心に響く 道徳教育推進事業

「道徳の時間」について
~基本形の指導について~
高槻市教育委員会
学校教育部指導課
道徳の基本形をマスターする
- 読み物資料で指導案をつくる -
• 導入
• 展開(前段)
• 展開(後段)
• 終末
ねらいに関わる問題に気づく
主人公を通して考え方
を高める
自分を見つめる
実践しようとする意欲を高める
(1) 資料を選択する
• 子どもが共感できるもの
• 子どもが深く考えることができるもの
• 起・承・転・結がはっきりしたもの


自分たちの生活に似すぎている内容の資料
自分たちの生活からかけ離れすぎた内容の資料
(2) 資料分析

ねらいを明確にする
↓

生きていく上で大切なことを子どもが納得する

そのような生き方にあこがれをもつ
① 資料を読む(「資料」)
② 解説書で内容項目を確認
③ 資料を読み直す(「発問」「生き方」)
(3) 展開の前段の発 問構成
読み物資料を4つに分ける
•
•
•
•
「起」…主人公のねらいにかかわる状況
「承」…主人公の心が揺れ動く
「転」…主人公が葛藤を克服する
「結」…よりよい生き方に共感する
「いつまでも仲間」
あらすじ
人間的弱
価値覚醒
価値納得
回転軸 (『みんなの道徳6年』
2-③信頼友情
学研)
さ
・人柄
起
承
転
結
明のクラスは男子と女子がとても仲が悪い。発端は、5年生
のとき、みち子が明に年賀状を出したことを女子がはやした
て、男子もみち子と明をからかいはじめたからである。
みち子が交通事故で入院したときにも、明は見舞いに行って
やりたかったができなかった。
みち子が車椅子で通うようになった遠足の日。百段以上もあ
る階段の下でみんなを待つというみち子。明は、みち子の車
発問は、主人公の心を考える
椅子を運ぶのを手伝うと言いだし、他の男子からも声があ
 ○○はそのときどんな気持ちだった? (心情)
がった。
この日をきっかけにして、男子と女子の仲は急速に良くなっ
 ○○はどんなことを考えたのか? (判断)
ていった。
 ○○はどうしようと思ったのか? (意欲態度)
卒業の日、黒板には「いつまでも仲間」の文字があった。
私もいじめた一人なのに
心 思
行動の仕方ではなく、
自
の わ
み
本当
分
中 ず
ん
に
行動を支える心のありようを問う
の強さ
で 男
な
知
回
は 子
の
っ
っ
ど の
た 鉢
て
う 頬
き
と に
叫 を
た
き 水
ん な
と
の を
で ぐ
気 や
き
い っ
持 っ
の
た て
気
ち て
い
ん い
持
? た
これまでに
だ た
ち
の
ろ と
溜まってい
は
を
う き
?
た気持ち
? 、
弱さ
自分への
最
ふり返り
後
に
こ
の
ク
ラ
ス
の
み
ん
な
に
な
ん
て
言
う
あ
な
た
が
主
人
公
だ
っ
た
ら
、
ドラえもんの声
大
山
さ
ん
の
気
持
ち
は
?
み
ん
な
の
前
で
歌
っ
て
い
る
と
き
の
声
を
出
せ
な
く
な
っ
た
の
か
?
み
ん
な
の
前
で
ど
う
し
て
大
山
さ
ん
は
大
山
さ
ん
の
気
持
ち
は
?
舞
台
で
練
習
し
て
い
る
と
き
の
大
山
さ
ん
の
気
持
ち
は
?
舞
台
で
本
番
を
終
え
た
と
き
の
ド
ラ
え
も
ん
を
演
じ
て
い
る
の
で
し
ょ
う
?
大
山
さ
ん
は
、
ど
ん
な
こ
と
を
考
え
な
が
ら
おじいさん次ですよ!
ど
う
し
て
で
し
ょ
う
か
?
さ
っ
さ
と
バ
ス
に
乗
っ
た
の
は
、
ど
ん
な
気
持
ち
だ
っ
た
で
し
ょ
う
?
乗
せ
て
い
る
の
を
見
て
男
の
人
が
お
じ
い
さ
ん
を
ど
ん
な
こ
と
を
考
え
て
い
た
の
で
し
ょ
う
お
じ
い
さ
ん
と
二
人
に
な
っ
た
と
き
、
い
ず
み
さ
ん
は
ど
ん
な
気
持
ち
だ
っ
た
で
し
ょ
う
?
お
ど
ろ
く
ほ
ど
大
き
い
声
を
出
し
た
後
、
(4) 授業のポイント
① 話すきっかけを与える
 時間は短く(3~5分)
導入
② 聴き手に徹する
 学習課題を明確
ねらいにかかわる
③ 話し続けるよう励ます短い言葉を使う
(①資料から ②ねらいから)
問題に気づく
④ 単語の一部をくり返す
⑤ 体全体を使って聴く

20~30分

教師がしゃべりすぎない

補助発問をうまく使う
イメージが具体的にわかない
自分の問題として考えにくい資
 発問のタイミングと応答を大切に
資料の場合は説明をする
料の場合は説明をする
展開(前段)
主人公を通して
考え方を高める
多様化発問(他にないかな)
裏付け発問(なぜ、どうして)
ひっくり返し発問(そうかな)
展開(後段)
自分を見つめる
終末
実践しようとする
意欲を高める

5~10分

何でも話せるあたたかい雰囲気作り

書く作業を取り入れるのも有効
(すべての子どもが自分を見つめる時間の保障)

事前に子どもの実態を知っておくと役立つ

時間は短く(3~5分)

「がんばっていこう」など、押しつけはしない

余韻を残す工夫を

教師が語ることはたいへん有効
(5) 板書の役割
• 主人公に感情移入し、
主人公の生き方を自分事にしていく。
→ 主人公の生き方のドラマを再現を図る
• 主人公の生き方に合わせて、
舞台を移行させる。
→ 柱の場面を限定し、思考の焦点化を図る