上昇量
(打込温度:20℃)
70
60
普通(400kg/m3)
中庸熱(400kg/m3)
57℃
49℃
46℃
40
39℃
断熱温度上昇量
(℃)
50
普通(300kg/m3)
30
中庸熱(300kg/m3)
20
10
0
0
1
2
3
4
材齢
5
6
7
8
セメント種別の終局断熱温度上昇量
C=300kg/m3
セメント種類
普通ポルトランド
中庸熱ポルトランド
高炉C
フライアッシュC
早強ポルトランド
終局断熱
温度上昇量
(℃)
46
39
45
44
51.7
打込温度:20℃
備考
セメント種類
(低熱セメント)
A社(2成分)
A社(3成分)
B社(超低熱)
B社(ビ-ライト)
実験値
C社
D社
E社
E社
終局断熱
温度上昇量
(℃)
26.7
25.7
23.5
26.6
33.8
39.7
28.9
29.2
備考
280kg/m3
240kg/m3
314kg/m3
温度応力の発生メカニズム(内部拘束応
力)
温度応力(引張)
温度分布
温度応力(圧縮)
温度応力(圧縮)
温度分布
既設コンクリ-ト、岩盤
温度応力(引張)
内部拘束応力の概念図
この部分のみ
温度上昇
引張
圧縮
引張
温度応力の発生メカニズム(外部拘束応
力)
既設コンクリ-ト、岩盤
拘束がない場合
自由に変形し、ひび割れを生じない。
(点線は温度降下後の自由変形)
既設コンクリ-ト、岩盤
拘束がある場合
ひび割れを生じる。
(点線は温度降下後の拘束された変形)
外部拘束応力の概念図
温度が高い状態で固定される。
拘束されているためひび割れが発生
温度降下に伴い縮もうとする。
外部拘束応力によるひび割れの例
橋脚に生じる温度ひび割れ
外部拘束応力によるひび割れの例
高欄に生じるひび割れ
厚さ50cm以上
外部拘束応力によるひび割れの例
PCタンクに生じる温度ひび割れ
ひび割れの発生
引張応力<引張強度
ひび割れは発
生しない。
引張応力>引張強度
ひび割れ発生
温度ひび割れが起こるかどうか?
引張応力?
引張強度?
バラツキを持った不確定量
SーRモデルによるひび割れ発生確率の算定
引張応力 S
引張強度 R
R
確率密度
S
f S s 
S S
R R
FR s 
f S s ds
s
ds
f R r 
応力または強度
S-R(Stress-Resistance)モデル
引張応力Sが引張強度Rを越えたとにひび割れが生ずると考えるものであり、引張
応力および引張強度の重なりあった部分がひび割れ発生確率を求める尺度となる。
ひび割れ発生確率の算定
R  S または Z  R  S  0
ひび割れ発生
引張強度
ひび割れ発生確率
引張応力
Pf  Pr obZ  0
平均値μR、標準偏差σRの正規分布
R, S が N  R ,  R , N  S ,  S 

N Z , Z   N R  S ,  R2   S2
と仮定

Pf  Pr obZ  0
 1  z  
0
1
Z


exp - 

2  z 
 2   Z



2
      
  
R
S 
S
 
 1   R
  2  2 
  2  2
R
S 
R
S



dz





ひび割れ指数の定義の変更
どの程度の差が
あるのか不明
引張強度 R の平均値μR
材料試験から得られる引張強度 ftk(特性値)
μR : 引張強度 R の平均値
μS : 引張応力 S の平均値
引張応力 S の平均値μS
温度応力解析による引張応力の予測値 σt
どの程度の差が
あるのか不明
SーRモデルによるひび割れ発生確率の算定
引張応力の算定値
引張応力 S
引張強度 R
確率密度
t
f S s 
f tk
S S
R R
FR s 
f S s ds
s
ds
引張強度の特性値
f R r 
応力または強度
S-R(Stress-Resistance)モデル
温度ひび割れの検討
温度解析
FEM(有限要素法)
応力解析
FEM,CP法(CL法)
温度ひび割れの発生評価
ひび割れ指数
f tk t 
I cr t  
 t t 
マスコンクリ-トの温度解析
有限要素法による非定常熱伝導解析
温度解析に必要な熱特性値
・コンクリ-トの発熱特性
・熱伝導率
・熱伝達率
・比熱・密度
・外気温、打込み温度
マスコンクリ-トの応力解析
CL法、CP法
応力解析に必要な熱特性値
・熱膨張係数
・圧縮強度、引張強度
・ヤング係数
・クリ-プ特性
・外部拘束係数、外部拘束度
有限要素法
ひび割れ指数の定義
f tk t 
I cr t  
 t t 
ftk(t) : 材齢 t 日におけるコンクリ-ト引張強度特性値
σt(t) : 材齢 t 日におけるコンクリ-ト最大主引張応力度
(自己収縮を考慮した応力度)
ひび割れ指数は材齢によって変化するので一番小さくなる値を材齢
を変えて求める。
自己収縮が無視できない場合の応力算定
水和発熱による体積変化と自己収縮の両方を考慮して応力を算定
 ij ,ef   ij   ij ,T   ij ,ag
εij : 全ひずみ
εij,ef : 有効ひずみ
εij,T : 温度ひずみ(=αΔTδij)
εij,ag : コンクリ-トの自己収縮ひずみ
(時間の関数と考えて良い)
ひび割れ照査
ひび割れ指数による照査
I cr t    cr
引張強度特性値
f tk t 
I cr t  
  cr
 t t 
安全係数
体積変化に起因した応力
ひび割れ発生確率図の変更
平成6年アンケ-ト調査結果
による確率曲線
引張応力 S
S
引張応力 S
t
確率密度
確率密度
引張応力の算定値
f tk
R
引張強度の特性値
自己収縮の影響は考慮していないが影
f S fsSs 
f r  f r 
 
