医療制度改革とこれからの公衆衛生 いきいき公衆衛生の会自由集会 IN 富山 高知県中央東福祉保健所長 田上 豊資 けんこう高知 経済財政諮問会議等の圧力と厚生労働省の医療費適正化策 老人医療費の伸びの推計(自然体) 12.2兆(2007年) ⇒ 33.7兆(2025年) 生活習慣病予防 × 56兆 兆円 60 倍 増 自然増 50 56兆 厚生労働省 49兆 40兆 諮問会議 40 42兆 28兆 制 度 の 持 続 可 能 性 中 長 期 的 対 策 在院 日数 短縮 医療連携 在宅療養 療養病床 転換縮小 受け皿整備 30 ・経済成長(GDP の伸び)に見合っ た医療費の総額 抑制を 20 ・保険給付の範囲 の見直し 10 0 2006年 2015年 2025年 短 期 的 対 策 再保 編険 統者 合の 診療報酬の 適正化 保険給付の 範囲の見直し 老人医療・国保 の見直し 政管健保・健保 の見直し 中長期的な医療費抑制策と各種計画の関係 医療計画(県) 市町村健康増進計画 入を抑える:予防 高齢者の 長期入院が 主要因 ・健康づくりの普及啓発 (ポピュレーションアプローチ) ・脳卒中、がん、心筋梗塞等の疾病や救急・へ き地等の分野別に、患者の流れを明確化し て、流れをスムースにする(数値目標も設定) 出を促進 ①連携パス ②ベット↓ ・がん検診等の実施 ・受け手に分かり易く情報提供 ・数値目標の設定 ・在宅医療の充実強化。地域包括ケアの推進 (2-①)医療機能の分化と連携 都道府県による 調整支援・協力 県健康増進計画 保険者協議会 急性期 ⇒ 回復期 (1)生活習慣病予防 地域・職域連携 推進協議会 特定健診・特定保健 指導実施計画(保険者) × 入 院 ・健診と保健指導を医療保険者 の責務として位置づけ (レセプト情報の有効活用) ・内臓脂肪症候群に重点化した 健診と階層化した保健指導 ・数値目標の設定と評価 (評価結果が支援金の加算、 減 算の根拠に) ・民間事業者の積極的活用 (アウトソーシング) ⇒ 慢性期 介護保険施設 ○ 在宅 (3)受け皿整備 × 在院日数の短縮 (2-②)療養病床の縮小転換 療養病床の多 いところは、影 響が甚大! 介護保険事業 (支援)計画 地域ケア整備構想(県) ・医療療養病床と介護療養病床の縮小およ び転換の目標設定 ・縮小、転換後の受け皿整備に関する基本 的 な方針と目標設定 ・受け皿となる介護保険施設等の整備 ・マンパワーの確保 ・在宅(居宅)医療体制の充実強化 ・在宅福祉サービスの充実 市町村・圏域単位の検討? 厚生労働省の生活習慣病予防対策 いきいき 医療費適正化が目的化 何のための生活習慣病予防か 適正化効果のエビデンスが希薄(25%、2兆円↓??) ハイリスクアプローチ重視 健康局主導から保険局主導へ ハイリスクは国保、ポピュレーションはヘルスに分断 パブリックヘルスの危機 目標管理とPDCA 他律的管理(支援金の加算・減算)になると危険 06/10/26 高知県中央東福祉保健所 3 ぼやいていても・・・ 発想転換しよう! いきいき ブレない公衆衛生の原点を確認しよう 国の政策のブレに振り回されない基軸を自分たち の中に 『玉ねぎか、饅頭か』『饅頭のあんこは?』 ピンチをチャンスにしよう! 事業(手段)の目的化からの脱却 住民ニーズを確認し、仕事の仕方を見直すチャンス ハイリスクからヘルスプロモーションへ 06/10/26 高知県中央東福祉保健所 4 ピンチをチャンスに!! いきいき 入り口はハイリスクでも、ゴールはヘルスプロモー ション(健康なまちづくり) アウトソースは、ハイリスク対応の資源と考えよう 大切なことは、個別保健指導後のゴール姿をイメージ 化し共有すること(目的の共有化) 課題も答えも現場にある(生活者起点への転換) 「誰のため、何のため?」