ラージポーラロンでは 分極のエネルギーと有効質量を持った伝導電子として取り扱う イオン性の高い典型金属酸化物で示唆される。 このような酸化物はエネルギーギャップが大きく、バンド構造は 大きなバンド幅(Eg ³ 6eV )で特徴づけられる。エネルギーギャップ が大きいので、高温でのみ真性半導性が見られる。 スモールポーラロンでは 局所的な格子歪みが非常に大きく、結晶は原子やイオンの集合 体として取り扱う、つまり不連続性を取り入れて議論することが 必要 幾つかのイオン性酸化物で見られるホッピング伝導の機構 低温では狭い伝導帯中で結晶中をトンネル効果により移動 温度依存性は格子散乱により決まる 高温ではバンド理論を電子的導電性の機構特徴付けに使うの は不適当 ホッピング伝導 電子や正孔のエネルギー準位がバンドを形成せず、結晶中の 原子に局在するからである。 ホッピング伝導では電子の移動度はバンド伝導に比べ非常に小さい 熱活性であるため、温度依存性は指数関数的に増大 æ EH ö m = m0 expç÷ k T è B ø EHは活性化エネルギー、0.1〜0.5eV程度 イオン伝導よりもかなり低い 金属ー半導体転移 抵抗 温度の上昇に伴い不連続的に減少し、金属並みの抵抗を示す 局在化した電子 一つを隣接した原子に移動 正孔が生成 電子と生成した正孔はクーロン引力により対を形成 クーロン引力が大きい場合 拘束 電解の印加 移動可能 ホッピング 温度の上昇 電子濃度の増加 遮蔽効果の増大 クーロン力の緩和 電子は自由に移動 2.不定比性と格子欠陥 2 . 1不定比酸化物中の欠陥 不定比性酸化物で重要な欠陥は次の通り ・点欠陥 (a)酸素副格子あるいは陽イオン副格子上でイオンのない位置。 (b)格子間位置の酸素や陽イオン (c)正規の格子位置にあるが、酸化あるいは還元された陽イオン (d)陽イオンを置換した異種陽イオン ・電子的欠陥 (a)自由電子 (b)自由正孔 2 . 2欠陥の記号 欠陥の種類と格子中での位置が添え字を伴った記号で表される。 VO : 酸素空孔 VM : 金属空孔 Oi : 格子間酸素 Mi : 格子間金属 欠陥の電荷は常に有効電荷。正電荷1につきドット(・) 、負電荷1につきダッ シュ( ‘) 、中性の欠陥にはX印(X)を付ける。 ´ OO : 正規格子位置の酸素イオン ´ M M : 正規格子位置の陽イオン V O˙˙ : 有効電荷+ 2の酸素空孔 VM¢ : 有効電荷- 1の金属(陽イオン)空孔 Oi¢¢ : 格子間酸素イオン M i˙ : 格子間位置の 1 価の陽イオン MfM¢¢ : M4+サイトの2価の異種陽イオン MfM¢ : M2+サイトの3価の異種陽イオン 2 . 3欠陥反応を表す決まり 欠陥を正しく書き表すには次の三つの決まりに従う必要がある。 1. 陽イオンと陰イオンのサイトの数の比は一定で、母格子中のサイトの比 と同じでなければならない。 M Oで 1:1 と言う比は欠陥の種類と数にかかわらず保たれなければならない。 2. 有効電荷の合計は欠陥生成の前後で同じ。 3. 欠陥反応に含まれる原子の数とその質量は、欠陥生成の前後で同じ。 2 . 4点欠陥の生成とイオン化 ショットキーやフレンケル欠陥とは異 なり、不定比酸化物 中の欠陥の大部分は 雰囲気との反応により生じる。(酸化もしくは還元反応) 陽イオンが低原子価状態へと還元される場合には CeO2 - xのように酸素空孔が生 じる。高原子価状態に酸化される場合には F e Oのように金属空孔が主要な欠陥 となる。 2.4.1酸素空孔の生成 典型的な例として CeO2 を考える。 CeO2 は 650℃以上で CeO2-x( 0 £ x £ 0.25 )で表される不定比相となる。酸化物に おける酸素欠陥の生成を図 2.1 に示す。 酸素分圧が低いと格子中の酸素サイトから酸素原子が抜けて2個の電子が空孔 中に取り残され、中性の酸素空孔 V ´O が生成。 異 符号の電荷を持つ周囲の陽イオンによる静電場により取り残された電子は低 温ではいくらか安定。 高温では酸素空孔がイオン化する傾向 2.4.1酸素空孔の生成 典型的な例として CeO2 を考える。 CeO2 は 650℃以上で CeO2-x( 0 £ x £ 0.25 )で表される不定比相となる。酸化物に おける酸素欠陥の生成を図 2.1 に示す。 酸素分圧が低いと格子中の酸素サイトから酸素原子が抜けて2個の電子が空孔 中に取り残され、中性の酸素空孔 V ´O が生成。 異 符号の電荷を持つ周囲の陽イオンによる静電場により取り残された電子は低 温ではいくらか安定。 高温では酸素空孔がイオン化する傾向 2.4.2金属空孔の生成 大部分の酸化物→金属原子の平衡圧が小さい 金属が雰囲気中に失われても高濃度の金属空孔は生成しない 金属空孔の生成機構 1. 結晶表面における酸素分子の吸着と解離 2. 酸素イオンの生 成2個の必要な電子が隣り合った2個の陽イオンの価電 子から取られる。結果として陽イオンが酸化。正孔が陽イオンの価電子帯 中に生成 3. 生じた O2-サイトを補償するために表面金属空孔の生成 母格子特有の陽イオンと陰イオンの数の比を保つためである。 結晶内部から表面の金属空孔への陽イオンの拡散 2.4.2金属空孔の生成 大部分の酸化物→金属原子の平衡圧が小さい 金属が雰囲気中に失われても高濃度 の金属空孔は生成しない 金属空孔の生成機構 1. 結晶表面における酸素分子の吸着と解離 2. 酸素イオンの生 成2個の必要な電子が隣り合っ た2個の陽イオンの価電子から取られる。結果 として陽イオンが酸化。正孔が陽イオンの価電 子帯中に生成 3. 生じた O2-サイトを補償するために表面金属空孔 の生成 母格子特 有の陽イオンと陰イオンの数の比を保 つためである。 結晶内部から表面の金属空孔への陽イオンの拡散 2.4.4真性イオン化 ここまでの欠陥反応に含まれる場合に加えて、電子的欠陥(電子と正孔)は真 性イオン化によっても生じる。 中性の格子→ e¢ + h × (19) 遷移金属酸化物 の場合、陽イオンの価電子のイオン化により電子と正孔が同時 に生じる。欠陥濃度が小さいときに支配的となる。
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