人工知能 論理と推論(1) 知識を組み合わせて知識を生み出す 命題論理 (Propositional Logic) 人工知能と論理 命題論理の構文 命題論理の意味 節形式 なぜ人工知能で論理を学ぶのか なぜ 人工知能 で 論理 (LOGIC)を学ぶのか. 言 語 としての論理 ⇒ 構文,意味 アルゴリズム としての論理 ⇒ 推論 知識ベース 知識 TELL, ASK 知識 知識 知識表現言語 (=LOGIC) 推論 アルゴリズム (= LOGIC) いろいろな論理と推論がある 完全な知識に基づく数学的な推論 命題論理:命題(文)を1つの記号で表現 述語論理:オブジェクトとその関係を記号で表現 不確実な知識に基づく推論 ファジィ推論:あいまいで主観的な知識を扱う 確率推論:観測事実から命題が真である確率を計算 知識が欠けているときの推論 帰納推論:多数の観測事実から一般法則を導く 仮説推論:観測事実を説明できる仮説や信念を導く 就職試験に見る命題論理(1) 次の①~③はいずれも事実であるとする. ①お風呂が好きな人は,きれい好きである. ②歯みがきが好きな人は,お風呂が好きである. ③お酒が好きな人は,タバコが好きであり,しかも歯みがきが好 きである. このとき,次のア~オの中で確実にいえることをすべて選べ. ア.歯みがきが好きな人は,タバコが好きである. イ.お酒が好きな人は,歯みがきが好きである. ウ.タバコが好きな人は,きれい好きである. エ.タバコが好きでない人は,お風呂が好きでない. オ.きれい好きでない人は,お酒が好きでない. 就職試験に見る命題論理(2)論理式 知識を記号を使った論理式で簡潔に表現する ①お風呂→きれい ②歯みがき→お風呂 ③お酒→タバコ∧歯みがき ア.歯みがき→タバコ イ.お酒→歯みがき ウ.タバコ→きれい エ.タバコ→お風呂 オ.きれい→お酒 就職試験に見る命題論理(3)推論規則 P→Q 対偶 Q→P P→Q Q→R 三段論法 P→R P→Q∧R P→Q P→R P→Q P モーダスポネンス Q 就職試験に見る命題論理(4)推論 お風呂 歯みがき お酒 きれい タバコ ア.歯みがき→タバコ イ.お酒→歯みがき ウ.タバコ→きれい エ.タバコ→お風呂 オ.きれい→お酒 命題論理の構文(1)構文要素 構文要素を一定の規則で並べると論理式となる. 命題論理の構文要素 論理定数: true と false 命題記号: それ以上分解できない命題(原始命題) を表す記号.p, q, r など. 論理記号: 命題を結合して複合した命題を作る記号. AND かつ 連言 OR または 選言 NOT でない 否定 IMPLY ならば 含意 EQUIV 等しい 同値 命題論理の構文(2)論理式 論理式: 原始命題を論理記号でつないだ文. 論理式 論理定数 は論理式である. true false 命題記号 は論理式である. P P が論理式ならば, (P ) は論理式である. P が論理式ならば,以下の4つも論理式である. ( P Q) ( P Q) ( P Q) ( P Q) 例 p ((q (r ))) p (q(r )) は論理式である. は論理式でない. 命題論理の構文(3)論理式(続き) リテラル 命題記号 はリテラルである. 命題記号 はリテラルである. p p 正リテラル 負リテラル カッコの省略ルール 論理記号の優先順位 ∧と∨の結合則の利用 例 (( p q) r ) p q r ((p) (((q r )) s)) のカッコを省略すると p (q r ) s 命題論理の意味(1):解釈の概念 解釈: 論理式を真偽に対応付ける写像 論理式 (構文領域) true false p q p pq 真偽値 (意味領域) 解釈 T (真) F (偽) 命題変数 p,q,.. の解釈だけは 自由に決められる.. 命題論理の意味(2):論理式の解釈 命題変数 p,q,.. の解釈を決めると,他の論理式の解釈は: true の値はT(真), false の値はF(偽) (P ) の値は P の値の逆. ( P Q) ( P Q) ( P Q) ( P Q) の値は,以下の真理値表に基づいて決める. P Q P∧Q P∨Q P→Q P Q T T T T T T T F F T F F F T F T T F F F F F T T 命題論理の意味(3):論理式の解釈 例 p T , q F, r T p T, q T, r F のとき のとき ( p q) r (T F ) T F T T ( p q) r (T T ) F T F F 命題論理の意味(4):恒真 恒真 どんな解釈をしても真 p p 例 ( p q) (p q) ¬p ¬p∨q (p→q)(¬p∨q) p q p→q T T T F T T T F F F F T F T T T T T F F T T T T 命題論理の意味(5):充足不能と充足可能 充足不能 どんな解釈をしても偽 例 p p 充足可能 ある解釈のもとで真 例 pq 充足不能 充足可能 p p pq 恒真 p p 命題論理の意味(6):論理的帰結 論理的帰結 P1, P2 , , Pn のすべてが真となるどんな解釈によっても Q が真のとき, Q は P1, P2 , , Pn の論理的帰結 であるといい,つぎのように書く. P1, P2 , 例 P Q, Q R , Pn Q PR 節形式(1):節形式への変換 節: リテラルの選言. p q r 節形式: 節の連言. ( p q) ( p q) r どんな論理式も以下の変換ルール(左辺を右辺に書換え)で 等価な節形式に変換できる. 節形式への変換 1 2 3 4 5 6 P Q ( P Q) (Q P) P Q P Q P P ( P Q) (P) (Q) ( P Q) (P) (Q) ド・モルガンの法則 ( P Q) R ( P R) (Q R) 分配則 節形式(2) :節形式への変換 例 p (q r ) p ( q r ) p ( q r ) p ( q r ) p (q r ) ( p q ) ( p r ) 節形式 したがって,つぎの2つの節が得られる. 節集合 pq p r 節形式(3) :節形式と if-then ルール 節 は if-then ルールに対応する. 負リテラル = 条件 の AND pq p q r p q (if p then q) p q r (if p & q then r ) 節形式(4) :節形式と if-then ルール(特殊ケース) 正リテラル = 結論 の OR p q r s pq rs p q true p q p q p q false true false 空節 矛盾
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