労働災害の書類送検事例

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ロール機による事故の防止
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ロール機による災害発生状況
平成15年データ
 製造業における死者:293名
 うち、はさまれ・巻込まれ:91名
 うち、起因物がロール機:5名
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ロール機に関する法令(1)
安衛則109条:巻取りロール等の危険の防止
 事業者は、紙、布、ワイヤーロープ等の巻取り
ロール、コイル巻等※1で労働者に危険を及ぼ
すおそれのあるものには、覆い、囲い等※2を
設けなければならない。
 ※1 :伸線機の引出しドラム、製紙用ワインダ
の押えロール等を含む
 ※2:急停止装置を含む
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ロール機に関する法令(2)
安衛則144条:紙等を通すロール機の囲い等
 事業者は、紙、布、金属箔等を通すロール機
の労働者に危険を及ぼすおそれのある部分
には、囲い、ガイドロール等※を設けなければ
ならない。
 本条は送給する際、及び送給後の作業中に
おける危険の防止を意図する。
 ※:じゃま板、当該作業者が自ら操作できる急
停止装置を含む
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ロール機に関する法令(3)
安衛則107条:そうじ等の場合の運転停止等
 事業者は、機械のそうじ、給油、検査又は修理の
作業を行う場合において、労働者に危険を及ぼ
すおそれのあるときには、機械の運転を停止しな
ければならない。
 ただし、機械の運転中に作業を行わなければなら
ない場合において、危険な箇所に覆いを設ける
等※の措置を講じたときは、この限りではない。
 ※:十分な長さの用具を使用することを含む
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ロール機事故事例
発生年
発生時間
平成11年
16~17時
業種
金属製品製造業
事業場規模 300~499人
災害状況
塗装鋼板工場のカラーラインの出側のルーパー
ピット内において、ロールに付着した異物を除去し
ようとして右手をロールに入れたときに巻き込まれ、
上体がロール側面と架台との間に引き込まれた。
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ロール機事故事例
発生年
発生時間
平成11年
16~17時
業種
鉄鋼業
事業場規模 1000~9999人
災害状況
スチールの表面に塗料や塩ビを貼り付けるた
めの接着剤を塗る行程で、ローラーを交換した
のち運転準備を行なっていてローラー部分に両
腕を巻き込まれた。
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ロール機事故事例
発生年
発生時間
平成11年
18~19時
業種
化学工業
事業場規模 100~299人
災害状況
ポリエステルとポリエチレンを貼り合せてフィルム
を製造するラミネーター機の巻き取りロール部に
入ってフィルムをロールに巻く作業を行っていたと
きに、あごひも付きの作業帽が巻取りロールに巻
込まれ、あごひもで首を締め付けられた。
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ロール機事故事例
発生年
発生時間
平成12年
5~6時
業種
パルプ・紙・紙加工品製造業
事業場規模 30~49人
災害状況
抄紙機の巻き取りが不調となって横ずれが生じ
たため、ロールのシャフトに専用フックをかける
スペースが無くなり吊り上げて移動することが
出来なくなったので、フックの代わりに玉掛用ワ
イヤーをシャフトに掛けようとしたときに回転し
ているシャフト先端部に作業服が巻き込まれた。
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ロール機事故事例
発生年
発生時間
平成12年
16~17時
業種
事業場規模
災害状況
化学工業
1000~9999人
ワインダーでフィルム(PTE)の巻き替え作業を
行っていて右腕を巻き込まれ、そのまま振り回さ
れて両足裂傷等により出血多量になった。
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ロール機事故事例
発生年
発生時間
平成12年
16~17時
業種
非鉄金属製造業
事業場規模 100~299人
災害状況
圧延工場において、張力矯正機のオペレー
ターが回転中のゴムローラー部に両腕を巻き
込まれた。
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ロール機事故事例
発生年
発生時間
平成12年
6~7時
業種
化学工業
事業場規模 100~299人
災害状況
合成皮革の製造工場で、最終の表面加工を行な
う工程で加工後の巻き取り用ロールに原反ととも
に巻き込まれた。
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ロール機事故事例
発生年
発生時間
平成13年
16~17時
業種
非鉄金属製造業
事業場規模 1000~9999人
災害状況
冷間圧延機のブライドルロール(圧延されるアルミ
板の張力を調整するロール)をアルコールを浸した
さらしで拭く作業を行っていたときに、右手が右肩
まで巻込まれた。
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ロール機事故事例
発生年
発生時間
平成13年
17~18時
業種
事業場規模
災害状況
パルプ・紙・紙加工品製造業
50~99人
段ボールの板の製造ラインにおいて、コルゲー
ターマシンに隣接するスリッター機の異音が聞こ