を立ち止まって考えてみよう 国保との連携は、現状把握(ニーズ把握)のチャンス やったことの手応えを感じ取れる仕組みをつくろう 06/10/26 高知県中央東福祉保健所 5 医療制度改革は、保健所にとってもチャンス いきいき 立ち入り検査等、規制監督行政を超えて 医療はもとより保健・福祉のバックに医療が・・ 橋渡し役(つなぎ役)としての保健所 地域住民と医療機関 医療機関間、医療と福祉 市町村(保険者)と医療機関 06/10/26 高知県中央東福祉保健所 6 高知県中央東福祉保健所の取り組み いきいき 市町村長への説明(8月) 市町村への改革全体の影響 緊急的かつ組織横断的な推進体制づくりの提案 担当課長(保健、国保、介護、福祉)の共通理解(8,9月) 保健所と市町村内に医療制度改革に対応する組 織横断的なチームを編成(10月) 特定健康診査等実施計画づくりのための現状把握の を開始(協働実施) 06/10/26 高知県中央東福祉保健所 7 医療保険制度改革の市町村への影響 生活習慣病予防 × 中 長 期 的 対 策 制 度 の 持 続 可 能 性 在院 日数 短縮 医療連携 在宅療養 療養病床 転換縮小 受け皿整備 短 期 的 対 策 再保 編険 統者 合の 診療報酬の 適正化 保険給付の 範囲の見直し 老人医療・国保 の見直し 政管健保・健保 の見直し ①平成20年から、メタボリック症候群を主な対象とする健診と保健指導が、保険者の役割に ②市町村の健康づくり体制が、市町村と保険者(国保)に分かれる ③検診や保健指導の実施率が悪いと、高齢者医療保険制度への支援金が加算される ④逆に、実施率を上げるためには、保健師等のマンパワーの確保が課題に(直営、委託) ①介護療養病床が、H23年度末に廃止され、老人保健施設等への転換が求められる ②医療療養病床の中の医療度の低い患者の報酬が激減。医療から介護へのシフトが進む。 ⇒ 国の推計をそのまま当てはめると、①②で約5000床 ⇒ 医療療養病床利用者の6割近くが低所得者。要介護度4・5が8割を占めている。 ③医療療養病床からの転換は、介護保険料を引き上げることに ①地域ケア整備構想を策定する中で、病床転換数と受け皿整備の目標量を設定。 ②受け皿整備は、第4期介護保険事業(支援)計画に盛り込む必要がある ⇒ 介護保険料のアップは必至。どう調整するか? ③転換整備に係る支援策をどうするか(地域密着型は市町村) ④在宅医療、在宅福祉に関する基盤の充実強化が必要 ①高齢者の医療費に関する自己負担が増加。(低所得者には一定の配慮) ②介護保険料のアップも重なり、負担がますます重くなる ①医療保険制度改革により、国保・老人医療に関する事務が増大 ⇒広域連合の設置準備(本年度中) ⇒18年10月から患者負担の見直しに係る準備 ⇒20年4月からの新高齢者医療保険制度への本格移行への準備。 ②H20年から、検診と保健指導が国保の事業に移行 医療制度改革と医療費適正化に関するスケジュールの概要 18 19 20 21 22 23 24 25~29 高知県よさこい健康プラン H13~H22 生活習慣病予防 健康増進計画(県・市町村) × 中 長 期 的 対 策 在院 日数 短縮 医療連携 在宅療養 特定検診・特定保健指導実施計画(保険者) 第4期 医療計画 H14.9~H19.9 夏 療養病床 縮小転換 25年から実績 評価がスタート 医療計画(県) 夏 例)受診率等で支 援金を加算・減算 地域ケア整備構想 介護療養病 床の廃止 モデル事業 制 度 の 持 続 可 能 性 受け皿整備 第4期介護保険事業(支援)計画 県・市町村 第3期 介護保険事業(支援)計画 7月~医療療養病床 の評価見直し 短 期 的 対 策 再保 編険 統者 合の 診療報酬の 適正化 第4期 介護・・計画 (H24~26) 第2期 医療費適正化計画 第1期医療費適正化計画 診療報酬改訂 ▲3.16% 診療報酬改訂 診療報酬改訂 診療報酬改訂 ①現役並所得高齢者 患者負担 2割⇒3割 ②療養病床 食費・居住費負担 ③高額療養費自己負担限度額↑ 保険給付の 範囲の見直し 老人医療・国保 の見直し 傷病手当金・出産手当金の支給率等の見直し 10 広域連合 の設置 ①70~74歳の患者負担 1割 ⇒ 2割 事前準備 国保の見直し準備 政管健保・健保 の見直し ②乳幼児2割負担 3歳未満⇒就学前 新たな高齢者医療保険制度 新国保制度 地域型健保組合保険料不均一設定(H18.10~) 退職者医療保険制度(H26年度まで経過措置) 政管健保公法人化(H20.10~)
© Copyright 2024 ExpyDoc