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2011/06/25
格成分から見た特許請求項の
概念モデリング
赤間 淳一(デジタル・インフォメーション・
テクノロジー株式会社)
安彦 元(ミノル国際特許事務所)
綾木 健一郎(磯野国際特許商標事務所)
片岡 敏光(株式会社パットブレーン)
「地図」は実世界のモデルである
地図(モデル)
モデリング(モデル化)
実世界(山、川、平野、街、道路、建物)
「発明」は実体、実世界のモデルである
発明(概念モデル、技術的思想)
モデリング(モデル化)
実世界(機械、製造物、組成物、方法)
発明の概念モデルは特許明細書にある
発明がモデル化されたクレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を変調して外部に出射することにより情報を送信する送信部
と、外部から入射されたレーザ光を受光して受信信号を生成しその受信
信号を復調することにより情報を受信する受信部とを有し、レーザ光を
用いた光空間伝送を行う光空間伝送装置において、
受光したレーザ光を光電変換して受信信号を生成する光電変換手段
と、上記光電変換手段により生成された受信信号を増幅する第1の増
幅手段と、上記第1の増幅手段により増幅された受信信号を増幅する
第2の増幅手段と、上記第1の増幅手段により増幅された受信信号の
低周波成分を検出し、検出した低周波成分に基づき上記第1の増幅手
段の出力が一定となるように上記第1の増幅手段の増幅度を制御する
第1の制御手段と、上記第1の増幅手段により増幅された受信信号の
高周波成分を検出し、検出した高周波成分に基づき上記第2の増幅手
段の出力が一定となるように上記第2の増幅手段の増幅度を制御する
第2の制御手段とを備える光空間伝送装置。
(特開2000-224111公開公報)
IT分野(産業、学術)におけるモデリング
モデル(仕様記述、伝達手段)
モデリング(モデル化)
ビジネスシステム、技術システム
UML(統一モデリング言語)
Unified Modeling Language
ビジネスシステム、技術システムをモデリング
するための語彙(ボキャブラリ)とグラフィカル
表記法を定めた、仕様記述言語の世界標準。
OMG(Object Management Group)がUML
の標準化を管理している。
ユースケース図、クラス図など、十数種類のダ
イアグラム記法がある。
UMLユースケース図のダイアグラム記法
引用元:http://thinkit.co.jp/article/40/2/
ユースケース図のサンプル
UMLクラス図のダイアグラム記法
引用元:http://thinkit.co.jp/article/40/3/
クラス図のサンプル
クレームをシナリオ(動的な振る舞い)として
モデリングする
クレームを表現したユースケース図
クレームをオブジェクト(静的な物・構造・
配置)としてモデリングする
結論:UMLによるクレーム記述の限界
UMLのユースケース図、クラス図は、クレー
ムをモデリングしてダイアグラム化するヒント
にはなるが、そのままではクレームを表現で
きない。
動的な振る舞い(機能性、シナリオ)、静的な
構造・配置(オブジェクト性)を両方記述できる
記法が必要となる。
これを、ClaimML(クレームモデリング言語)
研究の端緒とする。
目標:ClaimML(クレームモデリング言語)
 グラフィカル表記法
 語彙(ボキャブラリ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を変調して外部に出射することにより情報を送信する送信部と、外部から入射された
レーザ光を受光して受信信号を生成しその受信信号を復調することにより情報を受信する受信部
とを有し、レーザ光を用いた光空間伝送を行う光空間伝送装置において、
受光したレーザ光を光電変換して受信信号を生成する光電変換手段と、上記光電変換手段によ
り生成された受信信号を増幅する第1の増幅手段と、上記第1の増幅手段により増幅された受信
信号を増幅する第2の増幅手段と、上記第1の増幅手段により増幅された受信信号の低周波成
分を検出し、検出した低周波成分に基づき上記第1の増幅手段の出力が一定となるように上記第
1の増幅手段の増幅度を制御する第1の制御手段と、上記第1の増幅手段により増幅された受信
信号の高周波成分を検出し、検出した高周波成分に基づき上記第2の増幅手段の出力が一定と
なるように上記第2の増幅手段の増幅度を制御する第2の制御手段とを備える光空間伝送装置。
ClaimML に期待される道具としての効果
クレームのリーダビリティ(読みやすさ、理解・
説明のしやすさ)を向上させ、発明の内容や
価値を多くの人に伝達しやすくする、コミュニ
ケーションの道具として
クレームをモデル作成から始めることによる、
日本語クレーム、英語クレーム、他の言語の
クレームといった出願言語にとらわれないク
レーム作成と、クレーム翻訳の効率化の道具
として
発明を支援する道具として
動詞を楕円、名詞を四角形で記述する
動詞
機能性やシナリオなどの
動的な振る舞い
名詞
物、構造、配置などの
静的なオブジェクト
関連を直線で記述する
名詞
動詞
名詞
名詞
名詞
名詞句を格の枠組みで記述する
格(case)の枠組み
名詞
シナリオ
名詞
格成分
動詞
名詞
格成分
名詞
格成分
発明の概念モデルは特許明細書にある
発明がモデル化されたクレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を変調して外部に出射することにより情報を送信する送信部
と、外部から入射されたレーザ光を受光して受信信号を生成しその受信
信号を復調することにより情報を受信する受信部とを有し、レーザ光を
用いた光空間伝送を行う光空間伝送装置において、
受光したレーザ光を光電変換して受信信号を生成する光電変換手段
と、上記光電変換手段により生成された受信信号を増幅する第1の増
幅手段と、上記第1の増幅手段により増幅された受信信号を増幅する
第2の増幅手段と、上記第1の増幅手段により増幅された受信信号の
低周波成分を検出し、検出した低周波成分に基づき上記第1の増幅手
段の出力が一定となるように上記第1の増幅手段の増幅度を制御する
第1の制御手段と、上記第1の増幅手段により増幅された受信信号の
高周波成分を検出し、検出した高周波成分に基づき上記第2の増幅手
段の出力が一定となるように上記第2の増幅手段の増幅度を制御する
第2の制御手段とを備える光空間伝送装置。
(特開2000-224111公開公報)
無題
無題
(特表2005-518777)
日本語クレーム
(特表2005-530714)
英語クレーム
(WO 2003/080108)
ClaimML に期待される道具としての効果
クレームのリーダビリティ(読みやすさ、理解・
説明のしやすさ)を向上させ、発明の内容や
価値を多くの人に伝達しやすくする、コミュニ
ケーションの道具として
クレームをモデル作成から始めることによる、
日本語クレーム、英語クレーム、他の言語の
クレームといった出願言語にとらわれないク
レーム作成と、クレーム翻訳の効率化の道具
として
発明を支援する道具として
知財・特許分野とIT分野との学際的研究
知財・特許分野
IT分野
モデリング
クレーム
ClaimML
UML
格成分
格文法、格理論
言語学