R
    
響の少ないケ-スがほとんど
f s ds
F s 
f S s ds
FR s 
S
S
S
R
S
R
R
R
R
S
R
100
s
ひび割れ発生確率(%) Pf
引張強度 R
引張強度 R
ds
応力または強度
応力または強度
ds
S-R(Stress-Resistance)モデル
s
80
材料試験の引張強度
発生応力の予測値
60
40
20
00
新たに定義したひび
割れ指数Icrに等しい
平成8年施工編の
確率曲線に等しい
(V=0.28)
0.5
1
ひび割れ指数 Icr
1.5
2
同じひび割れ発生
確率図が使用可
100
ひび割れ発生確率(%) Pf
引張強度の設計用値の変更
80
平成3年制定
60
40
材齢 t 日のコンクリ-トの引張強度
ft(t)
f t t   0.44 f c0t 
20
0
0.5
1
ひび割れ指数 Icr
平成6年のアンケ-ト調査結果
0I
cr=1.26の時にPf=0.5
平成8年制定
0I
cr=1の時にPf=0.5となるように平行移動
0.44
f t t  
1.26
f ct   0.35 f c f 
1.5
2
安全係数とひび割れ発生確率
ひび割れ発生確率(%) Pf
100
90
80
70
発生を許容するが、ひび割れ幅が
できるだけ
ひび割れを
過大とならないように制限したい場合
制限したい場合
防止したい場合
60
50
40
30
20
10
1.0以上
1.45以上
1.75以上
0
0.5
1.0
1.5
安全係数 γcr
2.0
温度ひび割れ制御技術
低発熱セメントの使用
材料
温
度
ひ
び
割
れ
制
御
技
術
配合
セメント量の低減
温度ひび割れ抑制用混和材料の使用
温度差、温度降下速度の低減
施工
温度上昇の低減
拘束の緩和
ひび割れの集中、拘束の緩和
設計
ひび割れの分散
低発熱性セメントの分類
JIS規格内
二成分系
混合
セメント系
スラグ
ポルトランドセメント
三成分系
高炉セメントB種
フライアッシュセメントB種
JIS規格外
JIS規格外
スラグ
フライアッシュ
ポルトランドセメント
低発熱形
セメント
JIS規格内
ポルトランド
セメント系
中庸熱ポルトランドセメント
JIS規格外
低発熱性セメント使用上の注意
① 初期強度の不足
強度発現が長期になり、長期の養生が必要で施工期間が長くなる。
② 凝結の遅延
混合系では、凝結が遅くなり、打ち継ぎ時間に余裕がでる反面、仕上げ
時間が遅くなる。
③ ブリ-ジング量の増大
一般に普通セメントに比べブリ-ジング量が多くなる。
④ 中性化速度が速い
混合系の低発熱セメントでは、クリンカ-量が少ないため、中性速度が速い。
温度差、温度降下速度の低減
保温養生(シ-ト、断熱材)
内部拘束応力が卓越して発生する表面ひび割れに効果的
LNG地下タンクの底版
高層ビルのベ-スマット
ひび割れ誘発目地
壁状構造物のひび割れ制御対策として広く用いられている。
目地部の欠損率、間隔、構造などが重要
欠損率の標準値 20~30%
目地部の間隔 4~5m
ひび割れ制御鉄筋
発生が予測されるひび割れと直交する方向に鉄筋を配置
ひび割れ幅を制御
鉄筋応力を140N/mm2程度以下に制御
プレク-リング
コンクリ-トの打込み温度を低減
冷却対象
練混ぜ水(冷水)
・温度応力の低減
練混ぜ前に材料
・長期的な強度の増進
プ
を冷却
練混ぜ水(氷)
細 骨 材
レ
粗 骨 材
ク
費用対効果の面からあまり普及し
ー
セメント
リ
ていない。
ン
練混ぜ中にコン
グ
コンクリ-ト
クリ-トを冷却
の
方
法
打込み前コンク
リ-トを冷却
コンクリ-ト
パイプク-リング
コンクリ-トダム、大型橋脚基礎etc.
初期材齢における内部温度の最大値を下げる。
パイプの径
外径34.0mm、内径27.6mmの1インチ管が多く用いられている。
PC鋼材用シ-スを用いる場合もある。
パイプの材質
水道用亜鉛めっき鋼管や配管用炭素鋼管が多い。
パイプ間隔
実例によると、50cm~75cm間隔で配置しれいる例が多い。
配管長さ
100m~150m以下としている場合が多い。
通水温度
通水温度が低いとパイプ周辺コンクリ-トの温度勾配が大きく
なり、かえってひび割れを助長する。温度差の目安は20℃以下
通水量
1インチのパイプを用いる場合には毎分10~20㍑の範囲で通
水している例が多い。
通水期間
数日から6日以内が多い。