コンクリート工学」 の開講にあたって

「材料実験」ガイダンス
-材料実験の目的・意義-
コンクリート工学研究室
岩城一郎
コンクリートとは?
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水,セメント,砂,砂利を練り混ぜ,型に流しこみ,固めた
もの.
圧縮に強く,引張に弱い.
はじめ軟らかく,時間が経つと硬くなる.
周囲の環境(温度・湿度,塩分等)の影響を受けやすい.
コンクリートは正直:いい加減に作ればいい加減なもの
ができる.逆に,ミスなく,親切に,丁寧に作れば品質の
良いものができる.
「やんちゃな材料」(でも安くて,入手しやすい)
その性質をよく知り,法則に従い,きちんとその品質を制
御すれば,丈夫で,長持ちし,なおかつ経済的な構造物
を作ることが可能
鋼材(鉄筋)とは?
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鉄鋼メーカーの工場で鉄を原料として製造されるもの.
(工場製品)
引張にも強い
品質のばらつきが少なく,経時変化も少ない:「優等生」
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引張に弱いコンクリートを鋼材により補強して使われる.
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鉄筋コンクリート構造とは?
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コンクリートと鉄筋という性質の異なる2種類の材料を組
み合わせた構造:組み合わせ方を誤ると劣悪なものが
出来上がる→個々の性質を知ることが重要
材料実験の目的・意義
実験を通して,
 建設材料として最も広く使われているコンクリー
トと鋼材(鉄筋)の性質を体得する.
 コンクリートは非常にデリケートな材料であること
を体得する.
 コンクリートの性質を制御する上で必要な法則を
体得する.
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良い鉄筋コンクリート構造物を設計・施工・
維持管理する下地ができる.
さらに・・・
SI単位に慣れる.
 有効数字を意識する.
 専門用語(Technical Term)をしっかりと覚える.
 班内で一致協力し,効率的に作業を進めること
により,どうすれば短時間で,質の高い仕事を
行うことができるか,修得する.
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