えたので機械の反対側の操作盤に向かうために
機械上方の架台を通行中に、足を滑らせて回転
している上部ドラムに右手をつき、ドラムとガイド
ロールとの間に右腕をはさまれた。
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ロール機事故事例
発生年
発生時間
平成13年
10~11時
業種
非鉄金属製造業
事業場規模 100~299人
災害状況
ロール状の銅板の表面を研磨するため酸処理を
してバフ研磨をかけ、水洗浄の上乾燥させて再度
巻き取る一連のラインにおいて、最終の巻き取り
ロール手前のロール機付近で監視作業を行う手
はずであった者がロール機の安全柵及び安全カ
バーをあけて中に入り、ロールに右手を肩口まで
巻き込まれた。
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ロール機による典型的事故の事例(1)
 板の反り修正用ロール(2本圧着ロール)の表
面に汚れを発見し、ロールを回転したままウエ
スにより拭取り作業中、ウエスがロールに巻
込まれ、瞬時に手を離すことができず、腕を巻
込まれた。
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事故の対策
 ウエスの大きさの限定
 非常停止装置の改善(ボタン→バー)
 教育訓練の実施と作業者認定制度の導入
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ロール機による典型的事故の事例(2)
 紙に樹脂を塗布する工程で、作業者Aが通紙
ロールの作業中、作業者Bがそれに気付かず
通紙装置を起動したため、作業者Aが不意に
起動したロールに腕を巻込まれた。
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事故の対策
 ロックアウトシステムの導入
 起動時のアラームの設置
 非常停止装置の位置の見直し
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ロックアウトシステムとは
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誰が非定常作業に従事できるか
 事前に非定常作業の安全化について訓練を
受けた者のみが従事できる
 安全化に必要な鍵や表示札などは監督者か
ら支給される
 個人に支給された鍵は決して他人には渡して
はならない
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7 ステップの安全化手順
1.
2.
3.
4.
シャットダウンの準備
装置のシャットダウン
全てのエネルギー源の切り離し
エネルギー源(起動装置、バルブなど)に鍵を
掛ける(ロックアウト)
5. エネルギー源に表示する (タグアウト)
6. 蓄積されたエネルギーを放出する
7. エネルギーの切り離しを確認する
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1. シャットダウンの準備
 装置の危険源を理解する
 危険源
 エネルギー切り離しの場所
 シャットダウンの手順
 他の作業者にシャットダウンを周知する
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2. 装置のシャットダウン
 通常の作業手順で装置をシャットダウン(停止)
する
 装置の全ての起動スイッチを“OFF” にする
 装置の全てのバルブを“閉”にする
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3. 全てのエネルギー源の切り離し
 関連する全てのバルブを“閉”にする
 関連する全てのブレーカー、遮断機を“OFF”
にする
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4. エネルギー源の施錠
 バルブ類に鍵を掛ける
 ブレーカー / 遮断機に鍵を掛ける
 南京錠(米国では個人ごとに掛ける)
 キースイッチ
 安全プラグ
 ブランクフランジを挿入する
 施錠した鍵は必ず当人が所有する
米国では「ロックアウト」という
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5. エネルギー源への表示
 「点検中、起動するな」、「清掃中」などの表示
札、テープ、タグなどを簡単には取れないよう
表示する
 作業者の名前を記すことも有効である
米国では「タグアウト」という
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6.蓄積されたエネルギーの放出








コンデンサーの放電
スプリングの開放またはブロック
重量落下機械のブロック挿入
ホイールなど回転体の惰性回転停止
圧力の開放
流体の排出
ガスの放出
熱の冷却、常温化
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7. 装置分離の確認
 通常のスタート操作にて、装置が起動しないこと
を確認
 施錠が良好に施されていることを確認
 制御装置を“OFF”または中立であることを確認
 全ての作業者が明確であることを確認
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非定常作業後完了後の復旧方法
 作業エリアと装置を点検する
 全ての安全カバー、安全装置が復旧していること
を確認する
 工具、部品類を装置から撤去する
 周囲に再スタートを周知する
 装置、システムへの接続を復旧する
 施錠及び表示を取り外す(本人以外は出来ない)
 装置を定常に復旧する
 通常の方法で再スタートする
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Safety Is Everybody's Business