目的 喫煙は、疾病の最大・単一の原因であり、そのために多く の命が失われ、膨大な医療資源等が消費されている。 最近特に問題となっているのが、未成年喫煙であり、健 康日本21でも「未成年喫煙ゼロ目標」が設定されたが、 喫煙開始年齢の低年齢化は進み、抜本的対策がとられ ていない。 淡路医師会では、急増する未成年喫煙の実態や学校で の喫煙対策の現状を明らかにし、これらを改善するため の有効な対策を検討し、各方面に提言するため、淡路島 内の全学校を対象に調査・分析を行った。 淡路医師会 淡路島全学校喫煙状況調査について 2004/9/12 1 対象・方法 対象は淡路島内のすべての小 中高校および専門校90校、在 籍児童生徒数約1万9千人。自 記式アンケートで平成15年春 に実施した。回収率は児童・生 徒の調査については、各校別 結果については99%(89/90)、 個別の調査票は74%(67/90)、 学校の喫煙対策状況調査につ いては、97%(87/90)だった。 淡路医師会 淡路島全学校喫煙状況調査について 2004/9/12 2 調査内容 調査内容は、国立公衆衛生院による2000 年度全国調査の調査票を基本として、喫煙 防止教育の有効性をみるための項目、タバ コ価格が未成年喫煙に与える影響やタバコ の警告表示の有効性を検討するための項 目を加えた。調査票は5種類(小学校低学 年、小学校高学年、中学生、高校生、その 他学校)に分けて、小学校低学年では、小 学1年生が読める漢字だけ使用して字を大 きく読み仮名をつけ、A4の1枚に収めるなど、 調査対象者層に合わせた工夫をした。 淡路医師会 淡路島全学校喫煙状況調査について 2004/9/12 3 結果 喫煙経験率 n=12,140 80% 小学校1年生ですで に 、 男 子 6.9% 、 女 子 2.5%に喫煙経験あり。 70% 60% 50% 66.7% 47.5% 28.9% 30% 16.2% 14.4% 18.1% 33.5% 26.1% 23.8% 30.6% 52.4% 男 女 18.2% 高 1 中 3 中 2 中 1 小 6 小 5 小 4 小 3 小 2 小 1 0% 専 門 校 高 (未 3 成 専 年 門 ) 校 (成 人 ) 12.9% 12.2% 12.5% 10.5% 10.0% 9.7% 7.4% 7. 0% 6.9% 4.9% 5.0% 2.5% 4.6% 高 2 10% 49.3% 39.3% 40% 20% 70.8% 10%を超えるのは男子で小3、女子で中1。中3以降急増する。 淡路医師会 淡路島全学校喫煙状況調査について 2004/9/12 4 月喫煙率(最近30日間に1日以上 吸った者の割合)と毎日喫煙率 n=11,859 喫煙率 女 男 25% 24.4% 20% 毎日喫煙率 月喫煙率 25% 20% 15.6% 14.1% 15% 15% 11.2% 10% 5.4% 5% 8.0% 6.7% 5.1% 3.0% 4.8% 4.2% 10% 4.0% 1.9% 10.6% 6.5% 5.4% 2.6% 0% 0.2% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.2% 0.0% 0.6% 小1 小2 小3 小4 小5 小6 中1 中2 中3 高1 高2 高3 5% 2.2% 1.5% 3.0% 6.2% 2.3% 6.9% 5.4% 3.1% 1.2% 1.6% 1.9% 1.1% 2.1% 2.9% 0. 7% 0. 0% 0. 0% 0. 0% 0. 0% 0. 0% 0. 2% 0. 0% 0. 0% 0% 小1 小2 小3 小4 小5 小6 中1 中2 中3 高1 高2 高3 毎日喫煙率は、高3男子15.6%、女子5.4% 淡路医師会 淡路島全学校喫煙状況調査について 2004/9/12 5 タバコの入手源 月喫煙者に占める割合 n=649 80% 70% 家の タバコ もらい タバコ 屋外 自販機 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 小4 屋外自販機 小5 小6 屋内自販機 中1 家のタバコ 中2 もらった 中3 高1 コンビニ 高2 タバコ店 高3 その他 小学生は家のタバコ、中1はもらいタバコ、中高生は屋外自販機 タバコの価格 タバコの価格がいくらになったらやめ ますか?(月喫煙者についての集計) n=366 100% 1000円 90% 80% 500円 70% 1000円以上 1000円 500円 300円 60% 50% 40% 30% 300円 20% 10% 参 考 :全 国 成 人 高 3 高 2 高 1 中 3 中 2 中 1 0% タバコ1箱300円だと中高生の2割、500円だと6~7割が タバコをやめる。 タバコの警告文 男 0% n=6,258 (月喫煙者についての集計。EDは高校生のみ。) 吸わないでおこう なんとも思わない 20% 40% 60% 吸いたく なる 80% 100% タバコは20歳になってから 未成年者の喫煙禁止 やめられなく なる 肺癌になります シミシワ老化が進む 勃起不全になる 女 0% 20% 40% 60% 80% タバコは20歳になってから 未成年者の喫煙禁止 やめられなく なる 肺癌になります シミシワ老化が進む 勃起不全になる 「肺癌」「老化」「ED」を訴えるのが有効。 100% 学校の喫煙対策 100% 80% 84.2% 87.5% n=84 60.7% 52.6% 60% 40% 受動喫煙をさせ られることがある 学校の割合 50.0% 28.6% 25.0% 25.0% 20% 非喫煙教師 児童生徒 0% 小学校 中学校 高校 児童生徒 専門校 非喫煙教師 多くの学校で児童生徒や教師が受動喫煙をさせられている 結論 小学校低学年ですでに喫煙経験のある児童がいる一方で、小学 校の6割では防煙教育が未実施であり、防煙教育の実施が重要。 タバコの入手源対策としては、小学生は親が禁煙すること、中高 生はタバコ自販機を廃止することが決め手になる。 タバコの警告は現行のものよりも「肺癌」「老化」などが有効。 タバコ価格の値上げは未成年喫煙抑止に有効。 学校敷地内禁煙の確実な実施が必要である。 調査結果をもとに、兵庫県知事、淡路県民局長、たばこ事業審 議会、兵庫県警、近畿財務局、淡路教育事務所に提言を行った。 淡路島全校一斉喫煙状況調査ホームページ http://nosmoke.hp.infoseek.co.jp//school/ 淡路医師会 淡路島全学校喫煙状況調査について 2004/9/12 10
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