スライド 1

 P (grad P )の方向と大きさを
ベクトルのまま理解する方法
三重大学・大学院生物資源学研究科
共生環境学専攻
地球環境気候学研究室
教授 立花義裕
x,y,z成分に分けて考えてしまうと
折角のベクトルの効能が薄れる。
(grad P)
P
をベクトルで理解しよう!(まずは解りやすいように2次元で考える)
気圧 P( x , y ) の変化量 dP( x, y ) を分解してみる。全微分の定義から、
dP( x , y )
 P
P
P
P
i

dx 
dy  
y
x
y
 x
P の勾配ベクトル
 P d r
P の d r


j   dx i  dy j


位置ベクトル(位置の微少変化)
方向の成分のみが効く(内積の定義から)
 Pはどっち向いているのだろうか??
等圧線で考えてみよう
dr
d rT
d rT
drR
P3
P2

は等圧線に平行( P
 const )
d r T 方向へ移動しても圧力は変化しない
内積の定義より  P と d rT は直交している
=  Pと
P1

P  d r  P  d rT  d rR ベクトルの分解
 P  d rT  P  d rR dPT  P  d rT
dPR  P  d rR
 dPR  dPT
dPT  0
P  d rT  0
d rRは同じ方向を向いている
 P の向きは
P  d r  P  d rR 等圧線に対して直交!
 P の大きさについて考える
等圧線に直角な d r (θ=0°)をとると
A:等圧線が込んでる場合
B:等圧線が空いている場合
dP  P  d r
 P  d r  cos  P  d r
気圧の変化量dP
A
 4と仮定する(等圧線4本分)
P4
等圧線4本分進む距離を d r と考える
dPr  1
Aの圧力勾配
Bの圧力勾配
dP
dP
4
P 
 4
dr 1
P3 P2 P1 P0
4
P 
 2
dr 2
dr
B
Aの方がBよりも  P が二倍大きい
P4
P3
等圧線が込んでるほど P は大きくなる!
単位距離当たりの等圧線の本数と Pは比例 d r d2r
*スキー場で転倒したときに転がる方向と、転がるときの
加速度の大きさを考えると、よく分かるであろう。
P2
P1
P0