論理回路基礎 1. アナログ と ディジタル 五島 正裕 論理回路基礎 アナログ と ディジタル アナログ,ディジタル: 情報処理の過程: 記録/伝送 と 処理 において, 媒体の持つ物理量 と それが表現する値 との 写像の方式 論理回路基礎 媒体の持つ物理量 媒体 物理量 電気回路,電子回路 電圧,電流 HD,磁気テープ 磁界 CD, DVD (読み出し) 反射光の強度 DRAM,Flash 電荷 FeRAM (Suica) 電界強度 OUM(読み出し) 電気抵抗 AM, FM, PSK 電波強度,周波数,位相 論理回路基礎 アナログ と ディジタル 情報処理の過程において, 媒体の持つ物理量 と それの表す値 との 写像の方式 アナログ:連続 連続的なデータ ⇔ 媒体の連続的な状態 ディジタル:離散 離散的なデータ ⇔ 媒体の離散的な状態 そもそも取り扱うものが違うので,単純な比較は困難! A/D,D/A変換込みで比較するのがフェア 論理回路基礎 アナログ と ディジタル 処理系 アナログ 回路 入力 (アナログ) アナログ 回路 出力 (アナログ) アナログ媒体 入力 (アナログ) A/D 変換 ディジタル 回路 ディジタル 回路 ディジタル媒体 D/A 変換 出力 (アナログ) 論理回路基礎 物理量 と 値 の 写像 値 値 閾値 3 2 1 O 物理量 アナログ O 物理量 ディジタル 論理回路基礎 アナログ,ディジタル と 信号劣化 アナログ,ディジタルの優劣 信号劣化が重要 信号劣化の要因: ノイズ 経年劣化 出力側の精度の限界 観測側の精度の限界 … 論理回路基礎 アナログ,ディジタル と 信号劣化 劣化がなければ(S/N 比∞)… アナログがよい アナログ: 情報量∞ ディジタル: 量子化誤差がある – 8b(256階調)で 0.4%(≒ 人間の識別限界) – ビット数を増やせば,誤差は減る 論理回路基礎 アナログ,ディジタル と 信号劣化 劣化があるので… ディジタルがよい アナログ: 決して元に戻らない ディジタル: 閾値未満のノイズなら,完全に元に戻る – 2値なら,10~20% くらいなら耐えられる – ただし,それでも誤るとアナログより致命的になり得る 論理回路基礎 具体例 - 時計(文字盤) 時計の文字盤: 「時刻」という連続物理量を表現 アナログ文字盤(esp. 連続運針) 時針の物理位置(角度)で表現 ⇒ 連続 針がぶれなければ,無限の精度で分かる 実際には,1秒未満を見分けることは難しい ディジタル文字盤 数字で表現 ⇒ 離散 見間違えにくい 「1」と「2」の間の数字とかはない 1 秒未満は まったく分からない 論理回路基礎 多値ディジタル回路 値の数 3値 例 MLT-3(Multi Level Transmission-3) Flash Memory 4値 XDR(PS3 の DRAM の I/F) 8値 8PSK (Phase Shift Keying) 10値 10進表示 16値 16PSK 論理回路基礎 ディジタル の メリット(まとめ) 記録/伝送 ノイズによって誤りが発生しにくい コピーや経年によって情報が劣化しにくい 再現性が高い 処理 ディジタル式のコンピュータとの親和性が高い プログラミング可能 – 圧縮が容易 – 誤り訂正符号などによる誤り訂正が可能 –… 論理回路基礎 ディジタル回路 と 論理回路 ディジタル回路 物理的 通常は,Low/High の2つの物理状態を扱う 通常は,電気回路 論理回路 抽象的,モデル 真理値の 0/1,false/true を扱う ディジタル回路で作る 論理回路基礎 英語の教科書 Zvi Kohavi, Switching and Finite Automata Theory, 2nd Ed., McGraw Hill, 1978. J. P. Hayes, Introduction to Digital Logic Design, Addison Wesley, 1993. J. Wakerly, Digital Design -Principles and Practice- 2nd. Ed., Prentice Hall, 1994. Daniel Gajski, Principles of Digital Design, Prentice Hall, 1997. 論理回路基礎 来週の予定 2進数
© Copyright 2024 ExpyDoc